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私たち、惜しい2人です。  作者: みもざちゃん


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7/20

私たち、分からないんです。(1)

佐藤華さとうはな:どこにでもいる平凡な女子高校生。2年1組。いつもポニーテールをしていて身長は少し低め。部活は家庭調理部。成績も運動もまあまあ。なぜか亮太のことが気になっている。少女漫画をたくさん読んでいてロマンティックな展開をいつも期待している。

鈴木亮太すずきりょうた:どこにでもいる平凡な男子高校生。2年1組。短髪で中肉中背の体格。部活はバスケ部だが、ベンチを温めている。成績も運動もまあまあ。

高橋優香たかはしゆうか:華の小学生からの幼馴染で親友。同じクラス。成績優秀だが、運動は苦手。部活は吹奏楽部。

田中遥人たなかはると:亮太の小学生からの幼馴染で親友。同じクラス。運動は学年でもトップクラスだが、勉強は苦手。部活は野球部。

立石直哉たていしなおや:クラスのムードメーカー。お調子者男子軍団のリーダー的存在。

渡辺先生:2年1組の担任の先生。新人でもベテランでもない男性教師。

「ううん、佐藤さんが突然カレー食べたの思い出しちゃって。」

(えええ!!!私のことで思い出し笑いしてたの!?私のこと思い出してくれたってことは恋の始まりの予感が…!)

私が何も言わずに固まってると、亮太くんは私の顔を覗き込んで微笑んだ。

「やっぱり面白いね、佐藤さんって。」

亮太くんのいたずらっぽい笑顔は純粋であどけなくてとにかく可愛かった。私は胸の鼓動がますます高まっていくのを感じながら彼の笑顔をじっと眺めていた。


私は彼の笑顔に赤面したまま、足を止めずに駅へ歩いた。亮太くんは私の歩く速さが速くなったのに合わせて横に付いてきてくれている。

「駅に行ったら、学習できる施設とかあるか調べてみる?」

亮太くんが尋ねてきたので、私は大きく頷いた。

「そうだね。カレー屋さんにあった方面にはなかったっぽいから、逆の方向に行ったら何かあるかもしれないね。」

「カレー屋さんの方面のこと、調べてくれてたの?」

亮太くんが驚いたように言うので、私は「うん。」と微笑んだ。

「ありがとう。いつも佐藤さんに助けられるな。」

少し照れくさそうに頭を掻いた亮太くんの横顔を昼間の日差しが照らしている。

(いつも…?いつも助けられてるってどういうこと!?もしかして、私に何かしてもらった記憶があるのかな…?私が覚えてないはずないのになぁ。)

私が黙り込んでいると、亮太くんも何も言わなくなってしまった。無言のまま駅に着いて、私たちは改札前にあるベンチに腰を下ろした。5分ほどスマホと睨めっこしていると、亮太くんが口を開いた。

「なんか、歩いて10分のところに科学館があるよ。行ってみる?」

(亮太くんってサーチ力もすごい…!私、全然気付かなかった!)

私は何度も頷いて「行ってみよう!」と叫んだ。亮太くんは微笑んで立ち上がった。

「佐藤さんがそう言うなら、行くしかないね。」

私はキョトンとして亮太くんを見上げる。

(…え?それって私が行きたいところならどこでも行ってくれるってこと!?これはもう、君が行きたい場所ならどこまでもお供するという愛のメッセージなのでは…!?)

亮太くんが不思議そうな眼差しで見始めたので、私は慌てて立ち上がった。

さっき行った方向と逆の道を歩いていくと、そこにはガラス張りの立派な建物が建っていた。入る前からワクワクする外観である。

科学館にはプラネタリウムがあるという看板が置いてあった。

(プラネタリウム…最後に見たのいつだろう。小学生の頃は科学館に結構遊びに行ってたかもしれないけど、あんまり記憶がはっきりしてない。)

「プラネタリウム、見てもいい?」

亮太くんが横からボソッと言った。私がハッとしてすぐに頷くと、亮太くんは嬉しそうに微笑んだ。

それから私たちはメモも取りながら科学館を一通り見て回った。亮太くんが気になるところを学芸員さんにたくさん質問してくれて、かなり勉強になった。私は勉強熱心な亮太くんに強く心を打たれた。

(私は人に質問するの苦手なタイプだけど、亮太くんは気になったら質問してちゃんと解決しててすごい…!めっちゃ頼もしい…!)

私が目を輝かせて亮太くんを見ていると、彼は首を傾げて笑った。

「どうした?」

「え!?えっと…そろそろ時間的にも見に行った方がいいかなと思って。プラネタリウム。」

私が入口の方を指さすと、亮太くんは「本当だね。」と腕時計を見た。

プラネタリウムにはお客さんが少なくてほとんど貸切状態だった。こじんまりした空間で隣り合う席がかなり近い。

(ええ、どうしよう、亮太くんとの距離がこんなに縮んじゃうなんてやばすぎる!不意に手が触れあって手繋いじゃう…みたいな展開じゃない!?)

私が頭の中でいろいろ考えていると、アナウンスが鳴って一気に暗くなった。それから一瞬にして綺麗な星空が浮かび上がった。

「うわぁ…綺麗!」

思わず言葉を漏らすと、亮太くんが私の方を見て微笑んだ。

「すごい綺麗だね。」

亮太くんの笑顔を見ると、どうしても胸の鼓動が速くなってしまう。

(星空よりも…亮太くんの笑顔の方が綺麗だよ。どの星よりも輝いてる。)

私は幸せな気持ちで胸がいっぱいになった。亮太くんと2人で見れていること自体が私にとってどれだけ嬉しいことか言葉では言い表せないほどだった。

その気持ちと裏腹に私は突然目が開かなくなった。少しずつ瞼が重くなっていつの間にか目の前が真っ暗になってしまった。


「…佐藤さん、佐藤さん!起きて起きて。」

亮太くんの声が遠くの方から聞こえてくる。私がゆっくり目を開くと、目の前に亮太くんの心配そうな顔があった。

(う…うわあ!近い、近いって!…っていうか、なんで起きてって言うの?星空を見てたはずなんだけど…。)

私がキョトンとしていると、亮太くんがいたずらっぽく笑った。

「佐藤さん、いつから寝ちゃったの?」

(え、私…寝てたの!?)

私は目を丸くしながら苦笑いした。

「あー、うーんっとね、たぶん開始5分くらいで意識がなくなったかな。睡魔に勝てなかったね。あははは…。」

「爆睡してたもんね。」

亮太くんの言葉に私は赤面するしかなかった。

(亮太くんの前で寝てたなんて信じられないんだけど…!しかも2人で見に来てるのに爆睡してるなんてやばいやつじゃん!それに寝顔見られたってことでしょ!?恥ずかしい…変な顔してたらどうしよう…!!!)

私が眉を八の字にしてると、亮太くんは私の顔をじーっと見つめてきた。

(なんでそんなに見てくるの!?もしかして寝顔について何か言われる!?可愛かったよとか?少女漫画なら絶対そんなセリフになるはず…!!!)

私がドギマギしてると、亮太くんが口を開いた。

「顔に跡が付いてるよ。」

「あ…跡?」

「うん、席に寄りかかってたみたいで縦線が顔に付いてるよ。くっきり。」

(穴があったら…入りたい…!!!今までの人生で1番恥ずかしいかも…。)

私は恥ずかしさのあまり勢いよく立ち上がった。両手を頬に当てて黙っていると、亮太くんはニコッと笑った。

「冗談、冗談。跡付きそうだったけど、大丈夫だったね。良かったよ。」

「跡付きそうだったって…どういうこと?」

私が恐る恐る聞くと、亮太くんは「何でもない。」と言ってはぐらかした。

(めっちゃ気になる…!もしかして、でっかいいびきかいて寝てたり、よだれ垂らして寝てたりしたんじゃないよね!?私、大丈夫だったかな…。)

「電車の時間あるから、駅に戻ろう。」

「あ…うん。そうだね。」

亮太くんと私はまた来た道をそのまま戻って行った。

科学館の感想は言い合ったが、跡が付きそうだったことに関しては何にも触れることができないまま駅に着いた。駅にはさっきよりも人が多くいた。電車が間もなく到着するアナウンスが流れると、亮太くんがボソッと呟いた。

「そういえば…言い忘れてたけど。佐藤さん、寝てるとき変じゃなかったよ。」

「変じゃ…なかった?」

「うん、なんて言うかその…。」

亮太くんがごもると、ちょうど電車が到着した。亮太くんが言った続きの言葉がかき消されてしまった。

「亮太くん、なんて言ったの…?電車の音で聞こえなくて。」

電車に乗り込んでから聞くと、亮太くんはまた「何でもない。」と言ってはぐらかした。

(ええー!言わないんかい!!!さっきのも今のもめっちゃ気になる…今日は眠れなそうだな…。)

それから亮太くんは私の目を見ないで、車窓からじっと景色を見つめているだけだった。何だか変な感じだった。


つづく

亮太くんは華に何を言ったのか気になりますね(笑)

次回も乞うご期待です!ぜひご覧ください♬

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