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私たち、惜しい2人です。  作者: みもざちゃん


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20/20

特別編:俺たち、伝えたんです。

佐藤華さとうはな:どこにでもいる平凡な女子高校生。2年1組。いつもポニーテールをしていて身長は少し低め。部活は家庭調理部。成績も運動もまあまあ。なぜか亮太のことが気になっている。少女漫画をたくさん読んでいてロマンティックな展開をいつも期待している。

鈴木亮太すずきりょうた:どこにでもいる平凡な男子高校生。2年1組。短髪で中肉中背の体格。部活はバスケ部だが、ベンチを温めている。成績も運動もまあまあ。

高橋優香たかはしゆうか:華の小学生からの幼馴染で親友。同じクラス。成績優秀だが、運動は苦手。部活は吹奏楽部。

田中遥人すずきはると:亮太の小学生からの幼馴染で親友。同じクラス。運動は学年でもトップクラスだが、勉強は苦手。部活は野球部。

立石直哉たていしなおや:クラスのムードメーカー。お調子者男子軍団のリーダー的存在。

小川茜おがわあかね:クラスの1軍女子グループのリーダー。見た目は可愛くてモデルのようだが、性格があまり良くない。

渡辺先生:2年1組の担任の先生。新人でもベテランでもない男性教師。

(はあ…なんで小川さんと2人だけで図書館に行かないといけないんだろうな…。勉強が目的なわけなさそうだし、何か急用でもあるのか?頼み事?断った方が良かったかもな。)

俺は退屈な気持ちで図書館へ向かう。いつもより自分の足取りが重くてならない。歩いていると、スマホのカメラで自撮りしているカップルがいた。2人で顔をくっつけながら色々なポーズで写真を撮っている。俺はふと、昨日の佐藤さんを思い出した。丁度目が合ったときにカメラのシャッターが切られてしまって、佐藤さんは気まずそうにしていた。

(キョトンとして俺のことを見ていた佐藤さんの顔…。あの時の俺はどんな顔してたんだろう。おかしな顔、してなかったかな。)

俺が変なことを考えて図書館の前で立っていると、「亮太くーん!」と手を振りながら走ってくる女子がいた。小川さんだ。俺が手を挙げると、彼女は息を切らしながら俺の腕を掴んできた。

「はあ、はあ、めっちゃ走ってきちゃった。早く亮太くんに会いたくて。」

(早く俺に会いたい?なんでだ?)

俺が首を傾げると、彼女は腕を引っ張って入口に誘導した。

「早く早く!2人でいれる時間なんだから!」

俺と小川さんは図書館に入ると、自習室に行かずにずっと2人で本棚の間を歩いていた。

(なんか…話と違うな。この時間、何だろう?もう30分くらい経ってないか?)

「あのさ、自習室で勉強は…?」

俺の言葉を遮るように小川さんが声を張って、静かな図書館に響き渡る。

「私っていつも意地悪してるイメージあるでしょ?」

ハッとして「まあね。」と言うと、彼女は眉毛を八の字にした。

「でも、実際は違うの。私って本当は佐藤さんが好きなの。尊敬してるのよ。」

(そ…尊敬?佐藤さんのことを小川さんが?)

俺は唖然としたままで、小川さんの話はまだ続く。

「亮太くんには、私のことどうしても勘違いしてほしくなくて伝えたの。分かってほしかった。私は佐藤さんと仲良くしたいって。でも、佐藤さんが私と距離を置きたがるからすごく困るの。なんか偉そうに話してきた璃して、私の方こそいじめられてるのよ。」

「佐藤さんに…小川さんが?」

俺が驚いたような声を出すと、小川さんは何度もうなずいた。

「そうなの!いきなり睨んできたり、ボソッと悪口言ってきたり。ひどいよね?」

彼女の言葉に俺は黙り込んでしまった。

(なんで…なんで佐藤さんのこと悪く言うんだよ…。佐藤さんはそんな人なんかじゃないのに。いつも周りのことを気にかけて一生懸命なのになんで…。)

「ひどいなぁ…そんなの。」

俺は思わず呟いた。小川さんは水を得た魚のように話を進めていく。

「本当にめっちゃひどいでしょ?だから亮太くんもあんまり関わらない方が身のためだよ?これからは、私と一緒にいて。もっと亮太くんのことを知りたいの。」

彼女は俺の頬を触って上目遣いしている。いやらしい笑顔を浮かべて俺を壁まで追いやった。俺は反射的に彼女を睨んでしまう。

「俺がひどいって言ってるのは…小川さんのことだよ。」

はっきりした声で言うと、彼女は怪訝そうに俺を見た。

「え…?亮太くん、どういうこと?」

「佐藤さんがそんなことするわけないんだ。俺には分かるんだよ、佐藤さんのことが。」

すると、小川さんは俺の手を放して叫んだ。

「なんでそんなにあいつのことしか目に入らないわけ?あんなに地味な女のどこがいいの?ただの友達のくせに、付き合ってもないくせに!!!」

「ただの友達…ではないかな。」

小川さんがこんなに怒鳴っているのに、俺は全く動じずに口を開く。自分でもなんでこんなに言葉が出てくるのか不思議だった。

「少なくとも俺にとっては、ただの友達じゃないよ。」

「じゃあ何?好きなの?彼女にしたいってこと?告白したって、どうせ振られるだろうけどね。それなら私の方に来た方がいいじゃない!!!」

「たしかに俺には自信がない。でも、勝手に決めつけないでほしい。」

俺の言葉に小川さんは何も言えなくなってしまった。彼女は「もういい!」と言い残して、図書館の出口に歩いて行った。

(あれ…もしかして言い過ぎた?でもな…俺は本当のことをちゃんと伝えたわけだし…。)

頭の中が少し混乱していた。自分の伝えたいことを言ったが、もっと良い言い方があったかもしれないと考えてしまう。とその時、どこからかこちらに走ってくる足音が聞こえてきた。音のする方に顔を向けると、メガネとマスクの人が近づいてきた。

(うわ…今度はなんだ!?怪しい人がこっちに…!)

俺は驚いたが、その人の顔をよくよく観察してみる。何かだんだん、見たことあるような気がしてきた。

「ん…?もしかして…佐藤さん?」

俺がハッとすると、その人は何度もうなずいて俺に抱きついた。

(え…!?なんでだ?なんで抱きしめられている!?)

「ごめん…本当にごめんね、亮太くん。私、こっそり見ちゃってたんだ。」

「俺と…小川さんの会話?」

俺は抱きしめられたまま彼女の耳元で聞いた。佐藤さんは顔を俺の胸にうずめたままだ。

「だって…不安だったんだもん。なんか…2人きりなの、嫌だったんだもん。」

(だもん?…なんだよ、その言葉遣い。可愛すぎるって…。)

ようやく彼女が顔を上げる。俺は恥ずかしくてしばらく彼女の目を見つめられなかった。

「実は私にも思えないの、亮太くんがただの友達だって。だから今日もこうやって勝手に来ちゃってるし…。」

(俺…ちゃんと伝えたい。俺の…佐藤さんへの気持ち。)

俺は小さく深呼吸して覚悟を決めた。

「佐藤さん。」

佐藤さんの伊達メガネとマスクを優しく外し、まっすぐな目で彼女を見つめる。

「俺、佐藤さんのことが好きだ。」

「…え!?」

彼女の目に涙が溜まってくる。俺は彼女を優しく抱きしめた。

(佐藤さん…なんで泣いてるんだ?俺の気持ちに応えられなくて申し訳ないのか…?)

頭の中がまた混乱してきたが、俺は腕に強く力を入れて彼女の華奢な体を引き寄せた。

「きっと俺…好きだったんだ、ずっと。去年のクラスの時も俺が困ってるといつも助けてくれて。人のために一生懸命色々なことをやる佐藤さんの姿に惚れてたんだ。でも…勇気も自信もなくて言えなかった。好きって気持ちを隠してたんだ。」

(どうしよう…まだ両想いでもないのにこんなに言っちゃってる…。)

すると、佐藤さんが俺のことをぎゅっと抱きしめてくれた。俺の鼓動が一気に速くなるのを感じる。佐藤さんは微笑んでゆっくりと口を開いた。

「私も…私も亮太くんのことが好きだよ。」

(え…?ほんとに…!?)

俺は思わず佐藤さんから離れた。彼女は頬を赤らめながら話を続ける。

「私もずっと亮太くんが好きだった。だから今、本当に嬉しい。ありがとう…!」

佐藤さんは頬に手を当てて照れている。俺はまた彼女のことを抱きしめた。

(佐藤さん…俺、すごい幸せ。佐藤さんのこと、絶対離さないよ。)


亮太くんの視点から告白シーンを書いてみました!

彼の雄姿をぜひご覧ください♪

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