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レイヴァンはしばらくブライトを見つめてから再び口を開いた。
「お前は、帰ってきた女と遊びたいだけだろ?」
「あ、え? いやいや、それは……」
「違うとは言わせないです! リルは知ってるですよ、助けた女性の中で胸の大きな人ばかりに声をかけていたこと! ブライトは、相変わらずスケベです!」
「誰が胸のデカい女の子ばかりに声をかけただ! 俺はそんなことで女の子の選り好みなんかしないんだよ! 可愛いらしい子全員に声かけたっての! お前がこんなツルペタな胸してっから周りの皆が全員デカく見えるんだろうよ!」
「なっ!? このスケベブライト! リルの胸を堂々と触るなです! ご主人様にも触ってもらったことないのに! 許さんです! お尻百叩きの刑です!」
「誰がそんな古典的な罰を受けるかっての!」
ブライトは荷物の詰まった袋を持ち上げると、拳を振り上げるリルの横をすり抜けて店の外へと駆ける。
「待つですブライト! 叩くまでは絶対に許さんです!」
意表を突かれたリルも我に返ると直ぐに彼を追って店を飛び出した。
その様子を見ていたマスターや周囲の客たちは二人が見えなくなると一斉に腹を抱えた。
「まったく騒がしい奴らだ……」
独り店内に残されたレイヴァンは小さく息を吐く。
「最後に迷惑をかけたな」
「酒場は常に騒がしいものさ。 今の件なんかは逆に微笑ましいね。 ……最近悪魔の動きが活発になっているそうだ。 旦那には要らぬ心配だろうが道中気をつけてな」
「気遣い感謝する」
レイヴァンはマスターに見送られ東の街へと旅立った。
魔天創記(弐)へ続く




