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番外編その2『Thw world is linked』

 地獄魔界大魔王将軍の妹である山梨友紀は、色恋沙汰にはウトかった。そもそも家庭の事情で人間というものを余り信用していなかった。

 自分が不美人で無いことは自覚していたし、本当に数少ない友達に話を振られることもあった。けれど友紀は、

「好きな人とかいないの?」

「好きな種類のゴリラなら少々。化粧とかも動物園に行く時ぐらいしかしないし」

「何それ? 誰に見せるのさ」

「いや、だからゴリラとか」

 こんな感じであった。

 ある日の事である。

 山梨はお風呂でシャワーを浴びながらクシャミをした。

 その拍子に鏡に頭をぶつけ、衝撃で鏡の隣の棚に置いてあった石鹸が落ちた。

 落ちた石鹸は偶然にも足と床の間に入り込み、流れるように脚を滑らせた山梨は、何処かに掴まろうとして手を伸ばした。

 結果、掴んだのはかけてあったタオルである。

 当然勢いは止まらなかった。

 タオルと共に頭から湯船に落下し、その際たまたまタオルがバスタブのチェーンに巻きついた。

 身体を起こすと同時にタオルに引っ張られてバスタブの栓が抜け、慌てて栓をしめようとした友紀の足元には全くの偶然で先ほどの石鹸が。

 漫画のワンシーンのように再び湯船に落下し、たまたま脚まで釣ってしまった山梨が、

「痛ってぇー」

 とおでこを押さえながら湯船から顔を出したのと、同区内に住むジョナショッキングピンクの桃井が冷蔵庫に入れてあった賞味期限2ヶ月過ぎのヨーグルトを迷った末に口にしたのは、偶然にも全く同じ時間だった。


                  ~ (山梨友紀/桃井大助) ~

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