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三題噺もどき3

カレー作り

作者: 狐彪

三題噺もどき―ごひゃくきゅうじゅうに。

 


 キッチンに立っている。


 めったに立つことのないキッチンに。

 よほどのことがなければ、20秒も経たずに、立ち去るキッチンに。

 冬だからか、寒くてここに居続けるのが嫌になってきたくらい冷えたキッチンに。

「……」

 母からのお達しで、カレーを作ることになったのだ。

 今日は遅番且つ、その後も何か予定があるとかで帰りがいつも以上に遅くなるらしく。家にいるだけなら、材料は買ってあるから作っておけということだった。

 こういうのは過去に何度かあって、割とカレーは作ったことがある。

「……」

 そうじゃなくても。大抵みんな一回は作っているんじゃないかな。宿泊学習とかで作らないだろうか……あれが定番なのはこの辺りだけなのかな。そんなことないと思うけど、知らないけど。どうでもいいけど。さっさと済まそう。

「……」

 さっさと温かい炬燵に入りたいので。

 ちゃっちゃと済ませよう。

 とりあえずは冷蔵庫を開けるところからだ。

「……」

 使う材料を、取り出していく。

 人参、玉ねぎ、じゃがいも、肉はあとでいいか。寒いから出しててもいいと思うけど、ま、これ以上置くと置く場所がなくなる。固形のルーはそのあたりに置いてある。カボチャとサツマイモも入れていいって言っていたけど……今日はいいだろう。その辺はどっちかというとシチューに入れて欲しい。甘みが増す気がしていい。

「……」

 先に何から切ろうか……順番があるんだろうけど。

 なんとなく。嫌いな玉ねぎから切っていく。

 何が嫌いって、コイツを切ると涙が出てくるし手に匂いがついて嫌で面倒なのだ。その匂いが1週間くらい取れないきがしてホントに嫌いだ。入れなくていいなら入れたくない。

「……」

 でも使うつもりで母が多めに玉ねぎ買ってきているので使わないといけない。

 とりあえず1玉で良いだろう。頭と尻を切り落とし、茶色の皮をむく。これがたまにうまくいかないこともあったりして尚更嫌い。食べる分にはいいんだけどな。

「……」

 それから適当に切っていく。

 鍋はすでに用意してあるので。切った先からその中に入れていく。

 あー目が痛い。涙が出てくる。手が臭い……。

「……」

 そういえば、母曰く新玉ならそんなことないと言っていたのだけど、本当なのだろうか。新玉とそれ以外の玉ねぎの違いがいまいちわかっていないので何も分からないが。でもどっかで常温に置いておけば多少マシになる的なことを見たことがある気がする。やらないけど。面倒なので。……嫌いならやれって感じだな。

「……」

 玉ねぎに火を通しながら、人参を切っていく。

 軽く。ピーラーで皮をむき、乱切りにしていく。小さな人参なので、2,3本分入れて置く。細かく切るのが面倒なので、こうして乱切りに大き目に切るのだけど、これが案外母には好評をいただいている。

「……」

 その人参も適当に鍋に放り込んでいく。

 最後にじゃがいも。水で洗い流し、ピーラーで皮をむく。これもこれでめんどくさい。ぼこぼこしているんだもの……あまり器用ではないので手を切りかねない。もう少し簡単に皮を剥く方法とかあればいいのに。

「……」

 皮をむいたじゃがいもも適当に切っていく。これも気持ち大き目。

 半分に切ったのを四等分にするくらい。それで大きければさらに半分に切る。ま、あまり大きなジャガイモではないので一口サイズならなんでもいい。どうせ煮込んでいる間に削れる。ごろごろ入っている方がいいらしいので、あまり小さくはしない。

「……」

 じゃがいもも入れた鍋は、思ったより具沢山になってしまった

 炒めているのだけど、混ぜにくいったらありゃしない。ま、煮込むのでそこまでしっかり日は通さなくてもいいだろう。あと、肉を入れておかないといけない。

「……」

 冷蔵庫から肉をとりだし、適当に入れていく。

 手で取るのはよくないと思い、菜箸で取りながら入れていく。

 最終的に手で割くときもあるけど、この冷え切った肉を触るのは嫌だ。

「……」

 玉ねぎ、人参、じゃがいも、肉。

 それらを入れて、肉になんとなく火が通ったかなぁというあたりで。

 水を入れていく。ホントは、玉ねぎとかあめ色になるまでっていうけれど、その方がおいしんだろうけど、そんなとこまでしなくたって美味しいのでいいのだ。

「……」

 後は煮込んで、ルーを入れて煮込んでいくだけ。

 待つ間に風呂でも掃除しとこうかな。










 お題:野菜・涙・新


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