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吸血蝙蝠ニコさんのダンジョン攻略記(仮)  作者: こぺっと
第四章 ニコさんと魔王
88/100

087 ベスティア大森林

遅くなりまして申し訳ございません。

不定期、不定期ですので……。

 その日、一晩ゆっくり休むと、翌日直ぐにニコさん達はアビスから出立しました。出立というよりは転送でしたが。


「これはまた凄い景色ね!」


 着いた先は緑溢れる森です。ほど良く日の光が入り、キラキラと輝く木々の葉が幻想的。ニコさんも感嘆の声を上げました。

 辺りに道らしい道はなく、自然のままとなっていました。地面は木の根でボコボコしており、とても歩きにくそうです。


「んで、結局ここは何処なんだ?」


 フィズィさんが訊きました。アルガスさんが一つ頷き答えます。


「ここはイリシオの南にある森林地帯、ベスティア大森林さ。イリシオの国土じゃないが、ここを抜けるとイリシオの国境砦だ」

「しかし殿下、ここはどの辺りなんでしょうか」

「いや、流石にそこまでは分からん」


 アルメリアさんの問いに、アルガスさんは首を横に振ります。流石に分からないようですね。何せ木々が広がっているだけですから。分かると言われても逆に信じられません。原住民かとつっこみたくなりますね。

 ニコさんは適当な木を拾って地面に立てます。それを見たフィズィさんは呆れ顔です。


「オイオイ、お前。そんなふざけた決め方を……」

「いいじゃない、どうせどっちに行けば良いかなんて分かんないじゃない」

「いや、お前飛べるんだから上から見てこいよ」

「そぉい!……あ、こっちよ!」

「無視かよ!」


 ニコさんは色々無視してカランコロンと歩き出しました。鼻歌なんか歌いながら、陽気に森を進みます。


 暫くの間、道なき道を歩いていくと、レムレスさんがふと何かを見つけました。それは不思議なヒト型の生物でした。


「アレ、ヒトでは?」

「ん?何だありゃ……」


 レムレスさんの指が指さした先には、大きな猫の頭にヒトの身体、という実に奇妙な生き物。森の中をキョロキョロと警戒しながら歩いています。


「魔王軍か?」


 アルメリアさんが魔槍(クッコロス)に手を掛けます。しかし、レムレスさんはフルフル首を振ります。


「いや。三百年前、あんな敵は見なかったと思う」

「そうね、あんなのが魔王軍だったら、ちょっと嫌ね!」


 すると、ニコさんの声に気付いたか、猫頭がビクッと跳ねて振り向き、「誰だ!」と声を荒げました。


「バレたわ、アルム少年!」

「お任せ下さい」


 アルム君は「とう!」とその場から飛び出すと、空中でムーンサルトを決めました。ニコさんは何故か「よし!」とこぶしを握ります。何がよし、なのか良く分かりませんが。

 華麗に着地したアルム君。ニヤリと目を輝かせます。それに慄く猫頭は若干引き気味です。


「な、何だお前!」

「ハッハッハ、何だお前、ですか。それはご挨拶ですね、僕の顔を忘れましたか?」

「何?」


 訝し気に首を傾ける猫男。しかしその表情は変わりません。

 アルム君は「嫌だなぁ」と白い歯を輝かせます。


「そのジョーク面白くないどころか、ちょっと失礼じゃないですか?ねぇ、ジョナサン」

「誰がジョナサンだ!俺はマバルだ、一文字も被ってないぞ!」

「それは残念です。まぁそれは良いとしてマバルさん、少しお尋ねしたいのですが」

「いや置いとくなよ、っていうかお前何だよ!何ナチュラルに会話継続しようとしてんだよ!」

「まぁまぁ、良いじゃないですか。それで、昨今の猫の髭事情についてなのですが……」

「いや、聞けよ!」


 猫頭のマバルさんはフゥー!と威嚇するように体勢を低くしました。臨戦態勢でしょうか。


「あの子の会話って、時折意味不明な上に強引よね」

「ありゃ、そもそも会話なのか?」

「さぁ。一応会話はしているわよ?……まぁ、仕方ないわね。私が行きましょう」

「お前はお前で心配なんだけどなァ」


 不安げに見送られるニコさん。マバルさんは急に現れた赤い髪の女性、ニコさんにビックリしました。


「な、何だお前!コイツの仲間か!?」

「ええ、そうよ。アルム少年が迷惑を掛けたわね」


 誰もが「お前がソイツ派遣したんだろう」と、内心思っていましたが、誰も口には出さずに成り行きを見守ることにしました。


「アルム少年。ありがとう、後は私がやるわ。それで、第一村人」

「ニコ=ウォーカー、彼にはジョナサンという名前が」

「マバルだ!お前ら揃いも揃って舐めてんのか!」

「あら、貴方。よく見たらその頭、被り物じゃない。道理で不自然に大きいと思ったのよ、よっぽど隠したい不細工なのかしら?ふふ、笑わないから取ってごらんなさい」

「アンタ出会いがしらに失礼だな!」


 アルガスさん、アルメリアさんは額を押さえ、フィズィさんは下を向いて肩を震わせています。レムレスさんは「ジェネレーションギャップか」と呟いていますが、そう言う問題でも無いと思います。

 結局その後も良く分からない会話をギャーギャーと繰り広げた三人。業を煮やしたアルガスさんが出ていき、何とか道を尋ねることが出来ました。一先ず、マバルさんについて、彼の村に行くことになったのです。


「全く、外の奴らは皆会話が出来ないのかと思ってビックリしたぜ」

「いや、一緒にしてくれるなよ。初めから俺が行けばよかったんだ。手間を取らせて悪かったな、マバル」

「何よ、まるで私たちが使えなかったみたいじゃない!」

「いや、みたいじゃない。使えなかったんだ」

「キーッ!」


 カラカラと笑うマバルさんとアルガスさん。二人はすっかり気が合った様です。一行はマバルさんを先頭にワイワイと森の中を進んでいきました。

 それからまた暫く進んでいけば、「着いたぜ」とマバルさん。彼らの目の前に広がっているのは、自然と殆ど一体化した集落でした。


「これは、言われなければ分からないわね」

「そうだな、ほとんど景色に同化してる」

「へへ、まぁ入んなお客人。ようこそ、ペルダンへ」


 そこはベスティア大森林の隠れ村、ペルダン。被り物をした獣人たちが住まうおかしな村でした。

おしまいに向けて突っ走ろうと思ったのですが、何やらまた寄り道しそうなルートに |д・)…

感想、評価などお待ちしております。宜しくお願いいたします。それはもう切に…(ΦωΦ)


どうでも良いですが、最近の顔文字って可愛いですね(。☌ᴗ☌。)

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