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11 クエラの実力




 私はお姉さまに言われるがまま、学園の訓練場――昨日は入学試験を実施していた場所に向かいました。


 その道中、お姉さまは簡単に説明をしてくれました。


 強敵と戦いたい。


 ……はい、それだけです。


 昔からお姉さまはそうでした。

 お屋敷の敷地内では自由がありましたが、お姉さまは外に出ることが許されていませんでした。

 なので、お姉さまのやることと言ったら、お勉強と修行。そればかりだったのです。


 気付くと、お姉さまはお屋敷内ではパパ以外に敵うものなし、というほど強くなっていました。

 その頃からお姉さまは……パパ以外の、全力で戦える相手というのに飢えていました。


 そんなところに、私というイレギュラーな実力者が現れました。

 元々、私はお姉さまほどの力はありませんでした。

 しかし、今は魔法適性に目覚め、それに引きずられて潜在能力まで開花しています。


 きっと、お姉さまの目には新たな好敵手が現れたように見えたでしょう。



「――準備はいいかい、ファーリ」


 お姉さまは、一本のロングソードを手に持って言います。

 訓練場は朝ということもあり、かなり空いていました。

 その一角を、私とお姉さまで占拠し、これから決闘……もとい、模擬戦を行います。


 審判として、リグが無理を言って教員を呼んできてくれました。

 なんと、ちょうど私を昨日見つけてくれた、あのリリーナ先生でした。


「……いつでも、戦えるのです」


 私は言って、エクスコルドを構えます。

 いつものお仕置きモードではありません。

 無属性魔法の魔力を流し、ちゃんと切れる魔法剣を生み出します。


 そして、私は自分に解除できる全ての封印を解除します。


 ――というのも、お姉さまのステータスをスーパーサーチで確認してめちゃくちゃビビってしまったからです。


―☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆―


クエラ・フォン・ダズエル(Quela Fon Dazzuel)


ライフ:32882

パワー:28996

攻撃力:3053

防御力:1285

魔法力:1812

敏捷性:1427


技能:総合武術(B+) 剣術(A) 飛行(C) 魔眼(C) 自然治癒(D)

   造血(B) 血液操作(B) 魔力結晶(B) パワー回復(B)

魔法適性:闇(D+)、命(D+)

魔法耐性:闇(C)


―☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆―


 バケモノです。

 最初見た時、そう思いました。


 ステータスに関しては、私を上回っている部分がたくさんあります。

 ですが、まだ私が上回っているステータスもあります。


 むしろ、ステータスよりも技能の方です。

 一つ一つをスーパーサーチで確認していくほどに、恐ろしくなっていきました。


―☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆―


総合武術:一般的な武器全てに関する技術。

飛行:空中をパワーを消費して飛行する能力。

魔眼:様々な情報を直感的に見抜く力。

自然治癒:時間経過と共に肉体の負傷、そしてライフが回復していく。

造血:自分の血液をパワーを消費して増やす。

血液操作:パワーを消費し、血液を自在に操る。

魔力結晶:魔力を結晶化し、固形化する。

パワー回復:時間経過と共にパワーを回復する。


―☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆―


 最後の技能で、他の技能のデメリットを全部打ち消しちゃってます。

 つまりお姉さまは、空が飛べて、怪我が勝手に治って、血や魔力を直接武器に変えて戦えるのに、それで何も消費しないも同然ということです。


 いや、ホント人間じゃないです。

 まず飛んじゃダメですよお姉さま……。

 いくら吸血鬼だからって、それは人外すぎます。



「それでは、2人とも準備はできたようだね」


 リリーナ先生が最後の確認をします。

 私とお姉さまは頷き、肯定の合図を出します。



「それでは――模擬戦、開始ッ!」

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― 新着の感想 ―
[気になる点] これでパッパに敵わなかったというのなら、パッパのステータスはどれほどのものなのかな。
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