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RNA EVE (EP0没)

作者: Project RNA
掲載日:2017/08/14

耳鳴りがした。目が霞んでいる。熱い。

鼻を刺す何かが焦げる臭い、体には力が入らない。

何がどうなったのだろう。

朦朧としつつ状況を把握した。

そう考えてる間に徐々に意識もはっきりしてきた。

体中が痛い、そう思いつつも体を起こす。

辺りは廃墟のような空間が広がっている。

いつもなら煌びやかな街が今日は明かりが灯っていない。

ここは何処か、黒く汚れた床、砕けた天井窓、外からは何かの爆発音が聞こえる。

私は家に居たのだ。

外を見ると煤煙や炎、そしてやつらの機影が横切る。

遠くには走る人影が見えた、姉は今どうしているのだろう。


私はあれがある地下に向かう。

途中突然腕に痛みを感じ強く抑えると、何かが滴った。血だ。

暗くてよく見えなかったが微かに写る黒く、生暖かいそれがわかった。

私は一瞬、気分が悪くなった。自分の中に通ってるものだが

かといって触って気持ちのいいものではない。

壁に寄りかかり、そう一息付き再び足を運ぶ。

あれがある階に着いた。明かりが無く真っ暗である。私は電源を探してそれを点けた。

広い空間に一瞬光が入るが殆んどのライトは壊れているのか数個しか点いておらず

不規則な点滅を繰り返している。

しかしあるものはあった、四方に無骨な鉄骨が露出した空間にそのデバイスは駐機している。

しかし姉の姿は見えない。私は少し力が抜け、壁に背を付いて腰を落とした。

いつもなら姉がいない時は姉の帰りを心待ちにしているのだが、今はそんな余裕はなかった。

姉が居ないだけで、この現実の重圧に耐え切れなくなりそうだ。

怪我のせいだろうか、それとも私が弱いだろうか。

私はここに来て何をしたらいいのかもわからなくなっていた。

外に出て状況を確認するべきか、それとも私がこれに乗って戦うのが正解なのか。

姉が居ない以上これは私の務めなのではないだろうか。しかし私は戦士ではない。

私にはそんな勇気も手腕も無かった。私は意志と責務の自問自答を繰り返す。

そんなことを考えてるうちにまた朦朧としてきた。

眠い……とにかく眠い。感覚が薄くなっていく。そう思ってすぐに私の意識は途絶えた。


目が覚めると私は車内にいた。どれくらいの時間が経ったのだろう。

そこは砂と石が伸びる大地であった。私は車内で揺られ、自分があの惨状から脱したことを悟った。

どこまでも続くその水平線は旭光を纏い、私に平穏と切なさを与える。

不意に気配を感じた。その先に、姉はいた。

私は姉を見て嬉しく安心したが、どうも何も言えず留まってしまった。

疲れたような顔をして、ここまで来るのも大変だったのだろう。

姉はいつも前向きで誰かのためなら真っ先に身を投げ打つような

正義を絵に描いたような規律的で力強い人だった。

だからこそ、弱ったような姿を前にしては何も言えなかった。

言葉が見つからなかった。

そう心の底では無力さと儚さを覚えたが、今は純粋に再開できた嬉しさだけを思い、感謝した。

そして優しい陽光は私の涙を明るみへと照らした。


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