第3話「お守り」
城内の中央広場ではめらめらと炎が燃えていた。
魔物と敵対した兵士たちの痕跡が残っている。
「セイヌ様! もう王様が危うい状態です、兵士である私たちも既に限界が…」
城内の裏側から出てきた兵士は傷を負いながらもここまでたどり着いてセイヌに伝えにきた。
「分かりました。サリア姫、ここで少し待っていてください。魔物も表より裏側のほうが出現率も低い。走るのが速い私ならすぐに退治してきます」
「でも、不安が」
「念のためこれを渡しておきます。もし何かあった場合これを吹いてください、すぐにサリア姫の元に飛んでいきます」
渡されたのは笛であった。
今まで不安でたまらなかったがサリア姫は笛を渡されたことによって落ち着きを取り戻した。
「セイヌ、一つ伝えたいことが」
「何ですか?」
「何があっても絶対に自分の命の危険を感じたら逃げなさい」
「大丈夫です、私は強いですから負けることなんてないですよ。それを言うならそのままサリア姫にお返しします」
「あなたねっ!?」
「私のことをそこまで思っていてくれて私はすごい幸せ者ですね」
「とにかく早くお行きなさい。このままでは間が持たないわ」
「はい」
満面の笑みでセイヌはその場から離れていった。
1人残されたサリア姫はセイヌの後ろ姿をずっと見つめていた。
元いたサリア姫の姿を乗っ取って申し訳ない気持ちで満たされながら。
とりあえずプロットでサリア姫の元である美香の悲しい思い出を考えてメモ帳の脇のほうに書きました。
あまり悲しいお話は書きたくないのですが物語上必要なのかなと考えたり。
それでもどのお話もハッピーエンドに終わらせたいですね!
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。
それでは。