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私たち、惜しい2人です。  作者: みもざちゃん


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2/20

私たち、交わらないんです。(2)

佐藤華さとうはな:どこにでもいる平凡な女子高校生。2年1組。いつもポニーテールをしていて身長は少し低め。部活は家庭調理部。成績も運動もまあまあ。なぜか亮太のことが気になっている。少女漫画をたくさん読んでいてロマンティックな展開をいつも期待している。

鈴木亮太すずきりょうた:どこにでもいる平凡な男子高校生。2年1組。短髪で中肉中背の体格。部活はバスケ部だが、ベンチを温めている。成績も運動もまあまあ。

高橋優香たかはしゆうか:華の小学生からの幼馴染で親友。同じクラス。成績優秀だが、運動は苦手。部活は吹奏楽部。

田中遥人たなかはると:亮太の小学生からの幼馴染で親友。同じクラス。運動は学年でもトップクラスだが、勉強は苦手。部活は野球部。

立石直哉たていしなおや:クラスのムードメーカー。お調子者男子軍団のリーダー的存在。

渡辺先生:2年1組の担任の先生。新人でもベテランでもない男性教師。

「はい、じゃあ今度はあと1か月後に迫った修学旅行の班決めをしていきましょう。」

(もしかして修学旅行で亮太くんと同じ班になって恋が始まっちゃう感じかな!?うわーもうめっちゃ最高じゃん!)

私は渡辺先生の言葉に心の中でガッツポーズした。


だがしかし、先生から衝撃的な言葉が放たれた。

「班決めね、さくっと終わらせたいんで、先生がくじ引きを作ってきました。これで決めまーす。」

「えー!くじ引き!?」「組みたい人と組めないじゃん!」

教室が騒がしくなるのを無視して先生は1人1人の席に歩いて行ってくじ引きをみんなに引かせる。私は「亮太くんと同じになりますように」と懇願しながら紙を1枚引いた。

「1から6までのどれかが書いてあるはずです。みんな見たかな?」

恐る恐る紙を見るとそこには「6」と書いてあった。私がちらっと優香の方を向くと、彼女は指で「6」を見せてきたのだ!私が「一緒!」と口パクすると、彼女の顔が一気に明るくなった。優香とは同じ班になれたから幸先の良い感じがする。

「じゃあそれぞれの番号ごとに集まってください。場所は指定しませーん。」

先生の指示でみんな立ち上がり、各々の番号の仲間たちと顔合わせスタートだ。優香が「6班の人ー!」と言って集めてくれると、お調子者男子軍団の中にいる佐々木くんと斎藤くん、そして田中くんの3人がこちらにやってきたが、私はいつもの癖で亮太くんの行方を目で追っていた。

彼は1班だったみたいだ。私たちの班とはかなり遠くに集まっている。

(同じ班でもない上に1班と6班って離れすぎだよね…。もーう!なんでこんなに一緒にならないんだろう…。)

すると彼が私の方をちらっと見た。私は慌てて目をそらし、6班のメンバーに挨拶した。

「初めまして、佐藤華です!よろしくお願いしますぅ~。」

みんなキョトンとして私を見つめる。

「佐藤さん…僕たち去年も同じクラスだったよ。」

田中くんが笑いを堪えながら言うと、佐々木くんと斎藤くんが爆笑した。私は恥ずかしくて赤面するしかできない。

「しかも、このメンバーって去年の校外学習の時と全く一緒じゃない?」

優香がハッとしたように言った。去年の記憶を呼び戻すと、確かに全く同じメンバーだったのだ。あの時は田中くんが班長、優香が副班長をやってくれたんだった。優香もいてくれたし、田中くんは頼りになるし、佐々木くんと斎藤くんは盛り上げてくれるからバランスの取れた良い班だったことを思い出した。

「こんな偶然あるかよ〜すげえな、俺ら。まあ、修学旅行もテキトーに楽しもうぜ。」

佐々木くんが斎藤くんの肩に腕を回しながら叫んだ。田中くんも「そうだね、楽しもう。」と爽やかな笑顔を見せる。

(うーん、私が求めてる偶然ってこういうことじゃないんだけどなぁ。)

私は優香と目を合わせて苦笑しながらも大きく頷いた。


帰りの準備をしていると、亮太くんの席に田中くんが来て何か話している声が聞こえた。聞こえた、というよりも盗み聞きしたという表現が正しいのだが…。

「亮太、1班だったんだね。どうだった、メンバーは?」

微妙な表情の亮太くんの横顔が見える。彼のすらっと高い鼻が横顔を綺麗にしている。

「普通かな。遥人の班は楽しそうだよね。」

(え!?なんで?なんでそう思うの!?もしや…私がいるからとか?)

私は教科書をリュックに入れながら心臓の鼓動が速くなるのを感じる。すると、田中くんが笑いながら何度も頷いた。

「楽しいよ、校外学習の時も全く同じメンバーで楽しかったし。今日も早速面白いことがあってさ。」

私はギクッとした。1人だけ自己紹介をした自分が脳裏によみがえる。

「佐々木くんが修学旅行もテキトーに楽しもうぜって叫んでた。」

(…え?それ?それがそんなに面白かった!?)

心の声が漏れそうなのを慌てて抑えながら、私は会話の続きに耳を傾ける。亮太くんは肩を揺らして静かに笑い出した。しかも、かなりツボってるではないか!田中くんも彼につられて笑い出している。

(何この平和空間…!やっぱり亮太くん、最高すぎる……!!!!!)

私がうっとりしていると、渡辺先生が教室に入ってきた。騒がしい教室が一気に静まってみんな自分の席に着く。

「修学旅行の班で計画書を書いてもらって来週中に提出してもらうので、各班進めておくようにね。」

「計画書!?そんなのいるかよぉー。」

立石が不満げに言うと、周りの男子たちも「めんどくさいわーやりたくねえな。」と声を上げた。先生が「はい、挨拶ー。」とガン無視すると、ドッと笑いが起きた。私も思わず笑ってしまったが、斜め前の男の子は背筋を伸ばして動かずにいた。

(こういう時には笑わないんだなぁー亮太くん。不思議な笑いのツボなのかな?でも、さっきの佐々木くんの話であんなに笑うってどういうことなんだろ…そこまで笑う話では…。)

「さーとーうーさーん!挨拶、挨拶!」

私は立石の声でようやくハッとした。クラスのみんなが私に注目している。先生は「これから学級委員に慣れてね、佐藤さん。」と笑った。

「起立、注目。礼。」

私は顔を真っ赤にしながら号令をかけた。自分が学級委員であることに慣れるには当分時間がかかりそうだ。


つづく

亮太くんの笑いのツボ、気になりますね(笑)

次回も乞うご期待です!ぜひご覧くださいませ♪

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