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みことエッセイ  作者: 奈月遥
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山駆けの

山駆けの【やまがけの、山駆ける】

「箱根」や「駅伝」にかかる枕詞。

 今年は、箱根駅伝にわたしの母校が初出場した。

 天下の嶮を駆ける青年の躍動。

 迸る情熱を足に伝えて、走り続ける。

 その中で、トップ争いに食いついていたのに、足を止めてしまった選手がいた。

 息も絶え絶えに道路に崩れ落ちて、しかし、また立ち上がった。

 懸命に全身の力を掻き集め、振り絞り、足を奮い立たせる。

 遅くとも、一歩を踏み出し、また足を踏み出し、踏み出し続けて、また山を駆ける。

 他の選手に抜かれながらも、最後まで走り切り、ゴールを越えた。

 その直前で、何度も倒れかけて、地面に手を突きながらも、ゴールを越えた。

 なんて、勇ましい姿だろうか。

 最後まで諦めずに、仲間のために襷を繋いだ。

 仲間は走り切って倒れた戦友を、大切に抱えて運んで行った。

 友情とは、絆とは、この姿を指して言うのだろう。


 そして、遅ればせながらも、わたしの母校がゴールへ辿り着いた。

 ゴールを越えて、来た道を振り返った。

 背筋を伸ばし、一礼。

 

 山駆けの箱根には、青年の雄姿が刻まれている。

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