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異世界転生してもステータスはそのままでって言ったのですが!?  作者: 桜霧琥珀
八章 決戦、帝国議会!
301/320

09 技名が恥ずかしい究極奥義、あと筋肉




 いちおうここまでの相手と同じように、ロースターさんの筋肉……じゃなくてステータスを確認しておきます。


―☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆―


粉砕のロースター


ライフ:152945

パワー:9825

攻撃力:999999

防御力:99999

魔法力:124

敏捷性:8934


技能:筋肉(S)防御無視(S)

魔法適性:

魔法耐性:


―☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆―


 なかなかのステータスですね。

 技能の筋肉は、筋肉があるほど攻撃の威力が増す技能。

 そして防御無視は文字通り相手の防御力を無視してダメージを与えるスキルです。


 普通の人なら、この攻撃力の前では塵も残さず消し飛びかねません。

 まあもちろん、お姉さまは普通じゃないので心配ありませんが。


「さて……僕が苦心して編み出した新たな究極奥義を披露する時がようやくきたね」


 お姉さまは嬉しそうに言います。

 そう、お姉さまもリグやアンネちゃんと動揺に、新たな技を会得しているのです。


 レッドマスカレイドに代わる、新たな奥義。

 その名は――。


「――惨劇の、ブリーディングフィースト」


 そう、とっても中二病な、恥ずかしい技名の奥義なのです。

 ネーミングセンスが悪いお姉さまらしい技なのです。


 お姉さまは技名を宣言すると、自分の腕をひっかき、血を流します。

 そして血は勝手に周囲に飛び散り――その体積をまして、無数の剣や槍に変化します。


 これだけなら、レッドマスカレイドと同じです。

 けれどここからが惨劇のブリーディングフィーストの本領です。


 血液は剣や槍だけではなく、お姉さまそっくりの人形にも変化します。

 赤く光る血液の結晶でできた、お姉さま型ゴーレムです。

 これらは実はレリック魔法を応用して生み出しています。

 お姉さまのレッドマスカレイドとレリック魔法を複合した結果、複雑な動きのできるゴーレムさえ生み出すことが可能になったのです。


「さあ、ゆけッ!」


 お姉さまの宣言で――ついに、惨劇のブリーディングフィーストが攻撃を開始します。

 血のゴーレム達は、それぞれが独自に血の剣や槍を握り、ロースターさんに挑みます。


「ぬんっ!!」


 そして、ロースターさんはこれらを受けて立ちます。

 正面から殴り、粉砕します。

 お姉さま型ゴーレムは次々と粉砕されます。


 ……ですが、攻撃は止みません。

 次々と、血の剣と槍がロースターさんに襲いかかります。

 そして、粉砕されたお姉さま型ゴーレムも、欠片同士が集まってまた形を整え、攻撃に戻ります。


 血の結晶の武器による嵐と、無数のお姉さま型ゴーレムによる攻撃。

 その応酬に、いくら筋肉でも限界がありました。

 ロースターさんはついに攻撃を捌ききれず、惨劇のブリーディングフィーストによるダメージを受けてしまいました。


「ぐうっ!?」


 そして、一度形勢が逆転すれば数の有利な方が押し切るのみ。

 そのまま何もできずに、ロースターさんはボロボロにされてしまいます。


 身体中に切り傷を刻まれ、ロースターさんは戦闘不能に陥ります。


「ぐっ……見事な技だ、少女よ」


 ロースターさんは膝をつき、敗北を認めます。


「……こうなれば、もはや邪魔立てはせぬ。お前たちにも、何か使命があるのだろう? 目を見れば、そして筋肉を見れば分かる。さあ、ゆくがよい。我は護衛を報酬分は遂行した。これ以上、立ちはだかるつもりはない」


 やっぱり、筋肉はいい人の証だったようですね。

 ロースターさんは道を開けてくれました。


「ありがとうございます、ロースターさん!」

「かまわんさ。またいつか会おうぞ、強き少女たちよ!」

「はいなのです! ロースターさんも、また筋肉してください!」

「うむ、また会いし時は筋肉しようぞ!」

「なんで貴方たち、通じ合ってますの……?」


 リグが、私とロースターさんの会話にツッコミを入れますが、今はそんな場合ではありません。

 さあ、議事堂跡の奥へと急ぎましょう!

筋肉はいいぞ!


筋肉と通じ合っちゃうファーリさん可愛い! という方はぜひブックマークや評価ポイントの方をよろしくおねがいします!

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