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たとえ異世界であろうとコンプレックスは直らない件  作者: 製造物
序章、異世界召喚された王國編
2/22

1、灰色の異世界

大改稿二話目終了。

だいぶ縮小して頑張ってます。

 〜???〜


 黒輝 勇馬、コイツはまさしくチートという他に無いようなチートだ。


 なんたって家は893。

 剣道、空手、柔道、合気道、弓道などの武道を重んじており、それら全てを余すことなくコンプリート。

 勉学は全国トップクラス。

 しかも誰も彼もから告白されるような美貌持ち。


 …ただし男子からも女子からも。


 艶があり、腰まで届く黒髪。

 全体的に体は細く、しなやかに伸びている。

 髪と同様の黒い目は猫のような愛嬌がある。

 肌は雪のように白く、一切の穢れを知らないようだ。


 むしろこれだけ揃っていて誰が男と分かるか!? ってレベルの女子っぷりだ。

 しかも趣味とか苦手なものも女子らしくてしょーじき腹が痛い。


 これから奴がどうなるのかはまだわからないが…それでも波乱の人生の中にあることには間違いないだろう。


 ..................................................


 そんなこんなで俺の機嫌と周りの疑いの目が穏やかになったところで王様がこの世界の基礎知識を俺たちに説明し始めた。


 この世界は『アレイスト』と呼ばれており、一つの大陸と果てしなく広がる海で構成されている。


 この世界には多様な種族がおり、獣人、エルフ、ドワーフ、精霊などなどがいたりする。

 ちなみに俺たちは今回ふつうに人間の方で召喚されました。


 大陸においては基本的に人間が占領。

 他の種族はあくまでどこかでひっそりと暮らしているとのこと。

 ちなみにこの国『龍聖国ファルギルア』は種族関係なく暮らしている平等な国だ。


 そしてこの世界は【聖】と【魔】の二つの勢力で分かれている。

【聖】の神、【聖神】ーーーーーと【魔】の神、【魔神】ロキが対立し、いがみ合うが故の構図となる。

 この二つの勢力はたとえ同種族であろうと対立し、争う使命を持つ。

 全ての種族が平等であると言う信念を持つこの国でもその意思は変わらないようだ。


 この国、そして俺たちは【聖】の勢力に属する。

 そして俺たち召喚者に課せられたのは【魔】の種族の殲滅と10体の【魔王】、そして【魔神】の討伐だ。


 ………いや、多すぎるだろ!

 普通こういうので【魔王】って一体だろ!!

 そんな最悪の大安売りは他所でやれ!

 俺たちは今、一刻も早く平和を取り戻したいんだ!

 そんでダラダラしたいんだ!!

 決して後者が本心だったりはしない!


 俺が見る限り王の言葉に嘘はない。

 ただしまだこの世界についてよく分からない以上、警戒は続ける。


 だがそれとは別に王には求めなければならないことがーーー


「よし! みんな聞いたか? この国の人々は、そして世界は困っているんだ! 邪悪な神を打ち倒すぞ!」


「「「「「おーーーーーーー!!」」」」」


 …バカなのこいつら?


 え?

 いや?

 バカなの?

 真面目に言ってる?


 だとしたら君らの頭には膿が湧いているよ。

 早急に病院に行くことをお勧めいたしたい。


 この士気上げの主犯は天翔 正志(てんしょう まさし)

 前回俺の後ろにいたイケメンだ。

 少し茶がかった黒髪を丁寧に整えていて、純粋にイケメン。

 サッカー部のキャプテンでかつ学年でも勉学優秀。

 しかも周りに対する気遣いを忘れない。

 そして彼女がいる。


 何でもかんでも揃えたある種のチートだ。


 ただしコイツには阿呆なところがあり、夢物語のようなことばかりを志す。

 つまりは地に足をつけないような思考の持ち主だ。


 しかもその割にリーダーシップは持ち合わせており、カリスマもある。

 周りもまたノせられやすい奴ばかりなのでなんとも収集がつかない。


 そのため俺はいつもコイツらの尻拭いをする羽目になる。

 もうすこしちゃんとしてる奴らなら俺ももう少しは楽にできただろうな。


 なんどもそう思う。


 しかし今はそんな感傷に浸ってはいられない!


「すまない。俺からも意見がある。というか王様にいくつか質問がある」


「む? 許すが…まだお主は協力的ではないのかの?」


「そうだな。その通りだ。まだ信じるには程遠いし、お前たちの話が本当かもわからない。だからいくつか質問をさせて貰いたい」


「わかったわい。許す。いくらでも質問せよ」


 それからというものの俺は王様に質問を繰り返した。

 俺たちが信頼できる証明やこの国の機微、政治内容などいくつも質問をさせて貰った。

 割とこの王は見た目よりも遥かにしっかりとしており、俺の質問にもすぐに対応できていた。

 その内容自体もなかなかに説得力があり、感心した。

 また部下も優秀なようで、俺の質問に答えるために使うようなものを準備したりと動けていた。


「それじゃ最後に…つーかこれに関しては質問じゃなくて要求というべきだな」


「む? なんじゃ? 述べてみよ」


「最低限の衣食住の保証、割に合った給料、そして俺たちに対する人権の確立だ」


「ほう…それでよいのか?」


「ああ。人権については作戦や命令に対する拒否権、俺たちの意見も取り入れること、あとは…本にでもまとめて後で渡すよ」


「…それをお主一人で?」


「ああ。クラスの奴らになんざまかせればボロ出まくりになるからな」


 事実、以前ある文化祭の書類を誰かに任せたところ、それが紙飛行機となって空に飛んで言ったという事件などがあったりする。

 それ以来、あいつらに任せるのは危険だと理解したので頼っていない。


 すると王様は何度か頷いて、俺の肩を急に掴んだ。

 デブな体格の割にはぎっちりと捕獲され、逃げられない。

 そして王様はにこやかな表情で言った。


「お主、今日からウチの文官じゃ」


「…は?」


 唐突な言葉に俺はハテナマークを頭にいくつも浮かべた。

 何がどうなってそんな話になったのか…。

 俺では理解が追いつけなかった。


「それじゃイシュミール。お主が此奴に目を付けよ。頼んのじゃ!」


「了解致しました。王よ」


「あと此奴の要求、儂は全て呑むぞ」


「ですがそれではこちらの負担がかなり大きくーー」


「大丈夫じゃ。此奴をボロクソに使うからのう」


「了解致しました」


 だが話は俺を置いてどんどん進んだ。

 しかも俺が承諾前提でしかもブラック前提で、だ。


「あとお主、名はなんと申す?」


「黒輝 勇馬だが。こちら風に言えばユーマ・クロキってところだ。そんなことよりも文官ってどういーー」


「それではお主のことを『ユーマ』と呼ぶわい。代わりに儂のことは『イミス』と呼べい。イミス・ヴィル・クロードじゃからのう」


「わ、わかったがそれよりもーー」


「それではお主ら、部屋を案内せよ。幸い城にはいくらでも部屋はある。どこでも好きに使えい」


 こうして俺たちの異世界生活は始まった。


 もっともほかのメンバーは夢とファンタジーな異世界かもしれんが、俺の場合は仕事と苦労のファンタジーになり得るかもしれない。

 この時点で俺はそれを悟っていた。


「いーーーやーーーーーーーだーーーーーーーーー!!!!」

次回に続く〜

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