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ココロノツバサ - distant moon  作者: Kanra
第1章 始まりの月
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6 両毛連合

ベーカリーカフェレンガでモーニングの後も、加賀美に連れらて走る。

大間々の町を抜け、わたらせ渓谷鐵道に沿って走る。今日は、わたらせ渓谷鐵道のトロッコ列車の運転日。走行しながら加賀美は「どこかでN-ONEと一緒に撮ろ?」と誘う。

「トロッコだけに?」

「何それ?ダジャレじゃないよ。」

ハンズフリーマイク越しに笑う。

「2台並べるならば、上神梅駅に止めて122から望遠レンズでしょうが、今、望遠無いしー」

「水沼と花輪の間。」

「ー?」

「分からないか。着いてきて。」

そんな事をしながら、わたらせ渓谷鐵道のトロッコ列車と追いかけっこをし、気が付いたら足尾駅まで来てしまった。

足尾銅山の廃坑を背に何枚か撮影しつつ、折り返しのトロッコ列車の入換作業を撮影し、14時近くにようやく草木ドライブインで昼食にする。

食堂で加賀美と撮影した写真を見せ合い、「一眼レフとスマホとでは」と言う話をしていると、

「お疲れ〜」

と、声をかけられる。どうやら加賀美の知り合いらしい。

「あ、どうも。」

加賀美は笑いながら応えたが、小岩剣にはその顔は妙に嫌な顔にも見えた。

とりあえずは小岩剣も挨拶する。

「N-ONEの、つるぎと申します。」

と、自己紹介。

「咲さんの隣の青いN-ONE?」

「ええ。車の知識やドラテクについて、加賀美さんから教えてもらってます。」

「後輩?咲さんの?」

チラッと横目で加賀美を見ると少し不快な顔をしているように見えた。

勝手に加賀美を先輩呼ばわりしたから怒ったのだろうか。

どう答えるか困った。

「他の人の邪魔しちゃ悪いので、先に外に出てます。」

と、加賀美は席を立つ。

「ついてきて」と耳元で言う加賀美。完全に怒らせたと思った。

言われるまま、表に出る。

「勝手に先輩って呼んですみません。」

真っ先に謝る。

「えっ?何の事?あぁ、私が怒ったと?いやいやそんな事無いよ。」

加賀美は慌てる。

「でも、先程はー」

加賀美は大きな溜め息を吐く。

そして、懐からIQOSを出す。

「タバコ吸われるのですね。」

「意外でしょう?」

「いや、そういうわけではー」

「つるぎ君しか知らないよ。IQOS吸ってるのは。カンナもアヤも知らない。」

「えっ?」

「私にとって、つるぎ君はありのままの私を見せられる相手と思ってる。なんなら、裸だって見せてもいい。だから、硬くならないで。なんなら、今夜見る?そしたら、第二のラブホ特急よ。」

そう言えば、東郷三姉妹にも同じことを言われた。

「さっきのあの人たちの態度見た?」

「ええ。ヤケに加賀美さんとの関係をー」

「私、そう言うノリ嫌いなの。両毛連合のね。」

「ー。」

「玲愛と寝たって、私は何も言わなかったでしょう?あの人たちの前で言ったらどうなるか、試してみる?」

「ああ、そういうことですか。」

なんとなく分かった。

「車界隈ってそんな面があるんだよね。モータースポーツも、何かにつけてすぐ女のエッチな話をする。私はあまりよく思わない。」

「それは車界隈に限らずです。」

「カンナにそっくり。今に、つるぎは両毛連合とケンカになるか、嫌な思いをするかだね。」

加賀美は微笑んだ。

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