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異世界転生してもステータスはそのままでって言ったのですが!?  作者: 桜霧琥珀
八章 決戦、帝国議会!
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14 アンネの苦戦




 また一方で、同じころ。

 王都の西側の荒野に飛ばされたのは、アンネちゃんです。


「うにゃ……いきなり飛ばすなんて、卑怯にゃ!」

「暗殺者なんかに気遣ってやる理由は無いわ!」


 アンネちゃんと共に飛ばされたのは、エシルクロニアの幼馴染であり、剣士のアンナさん。

 ちょっと名前が似ているのでややこしいですね。


「にゃぁ……正論だにゃ。でも、こっちだってそっちの言い分を聞いてやる理由は無いにゃ! 勝負するにゃ!」

「望むところよ!」


 お互い脳筋寄りの考え方なのか、すぐに戦いが始まります。


 ――アンネちゃんの改造についてですが、主にコード強制関連を強化してあります。

 9999個のレリックアーマーとは別に、あらゆる攻撃に即死強制や即死カウンターのコードを仕込んでいます。


 また、精密なダメージフローによる即死、莫大なダメージによる即死など、基本的には破壊力に特化しています。


「うにゃああああっ!!」


 アンネちゃんは、叫び声を上げながらハルバードを振り上げます。

 即死強制とダメージフロー、大ダメージの即死が入り混じった、衝撃波による攻撃です。


 衝撃波は地面をえぐりながら、扇状に広がっていきます。


「――遅いね!」


 ですが、攻撃は不発。

 なんと、剣士のアンナさんはいつの間にかアンネちゃんの背後に回っていました。


 そして、剣の一撃を加えます。


 ――しかし、アンネちゃんにはレリックアーマーがあります。

 ガキンッ! と音を立てて、レリックアーマーが1つ壊れます。


 が、アンネちゃんは無傷で、攻撃の影響も一切受けていません。


「にゃっ!」


 すぐアンネちゃんは背後を振り返り、ハルバードを振るいます。

 単なるスピード型であれば――こうして攻撃を受けながら攻撃を振るだけで、捉えることができます。


 しかし、相手のアンナさんは只者ではありませんでした。


「――それも遅いッ!」


 アンネちゃんが振り返った頃には、既に背後に回っていました。


「うにゃっ!?」


 反応できないまま、二撃目がガキンッ! とアンネちゃんの背中に直撃。

 そしてすぐに対応しようとアンネちゃんは振り返ろうとしますが……その頃には、既に次の攻撃が来ていました。

 足を狙った攻撃が、ガキンッ! と音を立ててヒットします。


「うぅ、速すぎて捕まんないにゃ! ずるいにゃ!」


 アンネちゃんは怒りながら斧を振るいますが、がむしゃらな攻撃では当たる気配がありません。


 ――これも、かなり相性の悪い戦いと言えます。


 アンネちゃんの場合は、コード強制が効かない、かつ密度の高い攻撃を繰り出してくる相手にめっぽう弱いのです。


 まず、アンネちゃんの攻撃は直接の大ダメージやダメージフロー、コード強制による即死で構成されています。

 このうち、大ダメージとダメージフローは、ダメージキャンセルと呼ばれるスキルで無効化されがちです。

 また、密度が高くないのでレベルの低い無敵や高速移動でも回避できます。


 そしてコード強制ですが、本来ならカウンターでコード強制出来るので、無敵持ちや超高速で行動する相手でも捉えられるはずです。

 しかしコード強制に耐性があると、前提が崩れてしまいます。


 こうなると、アンネちゃんの攻撃はレベルの低い無敵や高速移動で簡単に回避できてしまうのです。


 そして9999個のレリックアーマーは密度の高い攻撃を受けると、継続して破壊されていき、修復する時間が取れません。

 結果として、着実に数を減らされていってしまうのです。


 剣士アンナさんは、正にそうしたアンネちゃんの弱点とも言える部分を突く相手だと言えます。


 実際、アンネちゃんはカウンターコードを使って、殴られながらも即死コードを送り返しています。

 しかし、剣士アンナさんが倒れる様子はありません。

 これは、コード強制耐性があると見ていいでしょう。


 ……リグに引き続き、どうやらアンネちゃんも苦戦しているようなのです。

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