第一章Ⅲ
程なくして迎の車がきた。その車の運転席から女性が1人現れた。金色に輝くウェーブのかかった髪で左目の下にほくろがあった。
「もぅ!人使い荒いわよ!こっちはさっき依頼が終わったところなのに……」
「悪かったわよ。でもそうなったのは犯人のせいだから。」
そう言うと美久はさっき車を投げ飛ばした犯人の男を指さしていた。男はさっきのエクスキューターのダメージにより喋ることすらできず。、ただ俯いていた。
「あら、そう…ってそういう問題じゃないわよ…
あれ?そっちの方は?」
そう言うと女性は、亮一のほうを見て美久に訪ねた。
「あぁ、この人は、今日からガーディアンで働くことになった。狩人の司馬亮一さんよ。」
美久は同僚の女性に亮一について簡単に自己紹介をした。ジロジロと見られたので亮一は少し恥ずかしくなったが、自分からも自己紹介をした。
「はじめまして。俺は司馬亮一と言います。本土からやってきた狩人です。よろしくお願いします。」
亮一は丁寧に自己紹介をした。すると、女性は驚きの表情をして亮一を見ていた……なんでさっきからあんなにジロジロ見られるのだろう?と考えていたが、彼女は口を開いてこう言った。
「もしかして………吸血鬼狩りの悪魔の二つ名をもつ司馬亮一さんですか!?」
そう言うとその女性は目を輝かせて頬を赤らめさせ亮一のほうを見ていた。
(なんだなんだ?この人どうしたんだよ。)
亮一は反応に驚いていた。
「あ、まだ名前を名乗っていませんでしたね!
私は芦沼聖歌です!歳は18です! 私吸血鬼狩りの悪魔の亮一さんのこととても尊敬してるんですよ!!
あとでサインください!!」
なるほど、芦沼聖歌という女性は恐らくファンであろうか。有名アイドルと出会った時のような感じである。そればかりか、かなりグイグイと迫り、亮一の方が気を圧倒されていた。
「俺のこと知ってるんだね?でもどうして?」
普通、狩人は仕事や依頼など以外ではあまり表立って行動をしないためその存在を知っているのは国土公安局やその関係者くらいしかいない。
だから彼女のような反応をされるのは、はじめてであるのだ。
「私、亮一さんに憧れて狩人になったんです!まだ新人ですけど立派な狩人になりたいと考えています!」
元気な声で答えた。動機としては、亮一に憧れてなったと言ったが…それは恐らく本土での俺の仕事を見たことがあるのだろう…と自分なりに分析をしてみた。
「俺のことを見たことはある?例えば…本土とかで?…」
「はい!勿論ですよ!特に印象に残ったのは鳥かご事件です!」
聖歌は筋金入りのファンであるということが十分にわかった。亮一自身自分が解決した事件の名前を国土公安局の人間以外が知っていことに驚いていた。
(正直嬉しいなぁ〜こんな可愛い人が俺のファンだなんて…)
目の前の聖歌を見て不純な考えを持ってしまった。
すると、今まで2人の話を聞いていた美久が突然割り込んできた。
「あのー、2人で楽しく喋ってるところ悪いけど、さっさと本部戻らないとまたあの人に怒られるわよ?」
「あ!そうだった……じゃあ急ぎましょう!」
そう言うと3人+犯罪者1人は新しくきた車に乗ることにした。
黒塗りの高級車のような機体は、ガーディアンの保有している車両である。当然、壊してしまうと、弁償なので大変なことになる………さっきの車も例外ではない。
「あーあ、この男のせいで始末書書かないといけないなんて………本当最悪…………」
美久はさっきの戦闘において大破した車の始末書を書かなければならない。犯人のせいで、
そうして、深くため息をついて後ろでグッタリしている犯人を恨めしそうに見つめていた。
それから20分ほど経過した後、ようやくガーディアン本部についた。本部は25階立ての高層ビルである。
そして車を車庫に入れて、中へと入っていた。
「へぇー、結構広いなぁ。それにとても手入れが行き届いている。」
フロントを見ると、まるで高級ホテルを思わせるフロントであり、その圧倒的な存在感に亮一は少し感動していた。
「さて、犯人を引き渡しましょう。」
美久がそう言うと、留置所へと向かった。
このフロントから左のほうを真っ直ぐ行き地下へ進むと留置所はある。地下のスペースはすべて犯人たちの檻となっている。
そして、留置所のドアに立っている職員に犯人を引渡し、自分たちの職場へと向かった。
都市治安管理局 第二刑事課
と名札が書かれていた。
今日からここに配属されるのだな。と亮一は思った。
ドアを開けると2,3人ほどしかおらず皆出払っていた。
そのうちの1人が
「お、 おかえり〜。あれ〜?その人は?」
子供のように無邪気に1人の少女が見慣れない人間である亮一について聞いていきた。
身長はおそらく150ほどで高くはないものの
出るところしっかり出ていた。
「はじめまして。今日からここに配属されました。
狩人の司馬亮一です。よろしく!」
「へえ〜〜〜。新しい人かぁ〜。賑やかになるね!!」
質問してきた彼女は新人である亮一を歓迎していた。
残りの人も亮一を歓迎した。
「そういや、私の名前名乗ってないね。
私は有原由紀。吸血鬼だよ!よろしくね!司馬さん!!」
無邪気な笑顔で亮一を見ていた。その顔に亮一自身ドキッとした。こんな可愛い人たちがいるなんて…
移動してきて良かった〜〜〜!!。そんなことを考えていた。
まぁ前の職場は藤堂さん以外ほとんどむさいおっさんとかしかいなかったから当然だろう。
大雑把なところが少しある吸血鬼
朝比奈美久
亮一のファンである狩人
芦沼聖歌
小さくてマスコットのような吸血鬼
有原由紀
なかなか癖のある人間や吸血鬼がいるが………
こうして司馬亮一の水上の都での新しい生活が始まった!!!!