31 はじめてのお友達
その後。私とリグレットさんは、お互いの事を話しました。
私は実家、ダズエル家のことや、そこでパパとやっていた訓練のこと。
リグレットさんは自分の家のことは秘密のままでしたが、銃剣を扱えるようになるまでの苦労話などを聞かせてくれました。
その間、ずっと私はリグレットさんに抱き締められたままでした。
「あの、リグレットさん」
「何かしら?」
「もう私、大丈夫なのです。泣いたりしないのです。だから、抱き締めてくれなくても平気なのです」
私がそう言うと、リグレットさんは顔を紅くしてそっぽを向きます。
「……まだ不安ですので、しばらくは抱擁させて頂きますわ」
どうやら、私はリグレットさんを相当不安にさせていたらしいのです。
私の身を捧げることで安心してもらえるのなら、いくらでも抱き締めてもらいましょう。
私も、リグレットさんに求められるのはとても幸せに思いますし。
無理に離してもらう必要なないのです。
やがて夜も遅くなってきたので、私とリグレットさんは部屋に備え付けてあったベッドに横たわります。
リグレットさんは、まるで子供をあやすかのように、私を抱きしめたままベッドに寝転がります。
つまり、添い寝です。
いえ、実際に私は子供ですから、あまり問題は無いと思うのです。
しかしですね。
私は前世の記憶の影響もあって……その、女性というのはとても魅力的な恋愛対象なのです。
そして、リグレットさんは魅力的な女の子です。
ですから、ちょっと心にやましい興奮が湧き上がってしまうのも仕方ないことなのです。
「あら、ファーリ。緊張しているのかしら?」
「は、はわわ……」
「うふふ。そんなに恥ずかしがらなくても平気ですわよ。添い寝ぐらいファーリさんぐらいの子ならお母様とやっていても不思議ではありませんもの」
「そ、そうでしょうか……でも、リグレットさんは私のママではないので」
「気になさらないで♪」
むぎゅっ、とリグレットさんが私を強く抱き締めます。
背中に……リグレットさんの、14歳とは思えないほど豊満な『それ』が押し当てられます。
ああ、これはまずいのです。
意識を、別の話題に逸らさないといけません。




