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吸血蝙蝠ニコさんのダンジョン攻略記(仮)  作者: こぺっと
第一章 ニコさんと初めてのお外
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019 ニコさんと初めてのお使い

アルガスさんが持ってきた依頼はアイロンでもこなせる簡単なお仕事でした。

テロス周辺に自生している薬草を採集し、薬屋さんに届ける事です。

報酬は10gにつき大陸銅貨1枚です。

因みにこの世界の貨幣を大体で日本円と対応させると、鉄貨が一枚10円といったところです。

次に銅貨、銀貨、金貨と価値が10倍ずつ上がっていきます。

大の付く大きめの貨幣も用意されており、大の付かない貨幣の5倍の価値になっています。

例えば、大銅貨1枚は銅貨5枚分の価値ですね。


「一番近くの村までは歩いて三日程度だ。出来ればそこまで行く商人の護衛とかが良かったんだが、生憎そんな都合のいいものは無くてな。まぁ、吸血鬼騒動が出ちまったからあまり悠長なことも言ってられねぇし、さっさと終わらして街を出ないとな」

「それなら私の(かんざし)売ればすぐにお金になったじゃない!」

「それは男の矜持に反するんだよ!」

「ボンッ!は嫌よ!?」


ニコさんはさっさと街を逃げ出したいようですね。

因みに今、二人は街の外、太古の森の入り口まで来ていました。

お目当ての薬草は太古の森に多く自生しているのです。


「薬草の名前は、テロスハーブね。この辺にしか自生してないのかしら」

「まぁ名前が名前だしな。よし、ここからは手分けして探そうか。そっちの方が早いだろ。俺は薬草の特徴覚えてるからお前がそのメモ持っとけ」


アルガスさんはそう言って、薬草の絵と特徴を書いた紙をニコさんに渡しました。

そうして一人、森に入っていきます。


それからあっと言う間に一時間が経ちました。

ニコさんはそれなりの量の薬草とキノコを、お手製の籠に詰めて手に持っていました。

勿論薬草とキノコは分けています。

対してアルガスさんは両手で掴めるだけ掴んでるという状態です。

急いで受注したものですから、入れるモノが何もなかったという準備不足ですね。


「んな籠持ってたのかよ」

「魔法でチャチャっと作ったのよ」

「俺のはよ」

「無いわよ。…まだ入るから入れればいいじゃない!何よその目は!」


アルガスさんは両手一杯の薬草を籠に入れると、ニコさんから籠を引っ手繰って背負いました。


「別に重くないわよ」

「そういう問題ではない」


アルガスさんはニコさんの方を向かず、ズンズンと街の方へと歩き出しました。

それを少し小走りで追いかけたニコさんが、少し嬉しそうな顔で「そういうモノ?」と訊きけば。


「そういうモノ」


と返すアルガスさん。

ニコさんは少し笑うと「まぁ、片手傘で塞がってるしね!」とアルガスさんの隣をカランコロン歩きました。

街まで戻ると、ニコさんは先に宿に戻るよう言われたのでキノコの入った籠だけアルガスさんから回収すると、さっさか宿に戻りました。


「たのもー」

「おや、お客さん。どうしたい?」


ニコさんは宿屋の女将に声をかけると籠をドサッと女将さんに見せました。


「キノコかい?」

「そう、キノコ。コレ全部あげるから二人分、昼飯作ってくれないかしら?」

「アンタね、キノコなんてちゃんと分かるのかい?」

「こっちがテロスオオシメジ、これがクロオウギダケ、それは西コガネタケだね。食べれるモノしか取ってないわよ」


呆れ顔の女将さんでしたが、ニコさんがサラリと名前を言い当てればちょっと驚いた顔になり、最後にニコさんにドヤ顔を見て苦笑しました。


「こいつは参った、全部当たりさ。こんだけくれるってなら二人分くらいなんてことないよ、すぐ作っちまっていいのかい?」

「アルガスが戻ってきたらお願い」

「はいよ」


ニコさんがキノコを見分けられたのは当然、黄金に輝く神の瞳のお陰です。

神の瞳は凄く便利ですね。

キノコは似た形状でも食べれるモノと食べれないモノがあるので素人には危険な食べ物です。

神の瞳を持たない人は十分に気をつけましょうね。


閑話休題。

ニコさんは宿の部屋に戻ると窓のカーテンを閉めて羽織を脱ぐと、「んーッ!」と文字通り羽を伸ばしました。


「んー、そろそろ体くらい拭きたいわよね。蝙蝠の時はあまり気にならなかったけど、本当はお湯にでも浸かりたい気分ね」


アルガスが戻ってくるまではもう少し時間もあるだろう、そう思ったニコさんは魔法で桶と手ぬぐいを生み出し、桶を水で満たしました。

シュルシュルと着物を脱ぐと、手ぬぐいを水で濡らしゆるりと体を拭きます。


「あー、気持ちいいわね」


汗の溜まりやすい首元、脇、胸元、膝裏など一しきり拭き終わると、次いでとばかりに簡単な浴衣を作り、そちらに着替えました。

勿論羽は浴衣の下に隠しました。

だからちょっとだけ窮屈です。


浴衣はいつも着ている着物とは趣向を変えて、淡い水色に藍色や白などの朝顔を咲かせた涼し気な意匠です。

真っ赤な帯をキュっと結べばそれは鮮やかながらも涼しげな装いになりました。


そしてニコさんはその出来に満足すると、ベッドにモフンと倒れこみ、そのまま目を閉じて少し休むことにしました。



お盆休みが終わりました。

今日から投稿速度が少し落ちそうです。


なるべく1日1話更新できるように頑張ります。

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