094 The Monster
今回とても短めです。
「私はキルギス。キルギス=アスタロト。魔王様の第一の部下ですわ」
そう言って優雅に腰を折るキルギスさん。豊満な双丘が揺れます。
「アルガス、鼻の下が伸びてるわよ」
「やらしい目で見てんじゃねぇよ」
「……殿下」
「伸びてねぇよ!見てねぇよ!何なんだよ!?」
突如現れたキルギスさん。彼女のセクシーさにアルガスさんはタジタジ、ではない様です。
突如として責められるアルガスさんは可哀想ですね。
「それで、キルギスとやら。魔王が我々にどんな用事だと?」
「貴女、アルメリア=K=ベルゴール、だったかしら。別に貴女には用は無いのだけれど……。そうね、魔王様はね、魂の真価を見たがっておいでなの。だから、そこの三人には特別なゲストを用意しているのよ」
「ゲストだと?」
アルガスさんは訝し気に眉を顰めます。
ニコさん、フィズィさんも特に心当たりはありません。キルギスさんが一体何のことを言っているのか、三人は皆目見当も付かないのです。
「何だかよくわからねぇけどよ、罠じゃねぇって証拠は何にもねェ。はいそうですかと案内してもらう馬鹿が何処にいる」
「ふふ、まぁ良いでしょう。それも当然のことですわ。でも、あまり馬鹿にしないで貰いたいものね。私は案内すると言ったの。拒否権は無いのよ」
キルギスさんがそう言うと、辺りに広大な魔方陣が瞬時に展開されます。
「なッ!?」
「これ、転移術式!?」
ニコさんたちの驚きを他所に、キルギスさんが笑います。
「さぁ、それではご案内致しますわ!――転移」
ニコさんたちは呆気なく転移術式に巻き込まれます。
彼女たちを薄紫の光が包み込み、その光が止むと、この隠し通路に彼女たちの姿は影も形もなくなってしまったのでした。
体が変わっていく。痛みよりも恐怖に悲鳴を上げる。
誰か、誰か助けて!
「GYROHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH」
僕の体から、化け物の咆哮みたいな声が上がる。
僕の体は今、僕を吊るしている木の化け物と同化しつつあった。嫌だ嫌だ嫌だ!こんなのは僕じゃない!ああ、誰か!
「さて、そろそろの様だな」
僕の隣で悪魔が囁く。何がそろそろだって言うんだ!ああ、嫌だ、これ以上何が起こるんだ!?
「GRRRRRRR……」
「うああああああああああああああああああ!!いい、嫌だ!助けてくれぇ!!」
「全く、誠両方とも煩い。それを決めるのは、我ではない」
そう言って悪魔が笑う。
「それを決めるのは、貴様が殺した者たちだよ」
そう言って、悪魔が嗤う。




