0話 幸せな王女は夢を見る・1
物語の始まりは、一人の幸せな王女の夢語りから始まります。
次話から夢の内容について展開されていきますので、
彼女の夢の内容が少しでも気になっていただけたら、次のお話もどうぞお読みください!
最近、とても不思議な夢を見ます。
それは、私が見たこともないような場所で、知らない人達と楽しく生活している夢です。
そこでの私は“魔女”として生活していて、たくさんの魔女のお友達や亜人種のお友達に囲まれて、とても楽しそうに毎日を過ごしているのです。
怪我をしたお友達には、優しく治癒の魔法を掛けてあげます。冒険が大好きな人間の方々には、お手製のポーションを作ってあげます。時には、魔女のお友達と魔法の練習も兼ねて、激しく撃ち合ったりもします。
どれもこれも、まるで本当に体験したことがあるかのように、身近なものに感じられます。
ですが、現実の私は魔女ではありません。
私はただの王女。人間が治める領地を統べる、王族に生まれた一人の王女です。
それでも、楽しい夢を見た後は、とても気分が軽く気持ちが弾みます。
鏡に映る自分の姿も、今日はとても晴れやかな表情をしています。王妃であるお母様と同じ、銀色の長い髪は私の一番のお気に入りです。そして、左右で色の異なる両目も昔はコンプレックスに感じていましたが、今では私のチャームポイントのひとつです。
王家の証となる鮮やかな水色の瞳に、私だけが持っている深紅色の瞳。昔は怖がられたり、病気ではないかと心配されたりもしましたが、時間が経つにつれて誰も気にしなくなり、今ではお城の皆がこの目を綺麗だと褒めてくれます。
鏡の自分に向かって笑顔の練習をすると、鏡の自分がとても可愛らしい笑顔を見せてくれました。
当然です、それは私自身なのですから。
「シルヴィ、起きてるかしら? 食事の準備ができたから早く来て頂戴ね」
「お母様! はい、ただいま向かいます!」
いそいそと服を着替え、髪をハーフアップスタイルに整えた私は、ドアを開けて愛しのお母様へ元気いっぱいに挨拶をします。
「おはようございます、お母様! お待たせしてしまいすみません」
「いいのよ。おはようシルヴィ、今日は機嫌がいいのね?」
「はい! 今日も楽しい夢を見ることが出来ました!」
「あら、どんな夢なの?」
楽しい気持ちをおすそ分けしたくて、お母様に夢の内容をお話しします。
それは王女である私が魔女として、今とは別の形で幸せいっぱいに過ごす楽しい夢のお話――。
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