表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

きっかけエイプリルフール

はじまりはじまり


〈私、文章を書くのが好きなんですが、みなさんは読むならどんなものを読みたいですか?〉


 二〇二四年四月一日、午後三時五十五分。私はX(旧ツイッター)でこんな投稿をしてみました。ただの好奇心からでした。


 ちなみに選択肢は①小説(短編)②小説(長編)③エッセイ④その他、の四択でした。一日経ってみると、短編小説が多くそして意外なことに〈エッセイ〉の票もけっこう多かったんですよね。


 エッセイというか、私による自分語りはてちょぶん(手帳と文具を組み合わせた造語)の界隈でペーパーや本を出すたびに書いてきたのですが、いつも(需要あるのか?)という悩みが少なからず私の脳裏にありました。


 でも今回のアンケートで知った、私のエッセイを求めてくれる人たちの存在。「求めてくれる人がいるなら!」とこのたび一念発起。心と指がおもむくままに書きはじめてみました。


 そこでまず悩むのがエッセイのタイトルなんですよね。


「枕草子や徒然草のような、有名な随筆に引っ掛けたい」というのが最初の考えでした。しかし、逆にその考えは単純でつまらないのでは? と思い直して却下。


 次に〈エッセイ〉の類語を調べてみました。「随筆」以外にも「随想(録)」とか「コラム」とかありました。うん、この辺りを使ってみるのも良いかも、と案に出しておきつつ別のタイトルも考えます。


「さとみとおしゃべり!」とかどうだろう、というのが三つ目の案でした。「さとみと駄弁ろうか」とか「さとみと一服」みたいなタイトルを考えます。


 そもそもこのエッセイのイメージが「さとみと五分から十分ぐらいおしゃべりしようか」というもの。なので文字数も五分から十分で読める程度に収めたいと考えていました。


 さて、タイトルに何かクセのある単語を入れたいが、じゃあ何にしよう……と検索画面とにらめっこして十分ほど。私は〈筆遊び〉という単語に目をとめました。読み方は「ふですさび」で古語でした。


意味は〈気の向くままに書くこと。また、その書いたもの。慰み書き。「ふでのすさみ」とも〉とのこと。


 筆!

まさに文具ガールを自称する私にぴったりの単語じゃあないですか。そして〈筆遊び〉というのもいかにもエッセイ・随筆っぽい。うむうむ、これは良いぞ――と決まったのがこのタイトルです。


〈さとみの筆あそび〉


 〈筆すさび〉あるいは〈筆すさみ〉だと意味が通りにくく、〈筆遊び〉と漢字にしてしまうと堅苦しい。ならいっそ〈筆あそび〉にしてしまおう、という思考の流れでした。


 タイトルが決まったところで、本編(エッセイでもそう言って良いものか分かりませんが、とりあえずそう表現しましょう)の内容をどうしようか、と考えました。


 まず第一話の今回は慣らしと言いますか、習字をするための墨をスる作業、あるいは墨汁や筆など道具を集めてくる段階を書けばいいかな……という考えで現在、徒然に書いています。


 今後としては、やはり私と切って離せない〈手帳・文具〉について語りたい。そしてもう一つ〈小説〉とどう向かっているのか、ということも何度かに分けて書いていきたいと思っています。そのさいは〈超! 個人的小説の書き方講座〉もやってみようかな、なんて。


 なにが需要あるか、とかどうしても考えがちですが、結局スタートを切ってしまえば自分の好き勝手にやろう、やっちゃえ! というのが私です。さとみさんなのです。


 なのでこのエッセイで私のことを少しでも知ってもらえたら、うれしいです。書いた甲斐があるってもんです。文章に現れる人物像がイコールでさとみ(私)なのですから。


 さて、せっかくなので私とエッセイの付き合いについてお話したいかな、と思います。


 はじめてエッセイに触れたのは小学四年生ごろでしょうか、中学受験用に通った塾、そこの国語の問題集で出会った〈岳物語(椎名誠著)〉でした。当時の私は小説が得意だけど説明文系は苦手、と自覚していましたが、随筆系はまだ未体験でした。そこで初めて読んだこの著書がすごくおもしろかったんです。おもしろいのにノンフィクションなんです。そのことにおどろきましたね。問題集で読んだ一話(あるいはその一部)だけじゃ物足りなくて、母にせがみ文庫本を買ってもらって読みました。


 それから数年後。塾はやめて地元の市立中学へ進学します。そこではじまる古典の授業。そこで当然とおるのが、そうです。〈枕草子〉や〈徒然草〉でした。


「春はあけぼのー」「徒然なるままにー」と冒頭を丸暗記したことが誰にでもありますよね。私は暗記系がコテンコテンに苦手なんです(古典なだけに)。でも文字や音のおもしろさにハマった私は、積極的に暗記をしました。家で教科書を手に「春はあけぼの! ようよう白くなりゆく山ぎは!」と、お経のように……いや、どちらかというとラップのように? 何度も唱えて練習しました。

 蛇足ですが、暗記テストに早く合格した方が評価の点数が高くついた、というのもありました。それがモチベーションアップに繋がっていたとかいないとか。


 中学生のころの私は、百人一首にどハマりしてました。某有名マンガの影響……などではなく、当時所持していた携帯ゲーム機に百人一首のソフトがあり、そのソフトでの百人一首の覚え方が斬新かつユーモラスで覚えやすかったんですよね。上の句と下の句のそれぞれ頭をつなげてヘンテコなダジャレや文章にして覚える。常套手段とは言い難いですが、おかげで百分の九十以上の句を覚えられました。

 句を覚えると、今度は意味が気になります。そこで古語の単語を覚えていきます。漢文はちんぷんかんぷんだけど、古文はおもしろいなあ、という姿勢でした。こうやって好きなことばかり勉強するさとみさんは形成されていきます。今につながっているなあとつくづく感じますね。


 さて、ここから一気に大人へとタイムスリップします。


 大人になったさとみさんは、本を読みたいけれど堅苦しかったり何冊にも及ぶような長編より軽い短編などを求めてブックオフを徘徊していました。

 すると、さくらももこ著の〈もものかんづめ〉に出会いました。

〈ちびまる子ちゃん〉の作者がエッセイ? あれ? 漫画家じゃなかったのかな? そう思いながら手に取って読むと、そのテンポの良さと世界観に一気に引き込まれました。


 また、妹尾河童著の〈河童が覗いたヨーロッパ〉をはじめとした〈河童が覗いた――〉シリーズにも出会いました。こちらのシリーズはどれもハズレがなく、おもしろくてくり返し読みました。こちら、なんと著者の挿絵とともに文章も手書きなんです。すごい! 絶対に腱鞘炎になっていたと余計な心配までしてしまうぐらいの書き込みようです。


 他にも少し読んでいますが、主な本は以上。こんな感じの狭く浅いエッセイ遍歴ですが、やはりどのエッセイも何度も読んでいたせいか、だんだんと私も書きたくなってしまったようです。


 そんな私の目指すところはどこでしょうか。とりあえず、連載として続けられたらうれしいですね。目指せ、累計十万文字! そして小説家になろう発祥のエッセイストになる、というのも良いかもしれません。


 なんでもそうですけど、目標ってやっぱり欲しいですよね。あった方が良いし、あると指針になります。

 別に、その目標を越える必要はないんですよね。目安なので。

 もちろん、目標を越えて新たな高みへ! という向上心もとてもステキです。ただ少なくとも私は根がぐうたらなので、そんなにがんばろうという気が維持できないんです。


 たとえば体重マイナス十キロ! と目標を設定して、私なら三日持たないです。モチベーションが……。目標設定の当日なら食事制限や運動をがんばれるでしょうが、おそらく翌日か翌々日には「十キロとかムリだよ」となります。あくまで私の場合ですが。

「野菜ばっかとかやってらんない! 麺をくれ、肉をくれ、にんにく! しょうゆ! ソース!」と怒り狂い始めます。


 けれど、この目標設定を「月で一キロ落として、落ちたらそこから維持だ!」と替えれば、なんとかなるのが私です。少なくともその一か月はがんばれます。ちょっとした距離なら歩こう、とか、すこし元気が余ってるから運動してみようかな、と。思考に変化が見られるようになります。


 そして四か月ぐらい続けてマイナス五キロぐらいになれば儲けものです。おめでとう、私。

 しかし、私の場合オチが待っています。突然、体調を崩し、さらに体重が落ちる。やったあ、と思ったのもつかの間。快調した体調には食欲が増すけれど、からだ自体はかったるいから運動はパス。その結果、ふた月ほどをかけてゆっくりと体重はもどって行くのです。あらら。


 だからここ十年ぐらいは同じ体重圏を行ったり来たりしています。痩せたと思えばまた太る。太った! ヤバいぞ、痩せよう――ダイエットうまくいきつつあるぞ! 痩せてきた! あ、ダメだモチベーションが失せた……。


 意志薄弱が座右の銘になりそうな私の話でした。


 話題を戻してみましょう。目標設定ですね。

 ダイエットは過酷ですが、たとえば創作活動は「やっただけ経験値になる、減るもんじゃない」というのが持論です。


 小説やエッセイなら書いた分だけ文字数が増えていく。作品が増える。さらに作品を完成させていたらその成功体験が経験値になる。レベルアップ間違いなしです。

 それはイラストやマンガの方々も同じだと思います。


 継続は力なり。良い言葉を先人は考えましたよね。

 私も継続してエッセイや小説を書いていきたい、そのための第一歩、第一話でした。


 さて、このエッセイの序盤で「五分から十分のおしゃべり感覚で読む」という話をしたと思います。


 人間、一分間に読める文字数というのがあるらしく、それが四百文字から六百文字だそうです。


 ここから突然ですが、算数の時間です。

 五分で読める文字数とは何文字から何文字でしょう?


 正解は二千文字から三千文字ですね。

 次に、十分で読める文字数とは何文字から何文字でしょう?


 正解は四千文字から六千文字です。

 ここまででだいたい四千文字程度になりました。


 読んでくださったあなたに質問です。何分ほどかかりましたか?

 おそらく十分満たないと思います。

 楽しかったですか?

 それなら私は満足です。書いた甲斐がありました。ぜひ、次のエッセイも読んでください。

 もし「つまんなかったな」と思われた方がいらっしゃいましたら、それは本当にごめんなさい。私はエッセイ初心者でしたので、まだ満足させられる内容にできなかったようです。精進しますのでまた読んでみてください。


 つまり、みなさん。また会いましょう、ということで今日はおやすみなさい。




不定期連載なので、次の更新は未定です。

明日かもしれないし一週間後かもしれません。

またお会いできたらうれしいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 私は一気に読んで、気になったところをまた読み返すのですが、さとみさんのエッセイはそれこそ5分くらいで読めるのでちょうど良いです。 また、いつも文章の流れがよく読んでいて疲れないし、まるでその…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ