表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私たち、惜しい2人です。  作者: みもざちゃん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/20

私たち、変わらないんです。(3)

佐藤華さとうはな:どこにでもいる平凡な女子高校生。2年1組。いつもポニーテールをしていて身長は少し低め。部活は家庭調理部。成績も運動もまあまあ。なぜか亮太のことが気になっている。少女漫画をたくさん読んでいてロマンティックな展開をいつも期待している。

鈴木亮太すずきりょうた:どこにでもいる平凡な男子高校生。2年1組。短髪で中肉中背の体格。部活はバスケ部だが、ベンチを温めている。成績も運動もまあまあ。

高橋優香たかはしゆうか:華の小学生からの幼馴染で親友。同じクラス。成績優秀だが、運動は苦手。部活は吹奏楽部。

田中遥人たなかはると:亮太の小学生からの幼馴染で親友。同じクラス。運動は学年でもトップクラスだが、勉強は苦手。部活は野球部。

立石直哉たていしなおや:クラスのムードメーカー。お調子者男子軍団のリーダー的存在。

渡辺先生:2年1組の担任の先生。新人でもベテランでもない男性教師。

「だって遥人から聞いたけど、去年と同じメンバーなのに突然自己紹介し始めたんでしょ?初めて修学旅行の班で集まった時に。」

(ええ!その話、やっぱり田中くんがしたんだ…!めっちゃ恥ずかしいんだけど!)

私は顔を真っ赤にしながら苦笑するしかない。

「あー、あははは、そうそう。なんかね…たまに変なことしちゃうって言うか。」

「たまにじゃないと思うけどね。」

亮太くんが子どもみたいにいたずらっぽく言った。

(たまにじゃないと思う?それって、どういうことなの?)

私が首を傾げたその時、バックに入れていた私のスマホが振動し始めた。


私はすぐにスマホを手に取って着信ボタンを押した。

「あ…もしもし!優香、ごめん…連絡遅くなっちゃって。」

「いや、こちらこそだよ。大丈夫?今どこにいるの?亮太くんもいるんだよね?」

彼女の心配そうな声に私はすぐに答えた。

「うん。今は駅の近くにいるんだけどね、次の電車が2時間くらい後なの…。」

「そうだよね、私も調べて驚いたよ。たぶんこっちに来ちゃうとホテルに集合する時間に間に合わなくなっちゃうから、ホテルで待ち合わせにしない?2人には本当に申し訳ないんだけど、そっちで何か…何でもいいから事後発表に使えそうなことをしててほしいな!」

私は亮太くんにも聞こえるように途中からスピーカーにして電話をしていた。亮太くんは優香の言葉に大きくうなずいた。

「うん、そうするよ。俺が降りる駅を間違えて佐藤さんのこと巻き込んでしまったんだ。心配かけてごめんってみんなにも伝えてほしい。」

「おーい!亮太にしてはミスるの珍しくねえか。こういう天然な一面もあるんだなぁ。」

「あっはは。これは伝説になったぞ、亮太。」

佐々木くんのふざけた声と斎藤くんの笑い声が聞こえる。優香もスピーカーにして電話してるみたいだ。

「亮太、佐藤さんのこと頼んだぞ。ちゃんとホテルには来ることね。次は降りる駅間違えないように。」

田中くんがからかって言うと、亮太くんは「分かってるって。」と少し拗ねていた。ムキになった表情はとてもあどけない。

(うわー小学生みたいで可愛すぎ…!拗ねたりもするんだな、亮太くん。)

私がうっとりしていると、優香がまた話を続けた。

「じゃあ、17時にホテル集合ね!はぐれないで2人でいるんだよ。またね。」

「うん…分かった!また後ほど。」

電話が終わると、亮太くんが真剣な表情で言った。

「ご飯、食べ行こ。」

「あ…とにかく食べたいのね。そうしようか!」

私はまた彼の後ろに付いて行くことになった。

10分くらい歩くと、住宅街の中に突然小さなカフェが現れた。

「佐藤さんって嫌いな食べ物とかアレルギーとかある?」

亮太くんがハッとしたように振り返る。私が「きのこ以外なら大丈夫。」と答えると、亮太くんは安心したようにニコッと笑った。

「良かった、カレー屋さんみたいだからたぶん大丈夫だと思う。」

亮太くんがお店の扉を開けると、「いらっしゃいませ!」と元気な女性の声が聞こえてきた。私が亮太くんの目の前に腰かけると彼とばっちり目が合って慌てて目を反らした。

(よく考えてみたら、男性と2人きりでご飯食べるの人生初めてなんだけど…!しかも、よりによって亮太くんと2人きりってやばすぎるよ…!)

「今のオススメは野菜カレーライスです。」

美人な店員さんが教えてくれた。値段もお手頃だったので、私たちは野菜カレーライスを注文することにした。

「カレー、久しぶりに食べるな。」

亮太くんがボソッと呟く。独り言なのか、私に言っているつもりなのか、どちらかよく分からない。私が反応に困っていると、亮太くんが不思議そうに私を眺めた。

「大丈夫?なんでそんな困り顔してるの?」

「え!?あ、いやあ…何も困ってないよ。」

(やばい、亮太くんの洞察力がすごすぎて心を読まれちゃう気がする…。)

動揺している私を見て亮太くんは小さく首を傾げたが、ちょうどいいタイミングでカレーライスがテーブルに届いた。

「お待たせしました、どうぞごゆっくり。」

「ありがとうございます。」

私と亮太くんが同時にお礼を言うと、店員さんがニコニコして私たちを見た。

「2人とも、素敵ですね。」

(これはもしかして…カップルに見間違えられてる感じじゃない!?カップルに間違えられて意識し始めちゃうみたいな…最高じゃん!)

私が店員さんを期待の眼差しで見つめると、彼女は話を続けた。

「本当に素敵な兄弟ですね。憧れるなぁ。」

(きょう…兄弟?なんで?顔似てるわけでもないはずなのに…。)

私の頭の中に大きなクエスチョンマークが浮かぶ。彼女の言葉に亮太くんは冷静に対応した。

「俺たち、兄弟じゃなくて友人です。」

「あら?そうなの!?ごめんなさいね、姉と弟だと思っちゃって。そうじゃなかったら、カップルかと…。」

(やばいやばいやばい!その発言はダメ!店員さん、もうストップして!)

私は慌ててスプーンを手に取り、カレーライスを一口頬張った。亮太くんと店員さんがポカーンとした表情で私を見ている。

「あ…美味しい!あっははは、これは最高のカレーライスだ!最高、最高!」

(うそでしょ、私ったら何言ってるんだろう…。亮太くんに変人に思われちゃう…。)

穴があったら入りたいとはまさにこういう状況なんだろう。亮太くんはまだ唖然としていたが、店員さんは拍手をして大喜びした。

「うわーありがとうございます!最高だなんて恐縮だわ。嬉しい…!本当にお店やってて良かったって今思えたよ。ありがとうございます!」

「い…いえいえ。」

私はまた一口、また一口とカレーライスを食べ進める。もうこうなったら意地でも食べ進めるしかない。亮太くんもようやく食べ始めた。

「とても美味しいです。」

亮太くんの言葉に店員さんはまた大喜びする。私と亮太くんはお腹がペコペコだったので、あっという間にカレーライスを平らげてしまった。

お会計が済んでお店を出ようとすると、店員さんがあめを2つくれた。

「来てくれてありがとう。2人とも気を付けて行ってらっしゃい!」


駅に戻るために私たちは来た道を引き返していた。今度は亮太くんと横並びになって同じ速度で歩いていた。

「あの店員さん、関西弁じゃなかったよね。」

私が亮太くんの言葉に小さく頷くと、亮太くんが突然吹き出した。

(え、なんで急に!?もしかして…店員さん美人だったから楽しくなってるのかな?)

「どうしたの?店員さんのこと?」

思い切って聞いてみたが、私の予想は大外れだった。

「ううん、佐藤さんが突然カレー食べたの思い出しちゃって。」

(えええ!!!私のことで思い出し笑いしてたの!?私のこと思い出してくれたってことは恋の始まりの予感か…!?)

私が何も言わずに固まってると、亮太くんは私の顔を覗き込んで微笑んだ。

「やっぱり面白いね、佐藤さんって。」

亮太くんのいたずらっぽい笑顔は純粋であどけなくてとにかく可愛かった。私は胸の鼓動がますます高まっていくのを感じながら彼の笑顔をじっと眺めていた。


つづく

華ちゃんの可愛い反応が出てきましたよ(笑)

亮太くんも無意識に落としにかかってきてるのでしょうかね…!?(笑)

次回も乞うご期待です♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ