~ 12 ~
その夜、夢を見た。
夢の中の自分は白を基調とした服を身にまとい、立派な剣を腰に差していた。
ものすごい勢いで階段を駆け上がり、どこかの大広間に辿り着くと何人もの兵士が倒れている。
慌てて駆け寄って声を掛けるが、誰もが既に息を引き取っていた。
彼らを抱きかかえると両手にべっとりとした感覚がまとわり付く。
周囲を見渡し叫ぶと、大きな黒い羽根の翼を羽ばたかせながら悪魔が現れた。
すかさず剣を抜き間合いを一気に詰めて斬撃を繰り出したが、相手は不適な笑みを浮かべながら宙を舞い軽々とかわした。
不意に真紅の眼が見開いたかと思うと、今度は悪魔が先手を取り黒い剣をかざして襲い掛かってきた。
お互いの剣は何度も激しくぶつかり合う。
互角の勝負かと思われたが、突然自分の剣は大きく弾かれ、回転しながら床へと突き刺さった。
怯むことなく呪文を詠唱すると自分の手には光る剣が生み出された。
悪魔はその光景を見て大いに笑う。
納得したように頷くと、一層激しく攻め立ててきた。
何度かその攻撃を防いでいたが、突然身体の動きが鈍くなった。
舌打ちをする間も無いまま、黒い剣が自分の身体を貫いていた……
そこで夢が終わり、レイヴァンは自分の叫び声で目を覚ました。