第3話 パーティ内の軋轢
夜、宿屋の一室でろうそくの灯りが揺らめく中、パーティは会議を開いた。
「カルロス、今日だけで3件も問題を起こした」
ジャンが厳しい口調で言った。
「まずはあの女性商人、次に倒れた商人、そして夕方にはあの老人にまで」
僧侶のミリアが優しい、しかし心配そうな目でカルロスを見つめた。
「あの老人は確かに悪霊に取り憑かれていたわ。放っておけば危なかった。でもカルロス、あなたのやり方は……正規の神聖術とはまるで違う。それに、あなたは戦士でしょう?」
カルロスは黙った。
彼には言い訳ができなかった。
正規の僧侶学校に通ったこともなければ、偉大な師匠に弟子入りしたこともない。
ただ、幼い頃から「見えてしまう」霊や、人々の病気の気配を、独学でなんとかする方法を編み出してきただけだった。
彼はもともと、目立たない田舎の寺で、地味な僧侶になる道を考えていた。
しかし、地味で目立たない僧侶では、人々を守るのに限界があると思った。
戦場で人を殺めるモンスターもいれば、日常に潜み、じわりと人を蝕む「何か」もいる。彼は後者にも対処できる力が欲しかった。
そこで戦士として鍛え上げ、勇者ジャンのパーティに入るほどの実力者になった。
戦う力と治す力、両方で人を助けようと考えたのだ。
「霊や病気の人を見ると、ほっとけない」
カルロスはようやく口を開いた。
「ただ、それだけだ」




