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町の中心を外れ、暗い夜道を月明かりを頼りに走り続けた。
かなりの速度で悪魔を追いかけているのだが、如何せん相手の飛行速度には及ばない。
次第に距離が離れていく。
これまでかと追跡を諦めようとした時、運良く魔物が町外れの丘の上に立つ大きな屋敷へと入っていくのが見えた。
「あそこが奴の住処か」
このまま一気に屋敷へ乗り込もうかと考えたが、悪魔に対し情報が少ないまま飛び込むのは余りにも無謀なことだ。
ここは深追いしないことにすると、情報を集めるために先程悪魔が飛び立ったと思われる場所に向かうことにした。