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虚無の鏡

この世界は、美しい。


本当の孤独を知らない。

猛毒な事にも、気づかない。


それは鏡が教えてくれる。

雨の気配がした。

窓の外を見ると、確かに雨が降っていた。

もう気配だけで分かるようになっていたらしい。


外は霧雨。

水溜まりが光っている。

昨夜降った雨か。

そこに映った自分は、酷く脆かった。

遠くでネオンが光っている。

それが水溜まりに反射する。

より鮮明に、自分の顔が映し出される。


この世界では、水溜まりは鏡だ。

本物の鏡よりも自分が何者なのか、

はっきりと分かるから。

「虚無と、……僕」

呟いた言葉は朝の白んだ空気に消された。



こんな顔、してたっけ。


虚無を探せ。


鏡と、その手前の、自分の中に。

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