第5話「医務室」
「――姫!――サリ―姫―」
どこからだろう。
どこからか声が聞こえる。
でも、ズキズキする。
痛みがだんだんと自分の物だと感じてきてるとサリア姫は声のするほうへ意識を傾けた。
「セイ…ヌ?」
「良かった!! あ、ご無事で良かったです」
セイヌは言葉を改めると安心した顔でサリア姫を見つめていた。
「ここはいったい……」
重い頭を少しずつ起こしていくとここはお城の医務室だと分かる。
「はっ! 昨夜の敵は!?」
窓から差し込んでくる光が朝だと理解できると昨夜のことを思い出し始めた。
「ご安心してください、全て私が退治しました」
「え、でも、確か…あの」
昨夜のことを思い出そうと頭を使うが攻撃を受けた痛みが続いていて喋れるほどでもなかった。
「少しお休みください、まだリネルの攻撃の影響が出てるんでしょう」
「リネル?」
一体誰のことを言ってるのか、そうサリア姫は考えた。
「今は地下牢に閉じ込めています。何でも、嫁候補にしてくれとか変なこと言ってましたけど、サリア姫何か知ってますか?」
知らないということでサリア姫は軽く首を振った。
「はぁ…また一つ問題が出来ましたね」
セイヌはサリア姫の護衛の他に子供たちの訓練や授業の先生を設けていた。
見た感じ忙しくなさそうと思えるがそれはとてもハードなもので自分の時間すら作れないほどであった。
それでも、今の生き方はとても好きなことで嫌々してるわけではない。
自分の生き方に誇らしく思ってるとコンコンと医務室のドアを叩く音が聞こえた。
農業百合ラブコメ書こうとしたのですがちょっと違うなと思い変更しました。
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。
それでは。