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みことエッセイ  作者: 奈月遥
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田の白金

田の白金【たのしらかね、田白金】

命を支える米を、なによりも尊厳な宝として称えた未言。

畑黄金はたこがねは麦のこと。

 この世でなによりも大切で尊いものは、いのち。

 

 命は、この宇宙の全ての金銀財宝貨幣資本を集めたものよりも、遥かに重い。

 その命を支えるのは、毎日のごはん。

 当たり前のこと、それは裏返せば、欠かせないこと。

 ともすれば、繰り返しの日々の中で、オートマチックにルーチンにこなされていってしまうけれど。

 だからといって、ありふれているからといって、ごはんの価値が低くなるわけがない。

 ひとつがとても大事なんだから、何千回何万回と行われても、価値は薄らぐんじゃなくて、積み重なっていく。

 そんな、わたしたちの命を支えてくれる、たった一粒のお米。

 お米は、麦、とうもろこしと並ぶ世界三大穀物であって、それでいてその中で一番エネルギー単価が高いという。つまり、お米は麦やとうもろこしよりも多くの人を生かしていけるというのだ。

 そのお米ができるのには、八十八の苦労を農家の方が重ねていらっしゃる。農家の人が骨身を粉にして働いて、それをたくさんの人が運び、お母さんが美味しく炊いてくれて。

 そうして、あのほんのりと甘くて、暖かくて、ついついお箸が止まらなくなるごはんになるの。

 その価値は、金よりも高く。

 その価値は、金よりもさらに貴重な。

 その価値は、金よりもなお不動のもので。

 それを例えるのなら、田の白金――金属の中で黄金を越える存在であるプラチナこそ相応しい。

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