表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

公爵家の馬車を襲う山賊真の主人公説が爆誕した話

作者: 騎士ランチ

 こんにちは。作者の騎士ランチです。今日は公爵家の馬車を襲う山賊が真の主人公の可能性を思いついたので語りたいと思います。


 では、順を追って説明しますね。


 物語の舞台はハイファンタジー。中世ヨーロッパに魔法やモンスターの存在がミックスされた世界。その世界ではスキルやステータスという概念が存在し、これの強弱で人生が決まるという設定が多くのなろう小説で採用されています。


 この様な世界で主人公であるナローシュ君は、スキルやステータスが弱いとされ迫害並びに追放をされるのですが、実は誰よりも強い。そんなナローシュ君が、作中で最初の方に実力を披露する相手として現れるのが公爵家の馬車を襲う山賊です。


 ナローシュ君は本当の実力の一端を見せつけ山賊を容赦なく殺害し、馬車の中に居た公爵令嬢や女聖騎士の恩人となりサクセスストーリーを歩みます。


 要するに、山賊とは分かりやすい噛ませ犬。ギルドで絡んでくる冒険者、入試で決闘してくる貴族、そういう存在と同じかそれ以下の存在…、では無いのです。


 この『天から強い能力貰った奴が実際強くて偉いんじゃい』な世界で、公爵令嬢とその護衛が山賊と戦って、なんで山賊が圧勝できるのでしょう?山賊の持つスキルが判明するケースは極めて少ないですが、山賊にまで落ちぶれるからには大したスキルではないでしょう。


 一方、大貴族のお嬢様ならクッソやべえスキル持ちなのは確定な訳で、そんな両者が争えば人数差や不意打ちといった不利を跳ね除けて公爵家側が勝つはずです。勝たなきゃいけないのです。


 ならなんで山賊が勝ってるのか、そもそも、なんで遥かな格上に山賊が挑んでいるのか。作中では山賊の動機についてはカネや女が欲しかったみたいな雑な理由で済ませてますが、リスク・リターンに見合っていません。では、たまたま襲った馬車が公爵家のものだった?だとしたら、やはり勝てる訳がありません。


 そうなると、『公爵家の馬車が来ると知った上で入念な準備をし、勝利出来た』という可能性が浮上します。この山賊達は彼らが持つハズレスキルを組み合わせ公爵家に勝てる戦術を練り上げたのだと私は考えます。つまり、山賊達の真の目的は復讐。ハズレスキルにより迫害されてきた者達が徒党を組み、創意工夫で権力者を倒して見返したかった。


 これなら、公爵家の馬車を狙う理由も勝てた理由も、そしてその後ナローシュ君にボロ負けした理由も説明がつきます。山賊達は公爵家の連中に優位が取れる立ち回りを準備していただけで、ナローシュ君という未知の敵に勝つ策なぞ持ち合わせていませんからね。


 と言う訳で、スキル絶対社会で身分最底辺の山賊が公爵家というこの世界トップクラスに勝利する理由を考えると、真の主人公はこの山賊達ではないかと考えるに至りました。


 こういった作品のテーマであるハズレと馬鹿にされたスキルで見返すという行為について、山賊達の方がナローシュ君よりよっぽどキチンと実現していますから。ナローシュ君の場合、周囲がアホなのでどう見てもぶっ壊れスキルをハズレと呼んでいたり、その世界のスキルより上位の概念の力が使えたりで、結局は『強いスキル得たやつが偉い』のルールに収まってしまいます。馬車を襲う山賊の方がずっとスキル社会をひっくり返す可能性を秘めています。


 まあ、だからこそ運命は山賊には残酷です。今ある秩序を守らんとして、神様が迅速にナローシュ君をぶつけて彼らを潰しにかかります。温厚鈍感なナローシュ君が、こういう時だけ殺人マシーンとなり皆殺しを即決断するのも、そういう事なのかも知れないと思った今日このごろでした。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点]  仮に何らかの理由で一般兵しか連れてなくても、山賊如きに貴族の護衛が負けるのどうなん…? [一言]  「ワンピースの最初に出てきた山賊、実は強キャラ説」を思い出してしまいました。
[良い点] 理路整然としてる! ように思えます! たしかに、レイド戦で対策ばっちり、の所に、横やりというかニューエネミー出現したら、戦線は崩壊しますねw [気になる点] そういえば、ひょっこりと現れた…
[良い点] なんだか山賊一味がかっこ良く見えてきました。 [気になる点] そこまで意識高い山賊さんを描写する作品はなかなか見かけない件。 [一言] やっぱり、あっさりやられる山賊さんがいるからこそ主人…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ