第1話「はじめましての君」
毎朝、6時52分に乗るバスに乗っている君は誰なんだろう。黒髪がつやつやと光輝く君。すれ違った時にいい匂いがする君。いつも俺が乗る時には満員のバスで唯一空いている席が君のとなりだ。たまに馴染みのない人が乗ってきた時は君立っている。毎朝、僕が隣に座った後に寝るのはいったい何故なんだろう。
君の名前が知りたい。
初めての出会いはただの寝坊だった。それまで通っていたいつものバスは6時38分だった。その日起きたのは6時40分。シンプルに間に合わなくて朝の支度してパンを咥えて走って乗ったのが52分のバスだった。中学の頃卓球をしていた俺は足を怪我してあまり走るなと言われていた。そこで走ってしまって体力もないから座りたい。1席しか空いていない。それが君のとなりだった。残り二口のパンを咥えて乗り込んだ俺を君は笑って横のバックをどかしてくれた。その笑顔を見たくて俺はいつもより1本遅いバスで登校するようになった。
今日もそろそろ家を出る時に身だしなみを揃えて家を出る。今日は猛暑日ということなのでなるべく汗臭く思われないように男ながら日傘をさしてバス停まで行った。もう男がさしても特に何も言われない時代がきたなと思ったけどあたりまえだ。行く間誰ともすれ違わなかったから。
そんなかんだでバス停の屋根の下にいながら小型扇風機を少しあせの出ているワイシャツの中に当てて涼む。着いてから1分後くらいでバスがきて君の隣に座る。そしたら君は目を閉じて寝るのがいつもだ。今日は違かった。俺に近づいてスンスンと匂いを嗅いで
「男の子の匂いだ。今年も暑くなりそうだね」
と言って俺をドキドキさせて君は眠りについた。そんなからかいをたまに受けている。大学生だろうしたぶん彼氏いるだろうな。たぶんそういう経験もあるんだろうな。と考えてしゅんとなりながらけど心はドキドキしながら目をとじた彼女を見た。匂いをこっそり嗅いでやろうとしたらぱっと目を開けて人差し指を俺の唇にあててだめぇー笑っとニヤッとして帽子を深く被ってまたまた目をとじた。そしたら後ろの強面のおじさんの錦木さんが俺の頭をカリカリして
「女から匂いを嗅ぐのはご褒美だけど男から匂い嗅ぐのは犯罪になるんだぜ坊主。まぁ、嬢ちゃんがどうか知らんが今日もお前さんの負けだな」
と言ってガムをくれた。
「どうやったら仲良くなれるかな」
「ずいぶん仲良さそうに見えるけどなぁ」
「ここ以外で会ったことないよ」
「連絡先でも聞けばいいじゃないか」
「それって、どう思われるかな」
「どうって?」
「だってバス以外で会いたいみたいになるじゃん」
「はっはっはお前さん彼女できたことねぇだろ」
「・・・」
「ほーらな笑」
と後ろにもからかわれていたら君が起きて
「私の子をバカにすんなぁよぉ錦木ぃ」
「おっ、起きてたんかぁ!ほら!坊主!」
「え!えっ、えっと」
戸惑う俺に君は顔を覗き込んで
「どうしたのぉ?ぼくぅ」
「と、特にな、なにも」
「嘘はだめだよぉ?」
「え、えと。れ、連絡先をし、知りたいなぁーって」
「どうしてぇー?笑」
「も、もっと、な、仲良くしたいなって」
君は俺の頭を撫でて
「良く言えましたぁ」
と言ってスマホでQRコードを出てきた。
「どうぞぉー」
「あ、ありがとうございます!」
「よかったなぁ、坊主!」
QRコードを読み取ったのを確認すると君はイヤホンをつけて今度こそ寝た。ぜ、全部聞かれてたのかよ。
読みっとったLINEの名前は「K.N」と書いてあった。彼女の名前を知るには時間がかかりそうだ。
お久しぶりです(*^^*)
前の作品完成してないのに新しく書き始めてしまった(―''"―;)
なんかいつものバスに乗っていてたら美しい女性の方がいたのでその時にバスで書き始めました。まじで理想です。こんな女の子と知り合いたかった青春だったな。
あ、一応まだ現役高校生やってます。