喉渇いてる? 復讐の水を飲むと潤うよ
あらすじ
「どこ行くの?」「ちょっと皇帝に敵討ちに」
エルロンド王国第五王子アレンは八年前、隣国アガスティア帝国の侵略で祖国を滅ぼされた。
復讐するほどの強い恨みはなく、かといって帝国民として余生を過ごせるほど割り切ることも出来ない。
宙ぶらりんの存在として生きていたアレンは病気の少女を助ける。
彼女は王国将軍の娘・リアだった。
「剣神に愛された」と語るリアは恐ろしい剣技を持つが、余命はわずか。
残されたわずかな時間で皇帝を討ちに行くという。
アレンは無理やり付き合わされるが……
一方旧王国民の中にも帝国に飲み込まれることを受け入れる者と受け入れぬ者がおり……
・二年ぐらい前に書いた過去作です。某新人賞で落選し、その後半年後ぐらいにあまりに酷かった展開を改稿してまた別の賞で落選し、最近また発見して思いの他良かったので地味改稿しながら連載している作品です。
これを一言で表すなら、
「魅力的な世界観(※)&魅力的なヒロイン(リア)から繰り出される、魅力的じゃない主人公とよく分からない展開」
という感じでしょうか。
※ あらすじにもあるように、滅ぼされた王国の民や家臣、もしくはその子孫たちが帝国を受け入れたり受け入れなかったりする人間模様みたいなものがテーマの一つなのですが、個人的にはこの辺の雰囲気はうまく書けていると思います。わざわざ掘り起こして連載しているのはそのためです。ただ、別にそういう話が好きじゃない人はおもしろくないと思います。
リアも病弱な天才というありきたりな設定ではありつつも、ちょくちょく覗かせる脆さとか、帝国に迎合する旧王国民に苛々するところとかはこの作品ならではの魅力かもしれないと思っています。
逆に、主人公はうだうだ悩み過ぎていてうっとうしい可能性が高いです。多分これで大分読者が厳選されます。こいつはファンタジー小説の主人公というよりは現代物に出てくる進路に悩む主人公みたいな感じなんですよね。
ただ、世界観のところで述べた、帝国を受け入れるかどうかで割れる元王国民という構図をうまく書くには主人公がある程度悩んでいる人物である必要はあるにはあります。でももう少しやりようがある気はするんですよね。
よく分からない展開というのは主人公がうじうじしているせいで発生した謎のイベントです。オルフェイアが出て来てからしばらくの部分を指します。
あと、タイトルのおしゃれ感(?)も気に入ってます。
……これ書いていて、気が向いてかつ何かいい主人公を思いついたら大幅改稿してもいいかという気になりました。
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