13 想いの行く先は
アンネちゃんに励ましてもらってから数日後。
私はアンネちゃんとお姉さまの部屋に行き、決めたことについて話をすることにしました。
「で、話っていうのは何かな?」
お姉さまが、ベッドに腰掛けた状態で言います。
その隣にはアンネちゃんも座っています。
私は二人の正面に、椅子を用意して座っています。
面接でもするみたいに、二人と向かい合う形です。
「……お姉さまに注意を受けてから、いろいろ考えてみました。アンネちゃんにも相談してから、もっと考えて、答えを出したのです」
私が何を言おうとしているのか、二人とも察しているのでしょう。
真剣な眼差しで、私の言葉を待ってくれています。
「私は……リグが好きです。大好きです。一人の女性として愛しているのです。この気持ちを――私は、リグに伝えようと思います」
私の決断に、お姉さまはピクリと反応します。けれど、文句は言いませんでした。
「そうか……分かったよ。ファーリが選んだことなら、それが一番だ」
「はい。でも、もう一つ決めたことがあります」
「もう一つ?」
お姉さまは不思議そうに疑問を浮かべます。私は頷いて、答えを返します。
「はい。私は、内乱なんて起こさせません。誰も傷つかないやり方で、正々堂々リグに想いを伝えようと思っているのです」
その言葉に、お姉さまは驚いたような表情になります。
「……それは、どうやってやるつもりかな?」
「わからないのです。これから考えます」
お姉さまは、呆れたような表情を浮かべました。
でも、バカにしているというよりは、何か楽しげでもありました。
「それでも、ファーリは選んだんだね。リグレット様と、誰も傷つかない道の両方を」
「はい。私は、どっちもやりたいのです。どちらかを諦めるなんて、無理なのです。だから、両方追い求めようって、決めたのです」
私は言いながら、決意をさらに強く固めていきます。
こうして決断できたのも、アンネちゃんやお姉さまが私に教えてくれたおかげなのです。
私の、やりたいように。それを何度も、私に伝えてくれました。
決してリグを諦めろとも、逆にリグに告白してしまえ、とも言いませんでした。
要するに、心の持ち方次第だったのです。
私は、自分を切り捨てて、犠牲にするような選択に慣れてしまっています。
こればっかりは、前世の頃から続いてきたことなので、身に染み付いて変わらない気質です。
だからこそ、自然とリグを諦めるか、内乱を起こしてでもリグに告白するか、の二択を考えてしまいました。
ついつい、自分が何かを切り捨てるという選択を選ぼうとしてしまいました。
でも、現実は決して二者択一を繰り返す、ゲームのような世界ではありません。
私はお姉さまやアンネちゃんに言われたとおり、やりたいことをやりたいようにやればいいのです。
リグのことが好き。誰かが傷つくのも嫌だ。
両方とも、私が思っていることなのですから。
私は、両方を選んでしまってもいいのです。
少しだけ、わがままな私になってもいいのです。
「――分かった。それが、ファーリの願いなんだね」
お姉さまは、頷いてこちらに微笑んでくれます。
「私に出来ることなら、何でも手伝うよ」
「アタシももちろん手伝うにゃ!」
お姉さまとアンネちゃんが、私の味方をしてくれます。
それが嬉しくて、私も笑顔になります。
「二人とも、ありがとうなのです!」
そして、お礼を言ってから……もう一つ、最初からするつもりだった話を切り出します。
「それで……早速なのですが、お二人にお願いがあるのです」




