まえがき
未言とは、「未だ言にあらず」――わたし、奈月遥のお手製造語のことです。
未言を創り始めたきっかけは、わたしが親しくしているとある子が、「造語を使って短歌を詠む企画があるけど、造語ってむずかしい!」と言ったこと。
わたしは元々、小説や詩で造語というか、「自分の言い回し」をするのが好きだったので。
「それなら、わたしが考えたの、使っていいよ」
というわけで、せっかくそんなことをやるなら、がっつりと、大げさに言うならライフワークになるようなものにしたいな、と思ったのです。
わたしの胸の内にある言葉。まだだれかに伝えられない言葉。
だれも使ったことのない言葉。まだ世界にこぼれてない言葉。
それがだれかの心に届いたら。
この世界でありふれたものになったら。
そうして、未言から言葉に生まれ変わってくれたら、嬉しい。
そんな未言たちの誕生秘話や情景をエッセイにまとめてみました。
どうか、楽しんでもらえたら、うれしいです。
そして、あなたが日常や創作の中で使ってくれたら、なおさら。
では、どうぞ、ページをめくって未言の世界へおいでくださいまし。
奈月遥




