04 アンネちゃん暗殺!?
「恐らく、このタイミングだからこそなのでしょうね」
お姉さまの解説に加え、さらにリグが補足の説明をします。
「今は国境の警備に軍もハンターも駆り出されていますもの。王都内の通常の治安維持で手一杯なところに、本格的な隠密部隊による破壊工作などされては、たまったものではありませんわ。恐らく為す術無く、されるがままといった状況でしょう」
「まさにそのとおりにゃ」
アンネちゃんがリグの説明に乗っかって話を続けます。
「奴らに対抗しようとしても、高ランクのハンターがそもそも王都に居ないから護衛もまともに雇えない状況にゃ。そのせいであちこちの商会が打撃を受けてるにゃ。具体的に言えば……カウルマン商会は、正式な跡継ぎ候補とその予備3名、計4名が暗殺されてしまったにゃ」
「なるほど、それで最初の話につながるわけか」
お姉さまが、1人で納得したように頷きます。
「えっ、どういうことなのです?」
私はまだ理解できていないので、お姉さまに訊きます。
「いいかいファーリ。察するに、カウルマン商会の跡継ぎとなる為に教育をうけた正式な候補は、恐らく殺された4名で全員だ。そして跡継ぎが全員殺されたとなれば、次点で誰かを選ばなければならない。そこで、アンに白羽の矢が立った」
お姉さまはアンネちゃんに一度視線を送ってから、説明を続けます。
「十歳ごろまで跡継ぎとして教育を受けていたそうだし、何よりアンは優秀だ。貴族の多いハンター学園で、座学でも遅れを取らないどころか、下手な貴族よりも成績が良いぐらいだ。多分、子供の頃からその片鱗はあったのだろうね。教育係が幹部だったのなら、そこから話が広がって、アンが次の跡継ぎ候補に選ばれることにも説明がつく」
言われて、納得します。
お姉さまの言ったとおりであれば、すべてが腑に落ちます。
「分かったのです。それでアンネちゃんは、暗殺者に命を狙われる羽目になったのですね?」
「そのとおりにゃ……」
アンネちゃんは疲れたように息を漏らしつつ言います。
「別に商会なんて継ぎたくにゃいし、めんどくさいだけにゃ。しかも本職の暗殺者に命を狙われるとか、洒落になんないにゃ。実家のゴタゴタに巻き込まれて命が危ないなんて、ほんと理不尽すぎてやばいにゃ」
「それは、確かに……パニックを起こして慌ててしまうのも頷けるのです」
私はアンネちゃんの事情がようやく理解できたので、アンネちゃんの発言に頷いて同意します。
確かに、ある朝とつぜん実家からの手紙で自分の命が狙われることになった、しかも実家の勝手な都合で、となると混乱するのも無理はありません。
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