表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ココロノツバサ - distant moon  作者: Kanra
第五章 筑波の月
57/78

55 ユーロチャレンジ予選

玲愛と恵令奈、望月の出撃する、ユーロチャレンジの予選が始まる。

群馬勢はロータスとBMWが出撃だ。

型落ちのBMWやAMGの姿が多いで、玲愛のロータス・エミーラは最新鋭。

恵令奈のロータス・エキシージもまぁまぁ新しい方。

新参者がピカピカな車体を翻して、筑波サーキットコース2000を一気に駆け抜ける。

玲愛、恵令奈両者共にトップタイムをマークする。

ポルシェ、アルファロメロも追従する。

ハチロク祭りと言うが、N-ONEや欧州車も走るので、一瞬何が主役か分からなくなる。

特に、今日は雑用係の小岩剣はその傾向が強い。今、小岩剣は玲愛のタイムを計測して玲愛に伝えている。

玲愛、どこかつまらない様子。

ポーポジション確実なのだが。

(恵令奈以外、周りみんな遅い。)

と、玲愛は不満だ。

望月ですら、玲愛との差が大きい。

小岩剣は「玲愛さんトップタイム!」と伝える。

「そう。」

玲愛の返事、そっけない。

何を不満に思っているのか分からない小岩剣は困惑して、自分が何か間違えているのかと思った。

恵令奈も、淡々とタイムを出す。

恵令奈は2番手タイムをマークしている。

2番手タイムの恵令奈の後ろはポルシェ911だが、1秒以上の差がある。

「ポルシェがロータスに負けんなよ。」

と、日奈子。

「骨が無い。ワンコ君もロータス乗りなよ?」

日奈子が言う。

「玲愛、周りが張り合い無くてイライラしてんのよ。ワンコ君がロータス乗ったら、お互い張り合えるよきっと。」

「そうでしょうか?自分の体型だと、ロータスは扱い切れないかと。」

「景気悪いし、ネガティブな返事。それっ!」

「はわっ!?」

日奈子が小岩剣の脇腹を弄り、小岩剣は変な声をあげてしまった。

「景気良く!元気良く、よ!」

「ぜーっはーっ。」

柵にもたれてしまう小岩剣。

その時、下から加賀美が冷たく、寂しく、暗く、歪んだ目で見ているのに気付き、更に顔色を悪くする。

轟音を轟かせ、望月のBMW Z4が通過したので我に返る。

「車ってさ、いや、車に限らずだけど、やたらうるさいと速くて力強そうに見えるじゃん?でも、望月のBMは18台中10番手。この辺りの順位の車はみんな同じようなタイム。でもさ、恵令奈と玲愛来るよ?」

日奈子が言うと、最終コーナーを立ち上がって、メインストレートにロータス・エミーラとロータス・エキシージが飛び込んで来た。だが、望月のBMWと比べてやかましい音はしない。

「マフラーだけ変えても意味無い。排気だけ増やしても、効果は薄い。入り口と出口はセットでなければダメ。ターボで吸気量増やし、マフラーで排気量増やす。何ごともバランスよ。」

ふむふむ。と頷く。

「まぁ、学んでも学んでも、実際に身につくのは時間かかるから、焦らない。」

と、日奈子が言った時、チェッカーフラッグが振られた。

玲愛がポールポジション。

恵令奈が2番手。

望月は最後に巻き返して8番手スタートと言う結果である。

ユーロチャレンジ予選が終わったら、直ちに次のグリップ走行会が始まり、グリップ走行会に参加するメンバーが出撃して行くのを見送った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ