6話 条件
今まで騒がしかった教室も今では静まり返っていた
その中で最初に動き出したのはラッシュであった。
「ちょっと!なんでFクラスが解体されなきゃいけないんですか?」
ラッシュはいつもの落ち着きが嘘のように
机から身を乗り出しレイラに聞いた
「ごめんなさい、今日の会議で教頭先生がいきなり
”今では2年生にしかない落ちこぼれのFクラスは我が校の恥だ”なんて言い出してきたの」
レイラの表情は未だに悔しさを隠そうとしない
「でも、それじゃあ、俺達はどうなってしまうんですか!」
「教頭先生が言うには”Fクラスの生徒は学園から追い出すべきだ”そうよ」
「じゃあ、俺達は今日で退学ですか?」
いくらか怒鳴って落ち着いたのかラッシュは冷静になって聞いた
「そうなるわね。けどひとつだけ学園に残るための方法を学園長が
提示してくれたわ」
ラッシュは今の発言に嬉しそうな表情をしたが
レイラの表情は冴えずに次の言葉を出そうと口を開くが
すぐに閉じてしまう。そんな雰囲気を消そうと
今まで黙って聞いていたグレイが口を開いた
「どうせ、なんかの依頼をやれとかでしょ
死んでも依頼中の事故になるし、学園からも追い出せるってことで」
グレイの言ったことが図星だったのかレイラは驚きの表情を見せたが
すぐに喋り始めた
「そうよ、あなたたちに与えられたチャンスはAランクの依頼
シルバーウルフの討伐で成功したら学園に残れるそうよ」
シルバーウルフ白銀の毛を身に纏った体長5M程の狼で移動速度が速く
氷属性の魔法を使うためAランクのものでもパーティーを組んで挑む相手である
「ふーん、シルバーウルフかぁ~」
「私はやって欲しくないと思っているわ、でも決めるのはあなた達よ。
依頼が始まるのは明日だから今日は帰ってゆっくり考えてみるといいわ」
レイラは優しく言うがグレイたちは
「そんな考えるまでもねーよ。俺は絶対受けるぜ。
ラッシュはどうするよ?」
「俺も当然受けるね。まだこの学園でやりたいこともあるしさ
グレイ一人じゃ危なっかしいよ」
グレイたちの答えは既に決まっていた。
「そう。本当にいいのね?」
「「おう!!」」
レイラも自分たちで決めたのならしょうがないと思い
明日は快く送り出そうと思っていた。
そしてグレイたちは家に帰り明日に備え始めた