【完結】 闇の中に差す光は見えるけど掴めない
なろうトップの「最近の完結作品」から数時間で流れて可哀想だったのでこちらでももう一度宣伝。
内容とは関係ないけど連載形式で一話で完結させてトップページに載せる手法はやめて欲しいです。何のために連載と短編という形式があると思っているのか。
この話のあらすじとかは一個前の記事をご覧ください。
作品を読んだ人がこの記事読むとイメージ壊れる可能性があるし、読んでない人が読むとネタバレするしで最悪ですが、ストーリーがどうこうというよりはどうにもならないぐちゃぐちゃ感を味わう話なのでネタバレした人もおもしろそう、て思ったら読んで欲しいです。
基本的にこの話の山は、一つ目がナユタとアルナの話で二つ目がナユタと主人公の話だと思います。
ナユタの基本的な要素として、
・基本的に他人と接するのは面倒くさい
・自分の強さに自信があるので一人旅をしている
・でも誰かに自分をきちんと見て欲しい
というところがあります。
一つ目の話について
アルナのような誰にでも分け隔てなく接するタイプはナユタのような面倒な人間にも普通に接してくれるので一見するとナユタの求める条件に合致しているのですが、それは単なる博愛であって彼女自身に向けられた好意ではないことにナユタは気づきます。
別に博愛も一つの好意ではあるのですが、ナユタにとってはアルナしかいないのにアルナにとってはナユタは大勢の人間のうちの一人にすぎないという天秤の傾きをナユタは許すことが出来ませんでした。
ただ、そういう人でもなければナユタのような面倒な人にわざわざ好意を向けてはくれないというジレンマもあります。と言う訳でナユタは冒険者として成功しているように見えて人生詰んでいます。
二つ目の話について
では主人公がなぜナユタにとってだめなのかというと、憧れを向けているからです。よく「憧れは理解から最も遠い感情」と言いますが、ナユタにとって自分をきちんと見てくれない人間とは特に一緒にいたくはないのです。
ただ、憧れも好意ではあるし、主人公はひたすらナユタにとって下手に出ているところがあるのでナユタは何となくそれが心地よくなって、ついでにアルナと別れたショックもあって一緒にいてしまいます。で、アルナがいなくなった傷を主人公に師匠面することで埋めようとします。
ただ、主人公は「自分には何もない」みたいなことを言いつつ(本人もそう思ってますが)、実はそこそこ強いのでそれに気づいたナユタは嫌な気持ちになってつい避けてしまいます。
調子に乗って師匠面してた相手が実は有能って分かったら気持ちとして最悪じゃないでしょうか? ただ、この辺の心理の描き方が甘かったような気もするのでそこは反省点です。
そして最後。主人公もナユタもお互い心の中にわだかまりがありつつ、相手の気持ちが気になりつつ、あの場面を迎えます。
ここまで散々ネタバレしておいてあれですが、ここだけはぼかします。
個人的に「相手のことを知ろうとせずに一緒にいる」というのは条件をつけない好意の示し方だと思うのですが、いかがでしょうか。
元々PVが低い上に完結ブーストの恩恵にすらあまり預かれなかった可哀想な作品なので読んであげて欲しいです。