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私たち、惜しい2人です。  作者: みもざちゃん


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13/20

私たち、惜しい2人です。(1)

佐藤華さとうはな:どこにでもいる平凡な女子高校生。2年1組。いつもポニーテールをしていて身長は少し低め。部活は家庭調理部。成績も運動もまあまあ。なぜか亮太のことが気になっている。少女漫画をたくさん読んでいてロマンティックな展開をいつも期待している。

鈴木亮太すずきりょうた:どこにでもいる平凡な男子高校生。2年1組。短髪で中肉中背の体格。部活はバスケ部だが、ベンチを温めている。成績も運動もまあまあ。

高橋優香たかはしゆうか:華の小学生からの幼馴染で親友。同じクラス。成績優秀だが、運動は苦手。部活は吹奏楽部。

田中遥人すずきはると:亮太の小学生からの幼馴染で親友。同じクラス。運動は学年でもトップクラスだが、勉強は苦手。部活は野球部。

立石直哉たていしなおや:クラスのムードメーカー。お調子者男子軍団のリーダー的存在。

小川茜おがわあかね:クラスの1軍女子グループのリーダー。見た目は可愛くてモデルのようだが、性格があまり良くない。

渡辺先生:2年1組の担任の先生。新人でもベテランでもない男性教師。

ー「何かあった訳じゃないけど、仲はいいよ。」

私はこの話は聞かなかったことにしようと思った。だんだん切ない気持ちが胸に広がってきて泣きたい気分になる。

(でも…亮太くん否定はしてなかったじゃん。まだ可能性はあるよね…うん、まだあるある!そう思わないと…気持ちが持たないもん。)

私は少しだけ目を開けて窓から景色を眺めていたが、優香の寝息を聞いていたらいつの間にか眠りについていた。


1時間ちょっとバスを走らせてようやく海遊館に着いた。起きてる人たちが寝てる人たちを起こして、みんなバスから降りる。

そこには魚の壁画が描かれた立派な建物が立っていた。私たちはみんな歓喜の声をあげる。

「すごーい!写真で見たことあるやつだ!」

「おっきいなー!水族館でこの規模感ってやばいよねー!」

各々チケットを買ってようやく館内に入った。そこには優しそうな男性が立っていた。

(あ!もしかして、この人が館長さんかな?)

私は察してすぐに前に出た。渡辺先生の指示でクラスのみんなは4列に並んで端に寄った。

「それでは、みんなで挨拶をしましょう。館長でいらっしゃる村岡宏さんです。」

先生が私に目線を送ったので、私はさらに一歩前に出て口を開いた。

「今日はお忙しいところお時間いただいてありがとうございます。本日はよろしくお願いします!」

少し間があってクラスのみんなも続いて「よろしくお願いします!」とお辞儀をした。

私が胸を撫で下ろして列に戻ると、優香が親指を立ててニコッと笑ってくれた。

「よろしくお願いします。でも、私はここまでなんです。ごめんなさいね、今からどうしても出ないといけない会議があって。帰りはまた来れるかな。」

クラス全員がポカーンとしてると、先生は知っていたかのように残念そうな表情をした。

「そうなんですよね、今日館長さんの代わりに案内してくださる方はいらっしゃるんですか?」

「はい、新人社員の山﨑です。彼女はとても優秀なのでご安心くださいね。」

館長さんが言うと、受付にいた若い美女がこちらに歩いてきた。綺麗にパーマがかかったブロンドヘアに背がすらっと高くてスタイルも抜群の女性らしい方だ。後ろで男子たちがザワザワしているのが聞こえてくる。

「おはようございます。私は山﨑愛菜と申します。まだ未熟な部分も多いかと思いますが、みなさんに一生懸命教えて参ります。よろしくお願い致します!」

(え!?この人、声まで可愛いんだけど!?このビジュアルにこの声ときたら…女性でも惚れちゃうよ!)

私は彼女の澄んだ瞳を見つめてドキドキしてしまった。

「それでは山﨑さんの後に続きましょう。他のお客さんの邪魔にならないようにしてくださいね。」

先生の指示で私たちはいよいよ館内に入ることになった。

「私が生きてる中でこんなに綺麗な人見たことないかも…女優さん以外でね。」

優香が目を見張って山﨑さんの背中を眺めているので、私も強く共感した。

「本当に美しい人だよね、すごく魅力的で。」

後ろにいた男子たちが前の方に行って山﨑さんの近くに行っている。みんな彼女に釘付けなのだ。

(亮太くんも…亮太くんもやっぱりああいう綺麗な女性が好きなのかな?どんな人がタイプなんだろう…全然分からないなぁ。)

亮太くんの姿は探せないが、私の頭の中はまた彼のことを考え始めていた。

「佐藤さんってさ、水族館好き?」

突然後ろから田中くんの声がした。私は驚いて「うわ!」と変な声を出してしまった。

「ごめんごめん!急に後ろから聞いちゃって。」

田中くんが眉を八の字にして謝ってくる。私はかぶりを振って彼の質問に答える。

「好きだよ。海の生き物たち、可愛いからさ。」

(あれ?田中くんと亮太くん、一緒にいないの?亮太くんはどこ?見つからない…トイレかなぁ。)

「そっか…じゃあさ…。」

私がボーッとしていると田中くんがはっきりした声で言った。

「今度の夏休み、一緒に水族館行かない?」

「…え?」

キョトンとする私から田中くんは目を離さない。彼はあどけない笑顔を作ってもう一度言った。

「2人で水族館行こうよ!きっと楽しいよ!」

(ふ、ふ、2人で!?それってデート!?なんで?なんで田中くんが私を誘うの!?)

私は一瞬固まったが、慌てて口を開いた。

「あ、えっと、楽しそうだね。他の人は…誘わない?」

「他の人?何人かで行くってことか。」

「私…男の子と2人でどこか行くの初めてで…他の人たちもいないと緊張しちゃうかなって。それに、何人かで行ったらもっと楽しそうじゃない?」

田中くんは私の言葉に少し考え込んだが、大きく頷いてくれた。

「そうしようか!じゃあ…亮太のことも誘ってみるよ。」

(良かったぁ…2人で行くのはちょっと、なんて言うか付き合ってるみたいだし…!)

私が微笑むと、彼は頬を赤くして笑った。

「あー、いたいた!2人ともなんでそんな後ろに行ってるの?探してたんだから。」

優香が亮太くんと一緒にこちらへ来た。亮太くんの寝癖がいつの間にか直っていて不思議に思った。

「悪かったよ、僕が佐藤さんを引き止めただけだから気にしないで。」

「寝癖…直したの?」

田中くんの言葉に続けて私は思わず聞いてしまった。亮太くんは自分の髪の毛を触り始める。

「うん…さっき近くにいた小川さんが直してくれた。」

(はあ!?うそでしょ…!あの意地悪な小川さんがやったの?亮太くんのこと、あんなに馬鹿にしてたのに!?)

私が顔をしかめると、優香が私をなだめた。

「まあまあ、きっとあの人はお節介なだけだよ。早く前の方に行かないと、置いてかれちゃうよ。」

私たちは早歩きでクラスのみんなの後ろに着いた。山﨑さんの可愛い声が聞こえてきて、私は思わず聞き入ってしまう。水族館は薄暗いのに、山﨑さんにだけスポットライトが当たっているような、そんな存在感があった。

「以上で私からの説明は終わります。何かご質問ありますか?何でもいいですよ!」

山﨑さんが笑顔を作ると、意外にも立石くんがピシッと手を挙げた。クラス全員が彼に注目する。

「あの…山﨑さんって彼氏いますか?」

(いやいやダメでしょ、そんなこと聞いたら!プライバシーのプの字もない人かよ!?)

お調子者男子たちは笑い出すが、他のみんなは眉間にしわを寄せて彼を見る。山﨑さんは動じることなくはっきりとした声で答えた。

「まさかの私個人に対する質問ですね。はい、います。5年間お付き合いさせていただいている方ですね。」

「5…5年間!?」

立石くんの声が裏返ったので、私と優香は思わず吹き出した。山﨑さんは天使のような笑顔を見せて、それから話題を変えた。

「海の生物のことで聞きたいことがある人はいないですかね…?」

挙手する人は誰もいなかった。山﨑さんは「それでは入口に戻りましょう。」と言って後ろの方に歩いてきた。女性らしい華やかな香水の匂いがする。

入口に着くと、そこにはなぜか入口に待機していた渡辺先生と最初に出迎えてくれた館長さんがいらっしゃった。気付けば、2時間ほど水族館を堪能していたようだ。

「それではね、短い時間でしたが、お世話になったお二人にお礼を言いましょう。」

また先生が私に視線を送ってきたので、私は一歩前に出て口を開いた。

「とても貴重な経験をさせていただきました。水族館を案内していただいて本当にありがとうございました。」

「ありがとうございました!」

クラスのみんなも声をそろえて言ってくれた。山﨑さんと館長さんは深くお辞儀をした。

「こちらこそです。また来てくださいね。」

山﨑さんがニコニコしながら手を振るのに、男子たちはニヤニヤしながら手を振り返す。

(やっぱり顔も声も体型も素敵で可愛い女性ってモテるんだなぁ…。亮太くんもあんなに素敵な女性が理想のタイプだとしたら…!?私、もっと自分磨きしないといけないじゃん。)

私が思いつめたような表情をしていると、「何かあった?」と優香に心配された。必死に笑顔を作る私を彼女は不思議そうに見つめていた。


もう一度バスに乗り込んで、私たちはいよいよお待ちかねのUSJに向かうことになった。

「USJ!USJ!USJ!」

USJコールをしているお調子者男子たちが異常にガキんちょに思える。私が苦笑していると、後ろから「佐藤さん!高橋さん!」と田中くんの声が聞こえた。

「USJ、僕と亮太と佐藤さん、高橋さんの4人で回らない?」

(うわー!まじで!?亮太くんと遊園地を一緒に回るの!?信じられない…!これはもう本格的に恋の始まりってやつだわ…。)

私と優香は顔を見合わせたが、すぐにオッケーサインを指で出した。田中くんは嬉しそうに「ありがとう!」と微笑んだ。

あっという間にバスはUSJに到着してしまった。私の胸の鼓動がだんだん大きくなっていく。

(ドキドキするけど…私のこと見てもらえるようにアピールしてみよう…!何とか…何とか亮太くんに振り向いてほしいなぁ…。積極的に話しかけないと!!!)

私が1人で何度も頷いているのを優香は不思議そうな表情で見つめていたのだった。


つづく

いよいよ恋が動くような動かないような予感です…かね?(笑)

次回も乞うご期待です!どうぞご覧くださいませ♪

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