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ココロノツバサ - distant moon  作者: Kanra
第五章 筑波の月
55/78

53 再びのつくば道

またまた小岩剣は、夜の国道354号を東へ走っていた。

今日は1人では無く、大規模な隊列を組んでいる。

紅いGR86と紺色のZD8型BRZが隊列先頭を走り、霧降要のBRZと望月のBMW Z4等、サンダーバーズの全車両、それから、東郷三姉妹に加賀美の姿もある。

「サンダーバーズが全力出撃する機会は滅多に無いが、この筑波サーキットのハチロク祭りは毎年全力出撃だ。」

と、霧降要が言い、

「カンナとアヤは「86/BRZサーキットチャレンジ」に出撃する。恵令奈と玲愛、望月が併催される「ユーロチャレンジ」。加賀美はN-ONEオーナーズカップ。それ以外はグリップ、ドリフト走行会。」

と、それぞれの出撃する物を伝えながら、出撃しない者の役割を伝える。

小岩剣は加賀美の助手を希望する。

「つるぎは、ロータス艦隊のサポートに付け。」

と、霧降要が言う。

「カンナも同意見だ。」

無線交信の向こうで、加賀美に付きたい小岩剣と、東郷三姉妹に付けと言うサンダーバーズのやり取りを、加賀美と東郷三姉妹も聞いている。

「これは命令だ。サンダーバーズとしての。」

霧降要が強めに言う。

「S660に近い車はロータスだ。俺達や加賀美では違い過ぎる。MRの特性を理解してから、他の車を見ろ。」

「加賀美さんのN-ONEだってー。」

「なら、つるぎ君は私の何を知っているの?」

加賀美が加わる。

東北本線の線路を越えた。

横目に、東京へ向かう高速コンテナ貨物列車を牽引するEH500電気機関車のヘッドライトが見えた。

「私からも命令よ。従いなさい。」

「ー。」

加賀美には、別の事情があった。

そして、ADM全車、サンダーバーズも霧降艦隊も、三条神流も松田彩香もそれを知っている。東郷日奈子も、恵令奈も、玲愛も。加賀美と小岩剣を引き離したいのは、それを知ったら小岩剣が暴走すると恐れてだ。

三条神流は最後まで反対したのだが、自分もまた、暴走して長野に行き、痛い目に会って群馬に帰って来て、松田彩香に拾われなければどうなっていたか分からぬと言う事から、合意したのだ。

だが、それを知らない小岩剣は、

「自分が、加賀美さんと話すためには、経験が足りないと?だから、玲愛さん達に付けと?妙な話ですね。以前は、あっちへ行くなこっちに来るな、自分の気持ちをはっきりさせろ。なんて言っていたのに。」

と、以前、三条神流や加賀美に言われたことを引き合いに出して反抗する。

「命令だ、玲愛に付け!それとも命令拒否で叩き出されたいか!?」

霧降要が怒鳴った。

「ロータス壊しても知りませんよ。」

小岩剣は渋々、命令に従った。

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