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高宮裕哉は付き合いたい

人間は恋愛を中心に生活している、と俺、高宮裕哉は思う。

勿論結婚や恋愛に興味がない男女もいるだろう。しかし世間では少数派である。

子供の頃から誰が好きだ、誰と付き合いたい、早く結婚したい、などその手の話題は一生つきまとうものである。考えてみればなにも不思議ではない。生物には種の保存を目的とした生殖欲求があるのだから。しかし、ならなぜ人は相手に良い性格や他の要素を求めるのだろうか?俺は未だにその問いに対する答えを探してやまない。この話はそんな私が学生のときに体験した出来事である。つまらないかもしれないが聞いてほしい。きっと君たちの役に立つ筈だから。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


俺は今年で中学3年生になる。

春といえばクラス替えで盛り上がるのが普通だろうが俺たちにそんなことは無縁だ。

何故なら俺の通う中学には1学年に2クラスしか存在せず、ほぼ同じようなものだからである。


昇降口に貼り出されたクラス分けの紙を見た俺はA組である事を確認し、教室へ向かう。


席に座って考え事をしているとドタバタと足音が聞こえてきた。



「高宮〜!またおんなじクラスだな!

これからもよろしくゥ!!」


「お前と一緒のクラスとか嬉しくねぇな。」


このテンションがやけに高い男は俺の親友の菅井である。所謂腐れ縁というやつで毎年同じクラスなの最近はこいつがいるのに慣れてきている自分がいる。

ちなみに菅井は12人しかいないサッカー部で下級生にレギュラーを取られて独りベンチという悲しい男だ。

可哀想な菅井。がんばれ菅井。


菅井と話している内に人が集まってきたようであたりが騒がしい。

そうしていると隣の席に人が座ったようだ。


「あ、高宮君。今年も同じクラスなんだね。

また色々とよろしく!」


こう話しかけてきたのは司崎佳奈。みんなの人気者であり、そして俺の想い人でもある。彼女は学級委員を務めていたこともあり真面目だと思われがちだが実は面倒くさがり屋でありゆるい性格をしている。そんな所も俺の好きな所だ。



「司崎は今年も学級委員やるのか?」


「うーん、ホントはやりたくないんだけど…

今年受験だから成績あげないとまずいし…

やるしかないかなぁ。」


司崎はこう話すが彼女の成績はトップクラスであり、俺からするとこれ以上あげてどうするんだというレベルだがまだ上げようとしているらしい。

まあこう司崎か思うのも「アイツ」がいるからなのだろう。



「おはよう高宮さん。また1年間よろしくね?」


ちょうど今話しかけてきたのが「アイツ」こと涼宮芽依だ。彼女は学年トップの天才でしかも才色兼備、スポーツもできてテニス部の部長というんだからすごい話だ。

ここまでくると皆に嫌われそうだが本人の性格が良く、欠点も見当たらないため僻むこともできずみんなの好感度は上がるばかりだ。


「はーいみんな席について」


担任らしき先生にこう言われホームルームが始まる。

3年生だから受験があり云々などと言っているが俺には知ったことではない。


そう、この俺高宮裕哉には目標がある。

それは今年中に司崎に告白することだ。



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