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吸血蝙蝠ニコさんのダンジョン攻略記(仮)  作者: こぺっと
第二章 ニコさんと復活の魔王軍
52/100

052 復活の魔王軍

 ニコさん達が船上で強襲を受けた数日前の事。

 場所は海に面した切り立った崖の上という何処かの世界のマッドな科学者しか住みそうもない立地条件に存在する世にも奇妙な古びた館。崖崩れでも起きたら家ごと紐無しバンジーです。

 そんな雰囲気重視の館では、それはそれはとても嬉しそうな歓喜の声が上がりました。

 歓声と共に雷でも光ればより良かったのですが生憎とその日の空は快晴で、星々は瞬き満月は青白い輝きをもってその存在を主張していました。シンプルに言えば星の綺麗な満月の夜です。


 声の主はとても美しい、まさに絶世の美女と言って差し支えない女性でした。

 黒いベビードールを身に着けており、健康的とも取れる小麦色の肌と確実に健康的と言えるマッシブなマッソーが透けていてとってもセクシーです。

 ぷっくらとした桃色の唇は実に女性的で、きっと世が世ならリップスティックなんかのCMのオファーが殺到しそうなほど瑞々しく潤い、背中まで伸びた緩やかなウェーブの赤褐色の髪はフワフワしながらも情熱的。

 きっと彼女が目の前に立っていたなら世の中の男の6割が運命を感じ、3割がアプローチしなければならない義務感に駆られることでしょう。個人的には平時に眼鏡をかけていて欲しいです。


 しかし、そんな彼女には秘密がありました。実は彼女、魔族なんです!

 頭から生えたチャーミングな角と、黒い虹彩に真っ赤な瞳。それからまるで悪魔のような羽が背中から立派に生えています。

 ……はい、別に秘密でも何でもありませんでしたね。全く隠れていませんでした。


 さて、そんな彼女の名前はキルギス=アスタロト。悪魔公爵キルギスさんです。

 彼女が嬌声ともつかぬ歓喜の声を上げたのには勿論理由がありました。遂に彼女の悲願が叶い、なんと三百年の時を経て魔王アルビオラマ=エスカリオ様が復活したのです。

 それは小躍りするほど喜ばしいことでしょう。


「ああ、魔王様。魔王様ぁん……」

「……キルギスよ、三百年の長きに渡る我が心臓の守護、誠大義であった」


 愛しの魔王様の復活にお褒めの言葉。キルギスさんはもう絶頂寸前です。多分目にハートを浮かべて更に全身からもハートを飛ばしているような状態です。右手が若干下腹部に伸びているのは気のせいです。クネクネと腰を揺すっているのは喜びの舞いです。


 キルギスさん愛しの魔王様も同じような外見をしていました。

 浅黒い肌に長く伸びた黒髪。黒い虹彩の中に金の瞳が輝いています。やはりというべきか、筋肉質な肉体は細マッチョとゴリマッチョの丁度間位で、その上半身の肉体美を主張するような服装は例えるなら裸にベストにサルエルパンツと言ったところでしょうか。


「キルギスよ、我が軍は?」

「ハイ、魔王様。万全にございます」


 三百年の準備期間は伊達ではありません。それはもう復興から軍備の増強、草の根活動に潜伏と、何から何まで頑張りました。


「すぐに事を起こせるか?」

「ハイ、魔王様。愚問にございます」


 魔王様はキルギスさんの言葉に大変満足した様で、鷹揚に頷きました。そして魔性の声音で言うのです。


「では、起こせ」


 三百年ぶりの命令にキルギスさんは「はぁん…」と切なげな吐息を溢し、その体の芯から撫でるような重厚な響きに彼女の体は二度、ピクリと跳ねました。艶やかな唇からは再び熱のこもった吐息が漏れます。

 そして充分にそのお言葉を堪能すると、恭しく膝をついて恭順の意を示します。


「……御意に」


 イリシオの首都陥落の報があったのは、この日の翌日。秋風の冷たい、雲の多い日のことでした。

一応ここで二章は終わりです。

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。

引き続き、三章もお楽しみいただければ幸いです。


感想など頂けるととっても喜ぶので、宜しければお願い致します。

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