02 ファーリ、自分をもっと知る
封印についての話になったので、私は気になっていたことを尋ねます。
「ところでカミさま。カミさまが私に下さった能力ってどんなものなのです?」
「あ、それ聞いちゃう? 知らない方が精神衛生に良さそうかな、って思うんだけど」
「パパの時みたいな事故は起こしたくないのです」
「うーん……十分な技術と経験が条件になってるから、そういうことは起こらないはずなんだけどね。ユッキーが知りたいなら話すよ」
そして、カミさまはとんでもないことを言い出します。
「まず、一つ目の封印を解除した場合の力だけど、大体勇者とか魔王とか、そういう歴史に残るレベルの力を発揮できるよ。多分、ユッキーなら古代史の大賢者レベルの魔法使いになれるね」
「……それで一つ目の封印、ですか」
「まあ、急にそこまでの力を発揮できるってわけじゃないから。それに、能力は部分ごとに別々の経験と技術が必要だからね。急に大賢者レベルまで解放されるわけでもないから、強すぎて事故が起こるってことも無いよ」
「むう、それならいちおう問題ないでしょう」
パパの時のような心配をする必要は無さそうです。
「それで、二つ目の封印を解除した場合なんだけどね……」
カミさまはもったいぶります。とても言いにくそうです。
「はやく言うのです」
「……怒らない?」
「そりゃ怒るのです」
「えぇ……」
「カミさまの態度を見る限り、そうとうヤバい力を私に付与しているように思えるのです。正直、そんなもの望んでいないので既に怒っていると言ってもいいぐらいです」
私は拳を握って、はぁ~っと息を吹きかけます。制裁を暗示してやったのです。
ようやくカミさまは、正直に話します。
「えっと、封印を完全に解除したら、ユッキーは神になります」
「は?」
私は言いながら、既にカミさまの顔にばしっと拳を叩き込んでおきました。
「……痛いよユッキー」
「いいから説明をするのです。気に入らない内容がある度に、今度は腹とか脇腹とかなぐります」
「それ説明したくなくなるんですけど!?」
「説明しなければその間ずっと殴り続けます」
「ひどくない!? ……うっ!」
さっそく脇腹を殴りました。カミさまは観念したのか、詳しい話を始めます。
「神っていっても、この世界の中のそういう存在レベル、って意味だからね? 私みたいな実在する神の方ではなくて」
「それ、何か弁明したつもりなのです? 私的には、どちらにしろ許せないのです」
「ごめんってぇ~……それぐらいしないと、面白くならないことがありそうだったからさ」
「……まあ、カミさまの身勝手は今さらなのです。それで、この世界の神はどの程度の力があるのです?」
「えっと、あらゆる存在そのものを書き換えたり、相手の存在そのものを消滅させたり、小さい規模の世界を自ら生み出したり……ぐほっ!?」
あまりのことに、私はカミさまのみぞおちを殴りました。
ひどい。ひどすぎる。
平穏な生活を送るには、あまりにもオーバースペックです。




