表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少女と異名を持つ魔術士の物語  作者: 高城カイン
1/2

出会い

高城カインの自信作です。

ハァ、ハァ·····

少女は走る、暗く細い道を

両手で大事そうに、一つのパンを抱えて走る。

後ろからは、20代ぐらいの青年が「待て!この盗人め!」と叫びながら走ってきている。

少女はこのように近くにあるパン屋で、盗んだパンをもって逃げている最中だった。

青年は、少女に向かって何度も手を伸ばし捕まえようとするが軽々と避けられている。

手では、捕まえれないと悟った青年は、護身用としてもっていたと思われる銃を抜き、少女に向かって何十発も放った。

その内数発が、少女の肩と脚に当たり転けてしまった。

追い付いた青年は、「二度と、家に来るんじゃねぇ!」の一言とともに、少女の腹に何度も蹴りを入れた。

青年は、気がすんだのか蹴るのを止めもと来た道を戻って行った。

腹を抑えながら、何度も咳をし血を吐くたぶん蹴られた時に臓器のいくつかが潰れていることを悟り、

頭では死を覚悟していたが心の中では「まだ死にたくない」と叫んでいる。

ルビーのような美しい瞳に涙を滲ませながら心の中では同じ事を、繰り返し叫ぶ。

だんだん意識が薄れていく中、ゆっくりと近ずく足音が耳の中で響いたが「死神が、迎えに来たのかな」と、

考えたが、その先は外に出たがる血によって遮られ、少女の意識は海の底より暗く深い所に沈んでいった。


「ん・・・こ、ここは?天国?」

そこは、黄色く光っているだけの何もない空間で少女は目を覚ました。

見渡している時、一つ小さな光る玉が風に流されるようにゆらゆらと近ずいてくる。

目の前まで、来ると強く光るとその中に少女より数十倍もある影をとらえた。

その姿は、架空の生物の竜に似ていた。

「選ばれし者よ、汝何を願い何を求める」

「!」

竜らしき影が口を開いたと思ったら声が聞こえた。

いや、聞こえたというより頭の中に直接語りかけられるような感覚だった。

その声は、力強く男性で、でも何処か懐かしく優しい声。

「あなたは、誰?」

「我、汝の願いを聞き届ける者なり」

「私の願い・・・」

少女はそれだけ言って2~3分ぐらい黙りそして、

「私は・・・力が欲しい!この世界の闇を打ち払い

私のような人を二度と出さないようにするための力が欲しい!」

少女は、願い、思い、求める物を殴るような勢いで叫ぶ。

「汝の願い聞き届けたなり・・・我汝が気に入った。汝に我の残りの力を与えよう」

そう言うとまた強く光る。

その光に呑まれ私の意識は、暗く深い所に沈んだ。

「ん、ん~ッ」

こ、ここは?

気がついた私は、さっきまで居た夢のような空間とは違って、

木で出来た普通の部屋のベットの上で目を覚ました。

体を少しだけ起こし回りを見渡す。

ベットの横の机の上に一つのパンと白い湯気が立ち上るスープそして、一枚の紙が置いてある。

私は、美味しそうなご馳走に唾を飲むが食べ物より先に紙を手に取り読む。

紙には、

「飯を食って、さっさとこの家から立ち去れ」

と書いてある。

書いてあるとうりに、私は置いてあるパンに手を取りかぶりつく。

目尻がだんだん熱くなり

「う、うく・・・」

生きている事にそして、知らない私を助けご飯を作ってくれた優しさに嬉しくて泣いた。

食べ終わり涙を雑巾のような服の袖で拭い私は、ベットから下りてみる。

少しだけ不思議だった。

あれだけ蹴られ血を吐き死ぬほど痛かったのにそれがほとんど消えていたから。

私は、この家から出ていこうと思い部屋から出て階段を降りていく途中、

声が聞こえこの家の中庭らしき所に向かった。

そこには、私と同じくらいの歳の白髪の少年が、怪我をしている子犬に向かってなにかいい放つ。

「治癒をもたらせ回復ヒール!」

叫ぶと同時に子犬を囲むように緑色に光る知らない文字が並んだ円が出来上がる。

この光が子犬を包み込み怪我をした足が、みるみるの内に治っていた。

怪我が治ると子犬は、少年に向かって「ありがとう」といっているかのように、

一度だけ吠えて何処かへ駆けていった。

それを見届けると私の方に向き直り顔をしかめる。

そして、

「なぜ立ち去らなかった?」

低い声で聞かれた。

「え、えっと、その」

行きなり聞かれたものだからうまく言葉が出てこなかった。

「まあいい、ここまで歩けるのならもう大丈夫だろうならさっさとー」

「あ、ありがとうございました!」

少年が言い終わる前に、私は深々と頭を下げ耳に響くような声でお礼言った。

「こんな、見し知らずの私をましてや、盗みを働き死にかけていた所たすけていただき

ありがとうございます。」

「気にするな、ただ俺よりもまだ若い奴を、見るとほっとけなかっただけだ。」

「え、私とそう変わらないような?今っておいくつですか?」

「19だ」

「えーー!!」

身長からして私と同じくらいのだと思ったのに!

「本当に19ですか?15じゃなくて?」

「ああ19だ。ま、しかないかこの身長からしても15と思われてもしょうがない。

さあもういいだろさっさとこの家から立ち去れ。じゃあな」

それだけいっていえのおくにきえていった。

その後私は、家から出ていき町から近い所を歩いている途中茂みの中から黒いローブを、羽織り顔をまで隠した人が出てきた。

「だ、誰!」体格からしてたぶん男だろう。

ローブの男はなにも答えず手をかざし呟き始める。

その呟きは距離が離れすぎてあまり聞こえなかった。

呟き終えたらローブの男の前に少年が使っていたのとにたような円がでかがった。

違う所は、円の色が炎のような色でしかも光るんではなく炎でできた槍が何本もでてきたことだ。

私は、最初は手品かとおもった。

だがそれも男の次の行動で現実だとゆうことをしる。

男は、かざした手を鳴らすと何十本の炎の槍が、一斉に襲い掛かる。

私は、逃げようとしたがもう遅かった。

目を瞑り死を覚悟したがその時は、いっこうに来なかった。

瞼を少しずつ開けると男と私の間に助けてくれた少年が木で出来た杖を持って立っていた。

回りを見渡すと炎の槍がそこらじゅうに刺さっている。

男は舌を打ち茂みのなかに消えていった。

「大丈夫だったか?」

私は、頷く

「なら早く家に帰れ。また襲ってくるかもしれん」

私は少年の黒と赤ローブを、引っ張る。

「なんだ?」

「私をあなたの家に居させて」

「はあ、何でだよ」

「私にはもう何処にも帰る場所が無いから、だからあなたの家に居させて」

「お前親に捨てられたのか?」

「···」

私は、頷くだけでそれ以上は喋らなかった。

「スマン野暮なこと聞いた」

「い、いぇ···」

「しゃあね!俺ん家でよければ好きなだけいればいい。」

「あ、ありがとうございます!え、えっと···」

「夜魅だ」

「え!」

「だから俺の名前は夜魅だ。お前の名前は?」

「え、えっと、その名前はないんです。」

「そうか···なら今日からお前の名は、華織!宜しくな華織」

「華織、う、うく」

「さ、さっきの戦闘で何処か怪我をしたのか?」

「ううん、違うの。こんな素敵な名前を、初めて付けて貰って嬉しくって。」

「そ、そうかそれなら良かった。さあ、此所にいつまでも居たら奴が又襲ってくるかもしれんだから

俺たちの家へ帰ろうか。」

「うん」

涙を拭った私は、大きく頷いた。

そして、私の新たな居場所に向かって私達は歩き出す。

☆ ☆ ☆

暗く水滴が落ちる音しか響かない闇が続く洞窟で、男の声が響き渡る。

「やっと見つけたぞ!今度こそ殺してやる、殺戮さつりくの魔導士夜魅」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ