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最強チートで無双してるのに、美人で可愛くてスタイル抜群な三人のヒロインから“キモいセクハラ野郎”と罵られ続ける俺の異世界冒険記  作者: トワイライト
第1章 異世界転移&チート持ち──確かにハーレムだけど、想像してたやつと全然違った件

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第15話 チートで超高級レストラン突破──三人の美少女に“特製ドレス”を着せて連れ出す夜

 約束の十八時より少し早く、カナタはギルド前の石畳に足を下ろした。

 夕刻の風は涼しく、街灯に魔石の光がゆらりと灯り始めている。


(……レストランで雑談でもすれば、少しは仲良くなるだろ……)


 胸の内にはただ楽しみだけがふわりと浮かび、カナタは気楽に三人を待っていた。


 そんな思いを抱えながら待つこと数分。


 ──コツ、コツ。


 三つの軽やかな足音が石畳を叩き、カナタの前に三人が姿を現した。


 全員、昼の遭遇戦の疲労がうっすら残っているものの、表情の引き締まり方は依然として鋭い。

 警戒は解いていない。それでも──約束を守って来た。


「……来たわね。逃げなくて偉いじゃない」


 エステルが腕を組み、相変わらず疑いの視線を向けてくる。


(なんでこいつはこんな強気なんだ……?)


 喉まで出かかった言葉を押し戻し、カナタは気持ちを切り替える。


(サーチ)


 そう思った瞬間──


 ──ピコン。


 視界に、淡い青色のウィンドウが縦に展開された。

 そのまま“この街で最も豪華なレストラン”の検索が自動で開始される。


 【SEARCH:ハイエンド食事処】

 ▷ 店名:〈ロイヤル・グラン=イグニス〉

 ▷ 場所:高級街エリア北端

 ▷ 推定所要時間:徒歩約5分


(なんか……めっちゃ高そうな名前だな、これ……)


 表示を確認し、カナタはそっとウィンドウを閉じる。


「じゃあさ、“ロイヤル・グラン=イグニス”って店にしようと思ってるんだけど……いい?」


 三人の表情がぴくりと揃って動いた。


 まずリヴィアの瞳がわずかに開き、エステルが眉を跳ね上げ、セラフィナが小さく瞬く。


「……それ、本当に言ってる……?」


 エステルが驚きを隠しきれない声で呟く。


「確かに……この街で一番格式の高いお店です。」


 セラフィナが補足すると、エステルも渋々頷いた。


「……まあ、文句なしで“一番高い”わね。認めるわよ」


(まあ金はチートで無限なんだし、どんだけ高かろうと関係ねぇよな……)


 カナタが軽く息を吐くと、

 ウィンドウの下部に表示されたナビゲーション矢印が、北方向へふわりと伸びた。


「じゃ、行くか」


 エステルは(いぶか)しげに目を細めたが、三人とも黙ってついてくる。


 こうしてカナタは、矢印に導かれるように、高級街へ向けて歩き出した。

 夕暮れの風が三人の髪を揺らし、街灯の魔石が少しずつ明るさを増していく。


 沈黙が続いたその時、エステルが横目でカナタを睨めつけながら口を開いた。


「ひとつ聞くけど……その店がどういうところか知ってるの?」


「いや、知らないけど」


 カナタはあっさり答えた。

 隠すほどのことでもない。そもそも“場所と名前さえわかればなんとかなる”と思っている。


 だがその素直な返答に、エステルの眉が一段鋭くなった。


「……やっぱりあんた、大貴族の息子とかじゃないの?

 この街に来て数日で、スキルも謎だらけで……全部マジックアイテムでごまかしてるとかでしょ?」


(大貴族……? なんでそう飛ぶんだよ)


 そう思いつつも、カナタは淡々と返す。


「なんでそう思うんだ?」


 エステルは呆れを隠さず、肩をすくめた。


「“ロイヤル・グラン=イグニス”って、会員限定の完全予約制よ?

 普通の冒険者が行ける場所なんかじゃないの。

 そもそも予約なんて何ヶ月も前から埋まってるって話だし……」


「……え? 予約制?」


 カナタは思わず足を止めかける。


(……あ、そういうパターン!?

 予約制とか、そんな仕組みがあるなんて、全然考えもしなかったな……

 日本でも予約制の高級店なんて行ったことないし……完全にノーマークだった……)


 三人の視線が一斉に向けられる。

 その表情は──


「「「(はい、終わった)」」」


 と言わんばかりに冷たかった。


 エステルが勝ち誇ったように言う。


「ほら、行けないでしょ!?

 約束守れなくて、契約魔法発動ってわけね!」


(……いやいや、待て。まだ終わってねぇ)


 カナタは内心で即座に別の道筋を探る。


(金ならいくらでも作れる。

 予約? 門番? 会員? そんなの全部……“大口寄付者”って扱いにすればどうとでもなるだろ)


 脳内で高速に計算が走る。


(……よし。寄付扱いで大金渡して、強引にでも通すか。

 チートと現金パワーの合わせ技なら……絶対何とかなる)


 そう決めると、カナタの顔にはごく自然な笑みが浮かんだ。


「まあ、大丈夫。任せとけって」


 エステルが鼻で笑う。


「その自信どっから出てくるのよ……」


 だがカナタは平然と前を向き、ウィンドウが示す矢印の先へと歩き続けた。


 しばらく歩いていると、エステルがふいにこちらを向き、鋭い視線を投げた。


「そういえば……あんた、名前は?」


「……あ」


 カナタは一瞬だけ固まった。

 そういえば、助けたときから今まで──一度も名乗ってなかった。


「カナタ。……ただの冒険者」


 あくまで軽く、余計な情報は与えない調子で名乗る。


 だがエステルは納得した顔をしないまま、畳みかけるように質問を続けた。


「ランクは? スキル構成は?」


(おいおい、いきなりそれ聞いてくんのかよ……)


 カナタは表情を変えず、淡々とかわす。


「……えっと……まあ、そのへんは追々ってことで」


「……また誤魔化した!」


 エステルがむっと唇を尖らせるが、カナタはスルーする。

 深入りされるほど困る内容ばかりだ。


 そのまま五分ほど歩き続けると──

 周囲の空気が一変した。


 街並みが突然、石畳の質から建物の素材までひとつ上の階級へと跳ね上がる。

 魔石灯は宝石のように輝き、通りを歩く人々の服装も上品そのものだ。


「……ここ、高級街ね……」


 リヴィアが小さく呟く。

 三人の肩に、わずかな緊張が走るのが分かった。


 そして──ウィンドウで示された目的地が視界に入る。


 〈ロイヤル・グラン=イグニス〉。


 見るからに“金持ち専用”と言わんばかりの重厚な建物が、夜の光に照らされて存在感を放っている。

 鎧こそ着ていないが、筋肉の厚みは冒険者上位クラス。

 腰の剣もただの飾りではないことが一目で分かる。


(……本気で高級店ってやつか)


 カナタは軽く息を吐き、三人を振り返った。


 三人の目は、建物の威圧感にわずかに見開かれていた。

 だが同時に──“本当に入れるの?”と疑いを隠していない視線でもある。


「じゃあ、ちょっと話をつけてくるから。ここで待ってて」


 カナタは三人に軽く手を振り、堂々とレストラン入口へ向かった。

 背後でエステルが「絶対無理よ……」と呟くのが聞こえたが、気にしない。


 入口の両脇には、屈強な男が二人。

 どちらも並の冒険者では歯が立たない腕っぷしを持っているのが一目で分かる。


「すみません。ここ、入れますか?」


 カナタが声をかけると、警備の一人が淡々と答えた。


「予約はされていますか?」


「してません」


「では入れません」


 あまりにも即答すぎて、逆に気持ちがいいほどだ。


(……まあ、想定内だな)


 カナタは軽く頷き──懐から10万G貨幣をひょいと取り出した。


「これで、なんとかならない?」


 警備は眉ひとつ動かさず答えた。


「無理です」


 次の瞬間、カナタはさらに一歩踏み込み、声を落とした。


「じゃあ……この店に寄付したいんだけど。責任者に会わせてもらえる?」


「寄付であっても、責任者には会えません」


 再び即答。

 さすが高級店の警備、ブレない。


(よし、じゃあ次だな)


 カナタは腕を組んで軽く首をかしげ──

 100万G貨幣を取り出して手の甲で弾いて見せた。


「この“チップ”をあなたたちに渡すとして……話だけ、通してくれないかな?」


 警備Aの喉がごくりと鳴る。


「……わかりました」


「おいおい、勝手に決めるなよ。」


「俺たちも多少もらったっていいだろ?」


「……まあ、それもそうか……」


 カナタは笑って、二人の掌にそれぞれ100万Gずつ置いた。


「もちろん。二人ともお疲れさま」


 二人の表情が一斉にほぐれる。


「では、こちらへどうぞ」


 案内され、重厚な扉を抜けると、店の奥にある事務室へ通された。

 壁には精緻(せいち)な魔導絵画、机は黒檀(こくたん)の魔木、室内はすべて高級そのものだ。


 そこに座っていた中年の男──責任者が、落ち着いた口調で言った。


「寄付……とは、どの程度をお考えで?」


「そうですね。10億Gくらいで」


 責任者の手が一瞬止まり、目がわずかに見開かれた。

 しかしすぐに表情を整え、微笑みを作る。


「……それは大変ありがたい申し出です」


 そう言いながら、責任者は少しだけ身を乗り出す。


「その……お恥ずかしいのですが、私にも……いくらか……?」


「もちろんです」


 カナタは慣れた手つきで1000万Gを差し出す。

 責任者は震える手で受け取り、深々と頭を下げた。


「……望みは何でしょう?」


「今日、このレストランに入れてほしい。それだけです」


 責任者は一瞬だけ考え──すぐに頷いた。


「問題ありません。すぐに手配いたします」


 だが同時に、ふとカナタの服装を見て、困ったように眉を寄せた。


「ただ……その服装では入店できません。

 相応の正装が必要になります」


「わかりました」


 カナタはあっさり頷いた。

 服などチートを使えばどうとでもなる。


 こうして、入店許可はあっさりと確定した。


 責任者から「十九時にご案内いたします」と丁寧に頭を下げられ、カナタはそのままレストランを後にした。


 外に出ると、少し離れた場所で三人が並んで待っていた。

 エステルは腕を組み、完全に勝ちを確信したような顔でカナタを睨む。


「で? どうだったの?」


 声の調子は「ほら言ってみなさいよ、無理だったんでしょ?」と書いてある。


 カナタはあっさり答えた。


「入れる」


「「「……は?」」」


 三人の声が見事に重なった。

 その目は「理解不能」「意味不明」「絶対嘘」と揃って語っている。


 エステルが眉をひそめて詰め寄る。


「……嘘。絶対に嘘。会員制なのよ?

 しかも完全予約制なのよ? “今日”なんて絶対ありえないのよ!?」


「本当だよ。十九時に案内してもらえる」


 まるで天気の話でもしているように淡々と告げると──三人の思考が一瞬止まったように沈黙した。


 リヴィアが小さく唇を開く。


「……本当に? だって予約は……」


「まあ、そのへんは何とかなったから」


 カナタが軽く肩をすくめた瞬間、


「何とかなったって……どうやって……?」


 セラフィナが珍しく素で困惑している。

 しかしカナタは深く説明するつもりはない。チートは秘密だ。


「ただし──」


 三人の視線が一気にカナタへ集中する。


「その服じゃ入れないってさ」


「…………は?」


 今度はエステルが固まった。

 カナタは紙袋を三つ、ヒロインたちの前へ差し出す。


「はい。これ、必要になるから」


 リヴィアが恐る恐る紙袋を開け──

 エステルが完全に固まり──

 セラフィナが手に持った布の質感に目を丸くした。


 中には、それぞれの体格に合わせた高級ドレスが入っている。


「ちょ、ちょっと……これ……本物の……高級ドレスじゃない……?」


 エステルが思わず声を裏返す。


「十九時にここ集合で。着替えてきてね」


 あまりにも普通の調子で告げるカナタに、三人は反応できない。

 ただ、手にした紙袋の重みに──この状況が本当に現実らしいと理解し始めている。


「……っ、わ、わかったわよ……!」


 エステルが真っ赤になりながら一歩下がり、

 リヴィアは困惑したまま頷き、

 セラフィナは戸惑いながらも静かに了承する。


 三人はまだ半信半疑のまま、紙袋を抱えて固まっていた。


(……これで準備完了だな)


 カナタは軽く手を振り、三人が去っていく姿を見送った。

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