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攻略対象と婚約破棄イベントを迎えられずに結婚してしまったので、私はドレスを脱ぎすて野に下ることにしました

作者: コカマキリ

マイクのテスト中…あ、喉痛いです

私は悪くないと思います。ええ。まずはその自己弁護させて下さいませ。


そのどこから始めれば良いのでしょうか。私乙女ゲームの《なんちゃって異世界に転生した私が婚約破棄されてのんびり異世界生活を楽しめるゲーム》の世界に来たのです。


なんの手違いかどんなに嫌われる行動とっても陛下が婚約破棄してくれないもので困り果ててしまった私はお妃生活1年目にとんずらしてしまったのですわ。


え!? なんで王邸騎士から逃げられたのかですって? オホホホホ。なに簡単なことですわ。


私婚約破棄されてからが夢でしたから、やっとゲームの世界ならではの未知の世界をエンジョイしようとしてましたのに、殿下はことを荒げたりするのが苦手な性格らしくほとほと困り果ててしまいまして。(ゲームの設定とまるで違う)


学生時代からヒロイン様と殿下のコネクションを作るのに骨をおって来ましたのにまるで興味をむけることさえしませんの。  


あれ!? ここってあの乙女ゲームの世界ですわよねって何回思ったか。


もしかして、婚約破棄されるのはあとからなのではって私結婚式終わってしまうまで期待してましたの。


そしたら何者の乱入もなく式は雨天決行され、まさに私の気持ちは雨のようでしたわ。


いやなことに妃教育とやらで私の自我が歪められてしまいまして、ずっとこのお嬢様口調が抜けずに気付けばじんましんが、とまりませんでしたわ!


あーもう腹が立ちますわ! 


陛下との初めての寝室につれていかれ、初夜を迎えることになりました。まさかここで、お前を愛するつもりはないってパターンかと期待してドキドキしてたのですが、残念ながらそれもなし。


私は今の今までほいほいついて来た責任をとって初夜を迎えてしまいました。それはもう良いのです。過去の話ですから。


あ…涙が止まりませんの。


それからときどき2人きりで部屋で合うたんびに私は慎まやかにぜひ私に愛想を尽かして下さいませ。と説得頑張りましたのに、努力の甲斐無く仕事が忙しそうなのに夫婦の営みが月に1回でしたのに週に1回、そして今では3日に1回になってしまいましたの。


夫婦喧嘩してやろうと拳構えて1発ぶん殴ってからようやく添い寝にチェンジしたのでそこはまあ良いですわ。


陛下ですか? とっても素敵な方ですよ? ただ私前世が都会育ちで来世は田舎でのんびり過ごしたいなあ〜って思ってましたので、殿下と別れてでも夢を叶えたかったのです。


私も1国の王妃に流し流されなってしまったわけですから、すぐにやめようにもやめれなかったのですが。


陛下の側近は大変優秀だとお伺いしておりましたが、なんと陛下に側妃を持たれるように助言されそれが採用されましたの。


陛下ですか? え〜なんていってたかしら。あ、そうそう。君が良いのならでしたわ。


何故かしょんぼりしてた気もしますが、国政の件ですから私の意思なんてどうでも良いです。それより離縁してくれる願いを叶えてくれないのですから。


あの男そうとう腹黒いですの。いつもはぐらかれてしまい、人が良すぎる私はついついその話に夢中になってしまいますの。


いけませんわね。ゴホンッ。ついつい話がまたそれてしまいました。


失礼致しました。え〜。本題に戻しますわ。


側妃のかたと実際にお会いしましたのだけれどまあなんてキレイなお方!


非常に聡明で頭の回転が早く、日本の方なら日本一の芸人になれること間違いなしですわ!


これでこの国も安泰ですわってわたくし閃いてしまいまして。


いろいろ引き継ぎ(情報共有)も済ませ、殿下が側妃と夜あいにいっている間にわたくしドレスを脱ぎすて野に下りましたの。


書き置きはまあ枕言葉でこんな感じですわね。


〜愛するあなたへ 探さないで下さい 私はあなた様と離縁致します 楽しい日々をありがとう 私自由になります 死んでしまったと思って頂けると助かります〜


私の死体を錬金術で作りまして、ベットに良い感じに眠らせて置きました。


ダイイングメッセージすごく悩みましたの。以下がそれにあたりますわ。


〜離婚して欲しかったですの〜


一方的に逃げ出すのも気が引けましたので手紙も残したしだいですの。


ゲームで錬金術師のキャラで遊んだ森に行き、《念力》、《催眠》、《生物創造魔法》で生活基盤を整えさせて頂きましたの。


ツリーハウスと意志をもったゴーレムさんとかドライアドさんとかいろいろ作りましたの。女のひとり暮らしはなにかとセキュリティが怖いですから。そこらへんも考慮した結果と取ってくれても構いませんわ。


こっからまあまあ近いところに大きな街もありますの。んで、わたくしそこまで5分で《空中浮遊》でいけますのでなんにも不安はございませんわ。


それから3ヶ月ほどのんびり本を読んだりラフなお洋服きてハンモックでお昼寝したり、好きなときにご飯つくって食べたりしてましたの。


でもとうとう罪の代償を払わされる日がきてしまったのです。私恐怖に震えてしまいまして。


朝起きて横をみると陛下のご尊顔があったのですわ。


以下からわたくし断罪されてしまいます。誰か助けて下さいまし。


「やあ、おはよう。」


「陛下!? な、なぜこちらに? ゴーレムさんたちが追い払ってくれるはずでしたのに!」

 

「君の夫だといったら快く通してくれてお茶まで頂いたよ。ここにお邪魔しているのは昨晩からになる。急に悪かったな。」


「わ、わわわわたくし、戻りたくありませんの! もうお妃さまなんて私には無理ですの!」


「今まで苦労をかけたな。もう私のことは嫌いになってしまったのかい?」


「いえ。もう十分愛して頂いたと思ってますよ。そんなことはございませんわ。」 


「君に限って嫉妬したわけではないことは理解しているが、君は森の中で木々に囲まれて静かに暮らしたかったわけだ。ところでここには君ひとりで合っているだろうか。」


「ええ。そうですわ。あの。側妃様とはうまくいっていらっしゃいますか?」


「なんだ気になるのか。ああ。非常にしっかりとした女性だよ。」


「では、わたくしはお役ごめんですわね。それではご機嫌よう、あ〜れ〜。どどどどうして? 顔が近いですわよ陛下!?」


不本意にも押し倒されてしまいましたの。


「私の側から離れないでくれ。ミラー。」


そっと額と頬、最後に口へと口づけが落とされる。


「今日は1日休暇を頂いている。3ヶ月も君を抱けなかったのだ。少しだけ私に君の時間を頂けないだろうか。」


「ど、どこの国に妃を甘やかしまくる陛下がいますのよ!そんなに寂しい顔をなさらないで・・・。わたくしが悪かったですわ。」


わたくしのような女性はヒロインではなくチョロインだと思いますの。でも一途な陛下限定でございますわ。


夢の暮らしを叶えたわたくしは陛下の心をくんであげることができましたの。


陛下は数億人にひとりの希少な《転移》のスキルをお使いになりますの。


ときどき、王妃をしながら、ときどき森に遊びに来ることになってしまいましたので、まるくおさまったと思いますの。


なんと次の週には側妃様もご招待して午後のお茶を森のおうちですることになりましたの。


リスがドングリをプレゼントで持ってきてくれるそうなので、楽しみですわ。


今日も王宮の執務室で仕事をし、夜はパーティー。めんどくさいことこの上ないのですけれども、わたくしこの国と陛下、さらに素敵なご友人のような関係の側妃様、そしてなにより大好きなこの国のひとたちのためにお仕事頑張ろうと思いますの。


フンフン!!

読んでくれてありがとう♪ 脱いだドレスは使用人にきちんとお渡ししてますのでご安心を。ミラー王妃はお花畑ですが周りのひとたちがフォローしてくれたり、側妃さまもお優しい設定です。

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