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44 成就する想い




「――んっ」


 当然、触るだけでは終わりません。

 私はそのままリグを自分の方に抱き寄せて、よりしっかりと唇を合わせます。

 私の背が低いせいで、まるでぶら下がるような格好になってしまいました。

 格好がつきませんが、そこは気にしません。


 私が積極的に出たことに驚いているのか、リグは口から声と息を漏らします。

 けれど離れる気は無いみたいです。


 だから私は、さらに進むことにしました。


 リグの唇を割るように、舌を動かします。

 それに気づいたリグは、ビクリと身体を震わせました。


 ああ――そんな仕草1つでさえ、私にはたまらなく愛おしいのです。


 そのまま感情に任せて、私は舌を伸ばします。

 リグの唇に、歯の奥に割り込んで、内側に侵入します。

 リグの舌に自分の舌を絡めたり、リグの歯や口の中をこすったりします。


 私の舌が内側で好き勝手するほどに、リグの身体が震えます。

 そして、次第に反応が良くなって――リグもまた、私の中へと舌を侵入させてきました。


 お互いに舌を絡め合い、互いの口の中を味わい尽くします。


 どれだけの時間が経ったかも分からないほど、私とリグは繋がっていました。

 けれど、不意にリグが動きを止めて、顔を離します。


「ハレンチですわ、ファーリ。こんな……卑猥なキスを知っているなんて」

「うふふ。私って、けっこうこういうのに詳しいのですよ?」


 まあ、何しろ前世では成人していましたから。

 経験はありませんでしたが、漫画などで知識だけは得ていました。


 その辺りの知識を総動員して、リグを満足させようと動いたわけです。


「わたくし、てっきりファーリはまだまだ純朴なお子様だと思っていましたわ」

「そんなことないのです。けっこう、興味がありますよ、こういうこと」

「なら……もしかして、いつも添い寝をお願いしてくるのはそういう理由だったのですわね?」

「あう、バレてしまいましたか」

「全くもう……いけない子ね」


 私がえっちな欲望を抱いていることを、見事にリグに知られてしまいました。

 でも、それは問題ありません。

 だって……これからは、隠す必要がありませんから。


 私は大好きなリグに、大好きだって気持ちをぶつけているだけなのですから。


「……そろそろ、冷えてきましたわね。寮に戻りませんこと?」

「はい。帰りましょう」


 私はリグの提案を受け入れます。

 そしてリグをまた、お姫様抱っこします。


「それに、これ以上のことをしようと思ったら、ベッドが必要ですから」

「……っ!? そ、そこまでしますの!?」

「はい、します。したいのです」

「うぅ……わたくしの想像以上に、その、ファーリは盛んでしたのね」

「ずっと我慢してたのですから、当然なのです。さあ、帰りましょう」


 言って、私は時計塔からリグを抱えたまま飛び降ります。

 こうして、私とリグは寮へと帰るのでした。

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