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番外編 とある女神の宣伝活動(おまけ)

今日と明日は、3章完結でちょっとした小話を投稿します!

2話連続で投稿しますので、21時過ぎにもお楽しみいただければと思います!

≪【森組】を眺めて幸せに浸るスレ ~患者六人目~≫


 フローリアがたまたま見つけたこの掲示板には、春季連合会議から既に注目を集めていたシルヴィ達の、熱狂的なファンが集っていた。

 楽しそうな話をしていると感じたフローリアは、自分もそこの輪に加わることにした。


 これは、とある女神が現れたことによって狂喜乱舞する住人達の一日の様子である。


『名無しの紳士:はー……。シルヴィちゃんとレナちゃん可愛かったなぁ……。あんな可愛い二人を創造した神に感謝。神祖様万歳』


『名無しの魔導士:小っちゃいのを気にして噛みついちゃうレナたん可愛すぎて死ぬ』


『名無しのドエム:レナちゃんに怒られてぇ……』


『名無しのマッゾ:あの細い足で蹴り飛ばされてぇな……』


『名無しのムッツリ:おい、こんな日中からお前らの性癖を聞かされる身にもなってくれ』


『名無しのドエム:だが思わないか!? 自分の小さい身長をコンプレックスにしてて、真っ赤に怒りながら吠えるレナちゃんに蹴られたいと!!』


『名無しのサド:私は思わないなー。レナちゃんよりシルヴィちゃん派だし。あの困り顔最高にそそる』


『名無しの王(自称):分かるわー! シルヴィちゃん困らせてぇ!!』


『名無しの紳士:絶対あの子、嫌々言いながらも何でもしてくれる健気なタイプだ。俺のセンサーが反応してる。間違いない』


『名無しの魔女:困り顔もいいが、レナちゃん護りながら安心させようと笑ってた献身的なとこもいいんだよなぁ……! まじ女神』


『名無しの変態:シルヴィちゃんに優しくなでなでしてもらいたい!!』


『名無しの下働き:俺、ちょっと不帰(かえらず)の森にあるらしいシルヴィちゃんの診療所行って来ようかな』


『名無しの王(自称):やめろ! それだけは許さんぞ!!』


『名無しの紳士:お前! ここのスレのタイトルを声に出して読み上げろ! ≪【森組】を眺めて幸せに浸るスレ≫だぞ!!』


『名無しの魔導士:はぁ……。俺も人間じゃなくて獣人に生まれたかった。今から人体錬成魔法極めて村に入れてもらおうかな』


『名無しの女神:シルヴィちゃんもレナちゃんも、みんなにモテモテね~』


『名無しのムッツリ:そりゃそうだろ。あんな美少女、生まれて初めて見たぜ! っていうかあんた新顔かな? おーいお前ら、自称女神様が来たぞー』


『名無しの王(自称):ようこそ女神様! 我こそは王である! これから仲良く、シルヴィちゃんとレナちゃんの可愛さを存分に語ろうではないか!』


『名無しの猫:自称だろ。調子に乗んな』


『名無しの王(自称):すいません、すいません! 調子に乗ってすいません!!』


『名無しのムッツリ:王、無様な全力土下座である』


『名無しのドエム:くそぉ王め! お前ばかりご褒美貰ってずるいぞ!!』


『名無しの女神:自称じゃなくて本物の女神様ですけど~。でも女神の私は優しいので、シルヴィちゃん達に会えないあなた達にいい物をあげましょう』


『名無しの魔女:女神様からの施しやったー! で、何貰えるんです?』


『名無しの女神:じゃーん、シルヴィちゃんの手作りご飯の写真でーす』


『『『『名無し一同:マジモンの女神様だ!!』』』』



 ☆★☆★☆★☆★☆



 時は少し流れ、シルヴィがフルーツゼリーの作成に取り掛かっている裏で、再びフローリアが宣伝活動を再開させていた。


『名無しの女神:シルヴィちゃん、ヒマジョのアカウント作ったみたい』


『名無しの紳士:音速でフォローしてきた』


『名無しのドエム:俺は光速だった』


『名無しの魔女:子どもかよ……』


『名無しの王(自称):うわぁ! なんだこれ、めちゃくちゃ美味そう……!』


『名無しの下働き:いいなー、レナちゃんは毎食こんな美味しそうな食事をシルヴィちゃんに作ってもらってるのか……。なんだか腹減ってきたな』


『名無しの魔導士:我慢できねぇ。ちょっと飯食ってくる』


『名無しのムッツリ:いってら。ていうか女神様はあれか? シルヴィちゃんの手作り料理が並ぶ食卓の写真を持ってることや、アカウントを作ったことを知ってることから、シルヴィちゃんの近くにいる人か?』


『名無しの紳士:まさか、本人ってことは無いよな……。無いですよね?』


『名無しの猫:ビビり過ぎでしょ』


『名無しの女神:本人じゃないわよ~。毎日一緒にいるけどね』


『名無しの変態:ご家族だーーーーー!!!』


『名無しの紳士:女神様と言うことは、シリア様か? いや、シリア様は猫の姿を取っていらっしゃるという話だったよな』


『名無しの魔女:応援に来てた金髪の美人さんじゃない?』


『名無しの王(自称):いや、もしかしたらシルヴィちゃんに抱き付いていた紫髪のケモ耳のお嬢ちゃんかも……』


『名無しの女神:ここのルールで正体をバラしちゃいけないみたいだから、これ以上は言~わない』


『名無しのドエム:うおおおおお、新手の焦らしプレイ……! イイ……!』


『名無しのムッツリ:見境ないなお前!!』


『名無しの紳士:でも何でご家族の方がわざわざこんなスレに来て、我々にご褒美を下さるんだ?』


『名無しの女神:ん~。面白そうな話してるわねって気になったのもあるけど、ここの人達は心の底からシルヴィちゃん達を好きで応援してくれてるみたいだからかしら?』


『名無しの魔導士:女神だ……女神がいる……』


『名無しのサド:ありがたや……』


『名無しの女神:これからも応援してくれるなら、たまーに顔出してプレゼントしてあげるけど……。どう?』


『『『『言われなくても応援し続けます!!!』』』』


『名無しの女神:あらあら、頼もしいわね! それじゃあこれからも見守ってあげてね。私はこれからおやつなので帰りま~す』


『名無しの紳士:お、おやつまで出るのか……! 羨ましい……!!』



 ☆★☆★☆★☆★☆



 おやつを食べ終え、シルヴィ達がのんびりと昼下がりを満喫している裏で、またまたフローリアは書き込みを再開させていた。


『名無しの女神:じゃ~ん、エルフォニアちゃんの可愛い横顔で~す』


『『『『は…………!?』』』』


『名無しの紳士:い、いや待て待て待て待て、待ってくれ女神様。ちょっと急展開過ぎて一切理解ができない』


『名無しの魔導士:エルフォニアって、あの、【暗影の魔女】エルフォニアだよな……?』


『名無しの変態:なんでエルフォニアがシルヴィちゃんの家にいるんだ!? しかもなんだこの顔!! 幸せそうだな!!』


『名無しの猫:一匹狼だと思ってたけど、あの人シルヴィちゃん達と友達だったの!? 意外過ぎる!』


『名無しの魔女:しかもこれ、シルヴィちゃんのおやつよね……』


『名無しのドエム:シルヴィ様ー!! 卑しい僕にもお情けを! お恵みをー!!』


『名無しの女神:あ、そうそう。エルフォニアちゃん、今度からうちでシルヴィちゃん達の先生してくれることになったのよ~』


『『『『は…………!?』』』』


『名無しの紳士:待ってくれ、待ってくれ女神様! 情報量が多すぎて頭が追い付かないんだ!! 誰か、俺に分かるようにまとめてくれ!!』


『名無しのムッツリ:えーっと……こんな感じか?

 エルフォニアとシルヴィちゃん達は知り合いだった。

 よく分からんが、エルフォニアがシルヴィちゃんの家にいる。

 さらに分からんが、シルヴィちゃん達の家で先生をするということ』


『名無しの変態:あとエルフォニアは実は笑うと可愛いってことも付け足せ! 俺、エルフォニアスレ行って周知してくる!! あそこの豚共泣くぞこれ!?』


『名無しの王(自称):ち、ちちちちなみに女神様? エルフォニアが先生って、一体どのような……?』


『名無しの女神:魔女としての一般教養を教えてくれるみたい。エルフォニアちゃん物知りだから助かるわぁ~』


『名無しのドエム:エルフォニア様の……教鞭…………? はぁはぁ……』


『名無しの猫:なんだよその幸せ空間…………』


『名無しの魔導士:俺、気づいたんだけどさ。総長に頼み込んでエルフォニアの講義を魔導連合で開いてもらえれば、疑似的にシルヴィちゃん達の生活を体験できるかもしれねぇ』


『名無しの魔女:あ、天才。シルヴィちゃん達も来てくれるかもしれないし、難しい講義を懸命に覚えようとする健気な姿が拝めるわ』


『名無しの王(自称):やはり天才か。いつ開催する? 総長室まで俺も同行しよう』


『名無しの猫:王は調子に乗ってふざけそうだから座ってろ』


『名無しの王(自称):すいません、すいません! 自分、静かにしてますんで! 土下座でも首輪でもなんでもしますんで! 何卒、何卒!!』


『名無しのムッツリ:お前ホントに節操ねぇな!?』


『名無しの女神:それじゃ、私はレナちゃんに呼ばれたからお風呂行ってくるわね~。みんなおやすみ~☆』


『名無しの紳士:レナちゃんと……お風呂……!?』


『名無しの変態:レナちゃん、女神さまとお風呂入ってるのかよ!! なんだよその幸せ空間!! 可愛すぎだろ!!』


『名無しのドエム:め、女神様! お風呂の様子を、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけでいいんでどうか! どうかー!!』


『名無しの魔女:できればシルヴィちゃんのお風呂の様子もお願いします!!』


『名無しの王(自称):女神様の反応がない! マジでお風呂だ! カムバック女神様ぁー!!』





 ウィズナビに表示される書き込みを見ながら、レナと風呂を済ませるためにフローリアは次々と服を脱ぎ捨てる。

 そんな自分の信仰する女神の姿に呆れたレナが、溜息を吐きながらも拾い上げて洗濯籠の中へと放り込んだ。


「もうフローリア、脱ぐかウィズナビいじるかのどっちかにしてよ……」


「えへへ~。レナちゃん達の可愛さをみんなに知ってもらおうと、女神様は忙しいのです!」


「意味分かんないんだけど。どうでもいいけどほら、冷える前にお風呂行くわよ」


「は~い☆」

【作者からのお願い】

今章も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

もし評価がまだの方がいらっしゃいましたら、

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今後の期待度などを込めて★を最大5つまで入れて頂けると幸いです!

(★の数が多ければ多いほど、主人公を幸せにしようと作者が頑張ります!)


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