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14 プレゼント選び




 私がさっそくお願いをしてきたからなのか、少し面食らったような表情を浮かべる二人でしたが、すぐに気を取り直してくれました。


「お願いっていうのは、何かな?」


 お姉さまが話を進めてくれます。


「はい。実は……リグに告白するなら、とびっきりの特別なプレゼントをあげたいと思っているのですが、その候補がなかなか思い浮かばないのです」

「ふむふむ。察するに、その特別なプレゼントというもののアイディアを僕たちから募ろうってわけかな?」

「さすがお姉さま、話が早いのです! まさにそのとおりなのです!」


 私はお姉さまの推測を肯定します。

 すると、お姉さまは顎に手を当て、何かを考え込むような仕草をとります。


「……一つ、本当に特別なものなら心あたりがあるよ」

「本当ですか!?」


 私は身を乗り出してお姉さまに迫ります。


「王都から馬車で三日ほど行った辺りに『白真龍の山』と呼ばれる霊山があるんだ。その頂上付近には、花びらが宝石で出来た花が一面に咲き乱れているらしい。山自体がBランク相当のモンスターがあふれる場所だから、採取が難しくて、かなり貴重な品になっている。私も昔、人に送ったことがあるけれど、とても綺麗な花だったよ」

「そ、そんな花が存在するのですね……」


 宝石で出来た花なんて、ちょっと想像も出来ません。

 というか、そんなものを買って誰かにプレゼントするお姉さまにも驚きです。


「で、その宝石の花にはいくつか伝説があってね。古典英雄教の布教する英雄譚にも登場するぐらいの話なんだけど……白真龍の山を一人で登りきって、花を摘んで、愛する人に送ると、永遠の祝福が与えられるらしい」

「永遠の祝福?」

「ああ。恋人と永久に結ばれるとか、あらゆる不幸から守ってくれるとか。いろんなご利益があるらしいけれど、その辺りは定かじゃない。ただ、一つ言えることがある」


 お姉さまは、真剣な表情で私の顔を見ます。


「リグレット様は、大公家の教育を受け、古典英雄教の元教皇を母に持っている方だ。もちろん、英雄譚に登場する宝石の花の意味だって理解しているはずだよ」

「――っ!」


 私は、お姉さまの言いたいことが分かりました。


「つまり……私がその花を一人で摘んできて、リグにプレゼントすれば、そのとってもロマンチックな意味をリグも理解してくれる、というわけですね?」

「ああ、そういうことさ。それに、伝説にもある愛の花だ。告白で送るプレゼントとして、これ以上相応しいものは無いと思うよ」


 確かに、お姉さまの言う通りです。

 それに宝石の花という見た目も特別な代物です。プレゼントとしての見た目も良いでしょう。

 さらに言えば、もしもご利益というものが本当に存在するならば……ぜひ、あやかりたいものです。

 リグと永遠に結ばれるのでもいいですし、リグを不幸から守ってくれるのでもいいでしょう。


「分かりました! 私、その白真龍の山というところに行くのです! そして、見事宝石の花を摘んでリグにプレゼントしてみせるのです!」


 私はガタリ、と椅子から立ち上がり、宣言します。


「僕らはついていくことはできないけど、応援してるよ。Bランク程度のモンスターなら、ファーリが苦戦することはありえないと思うけど、安全も祈っているよ」

「アタシも応援してるにゃ! がんばるにゃ、ファーリちゃん!」

「ありがとうなのです!」


 こうして、私はプロポーズのプレゼントを山まで取りに行くこととなりました。

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