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14話

コンビニについて、僕は衣類がどこに売っているかを探すために店の中を見渡す。すると、雑誌コーナーの反対側で目的のものを見つけた。

僕は、自分の衣類と風花と僕の分の歯磨きセットを手に会計を済ませ、店の外に出る。

僕は、買い物袋を手にかけ、アパートまでの道を一人で歩く。その途中ですれ違うのはくたびれたサラリーマンと大学生ぐらいの青年、スカートの丈を膝上まで短くした女子高生。みんな一様にスマホか黒いアスファルトを見つめつづけている。みんな、前を向いていない。彼らは何を思って生きているのだろうか、そんなことを考えることにより、風花との現実から目を僕はそらそうと必死になっていたのにはその時は気が付かなかった。


「あ、お帰り~」

アパートの扉を開けるとお風呂上りで髪が湿った立花がラフな格好でスマホをいじりながら、リビングでくつろいでいた。

「コンビニで買えた?」

「はい、僕の着替えは買えました。あと、歯磨きセットも」

「ほう、それは良かった」


僕たちの間に沈黙が訪れ、気まずい空気が流れる


そんな居心地の悪さを紛らわすために立花の部屋にある本棚をふと眺める。そこには、雑誌のような薄い外国の言葉が書かれた薄い本で満たされていることに気付く。


「ねえ、あなたたち本当に長野まで行くの?」

立花は真剣な顔つきで僕にそう問いかける

「はい、そのつもりです」

僕は、立花の目をしっかりと見つめてはっきりとそう告げる。

「君たちの親御さんはきっと今も心配し続けている。それに、親御さんが君たちに厳しくするのも君たちには何かしらの才能があるからじゃないの?」

立花は僕をじっと見つめてそう言う

「僕には才能なんて何もありませんよ」

僕は、軽くそうつぶやく

「じゃあ、風花ちゃんは?」



僕は何も言えなくなる

「あの子は特別な子じゃないの?」

僕にそう立花は続ける

「あの子は欲しくても限られた人、選ばれた人しか与えられない特別な何かを授けられた人じゃないの?」

立花の言葉に今までにない重さが加わる

「じゃあ、才能があるから無条件にどんなものを背負っても頑張らないといけないんですか?」

「才能があるからって、本人がどんなに追い詰められていても逃げ出すことが許されなくなるんですか?」

僕はそう続ける

「それは、、、、」

立花は少し言いよどむ



僕らの間をまた沈黙が支配する

ただ僕は、どうやって風花に誤ればいいかそれだけを考えることに集中しようとそう決めた。


お風呂場の方からドライヤーで髪を乾かす音が聞こえる。それが、僕と立花との間に流れる気まずさをさらにひきたてる


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