0話 幸せな王女は夢を見る・3
新章開幕です!
今回から、シルヴィ達が生きている世界での魔女の組織が深く関わってきます。
ご先祖様であるシリアから偶然認められてしまったシルヴィ、
神様の中でも上位存在である大神様からお墨付きを貰っているレナ。
二人は他の魔女に認めてもらうことが出来るのでしょうか……。
私の楽しい夢の話を聞き終えたお父様達と、王城庭園を散歩します。
お城の庭園は毎日メイドの皆さんが手入れをしてくださるおかげでとても立派です。今日も綺麗な薔薇があちこちで咲き乱れていて、私達の幸せな時間を彩ってくれています。
「そう言えば、シルヴィが見た夢の中にも素敵なお城があったのよね?」
「はい! 魔導連合という場所で、魔女の私みたいな人達が会議をしたり、魔法を披露したりすることもできる広い庭のあるお城でした!」
「夢の中のお城と、私達のお城。どっちが素敵かしら?」
お母様の茶目っ気のある質問に、私は笑い返しながら当然のように答えます。
「もちろん、私達のお城です! お父様が治める国の中で一番立派で、私達が居心地のいい素敵なお城ですから!」
「ははは。ならシルヴィが王位を継承した後も、私達や国民が幸せになれるように、私もまだまだ頑張らなければならないな」
「うふふ。あなた、そんなこと言ってまた倒れたりしたら嫌よ? この前お医者様にお叱りを受けたばかりじゃない」
「勿論だ。もう皆に心配はさせたくはないからな。ほどほどに頑張るつもりだよ」
和やかに笑いあい、庭園の薔薇を見ながら散歩をしていると、お城全体に鐘の音が鳴り響きました。いつの間にかお祈りを捧げる時間になってしまっていたようです。
「お父様。そろそろ神様に祈りを捧げてきた方がよろしいでしょうか?」
「そうだな。すまないがシルヴィ、頼めるか?」
「勿論です! それでは、お父様やお母様、ひいては国民の皆さんをお守りいただけるようお祈りしてきますね」
「ありがとうシルヴィ。でも、疲れたらすぐに戻ってくるのよ?」
「ありがとうございます、お母様。私はお父様のように無茶はしないので、ご安心ください」
「ははは! これは一本取られてしまったな!」
いつまでもこうしてずっと笑いあっていたいですが、毎日の日課を蔑ろにする訳にはいきません。
お父様とお母様に王女らしく優雅に一礼して見せ、庭園を後にしてある場所へと向かいます。
お祈りの時間になってしまったせいで話しそびれてしまいましたが、魔導連合と呼ばれるお城ではとても楽しい催し物が行われていました。
あれはそう、技練祭と呼ばれるお祭りの中のお話でした――。
今日は一時間後に、もう一話投稿予定です!
よろしければ次のお話もお楽しみください!




